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ビデオ【ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin商店街】

   ↑  2014/01/25 (土)  カテゴリー: 映画・DVD
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FMWやW★ingのデスマッチスピリットを受け継いだのは、今ではプロレス界の準メジャーとしての地位を確立している大日本プロレスでした。
しかしこの団体の旗揚げ当時を知る者で、誰が今日の隆盛を予見していたでしょうか。
アナクロの極みな団体名。社長はプロレス界との関わりにブランクのあったグレート小鹿。エースは40も半ばを越えていたケンドー・ナガサキ。それ以外の所属選手は名も知れない若手新人が若干名。
この布陣で中小団体がひしめき合っていた当時のプロレス界に割って入るのは、無謀以外のなにものでもないと感じた人も多かったはずです。
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しかし大日本は、無謀の二乗でもあったヒクソン・グレイシーへの挑戦に始まり、さらに過激化を増したデスマッチ路線、米国エクストリーム団体との提携("妻殴り"の衝撃!)、大メジャー新日本との抗争、さらには副業の引っ越し会社と、ありとあらゆるアイデアを尽くして、プロレス冬の時代を逞しくサバイブしてきました。
そんな大日本の「益になりそうなことは、とりあえず何でもやる」アティチュードと、90年代きってのトリックスター、ビデオ安売り王が手を組んで放った奇跡の一本が、この「ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin 商店街!」です。
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折しもナガサキとヒクソンの対戦が盛り上がっていた頃。そんな大切な時期に、MMAとはまるで関係ないこんな試みに傾注するナガサキの豪胆さにも恐れ入りますが、テリー伊藤、高橋がなり以下、ビデオ安売り王企画ビデオの多くを請け負っていたSt.ピーターズバーグは、昼下がりの商店街という最高の舞台を用意して、ナガサキの男気に応えます。
なんの変哲もない商店街のド真ん中に設置された特設リングを彩る演出は、呑気なブラスバンドの演奏と、生活感あふれるチアリーダーたち。
それにバックアップを受けた若手たちも、なんとも牧歌的で緩いファイトに終始。
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いずれも後のプロレス界で名をなす男たちですが、この頃はまだペーペーの身。多少のしょっぱさは仕方がないと、つい暖かい目で見てしまいますが、そんな甘っちょろい優しさとは無縁の男がここに一人いました。言わずと知れた剣道鬼、プロレス界きっての喧嘩屋ケンドー・ナガサキ!
「お前らみんなダメダメだよ!」と言わんばかりに試合に乱入したナガサキは、リングを逸脱して凄まじい制裁を若手たちに加え始めます。
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八百屋の店先にある商品棚の上にボディスラム! 売り物のスイカで脳天を一撃! 喫茶店の照明看板で一撃! そば屋の店内で大乱闘! 寿司屋の暖簾でチョーク攻撃! その最中にもブラスバンドの演奏とチアリーダーたちの踊りは呑気に続いています。
商店街の楽しい休日イベントのはずが、いつしか商店街を破壊して回る阿鼻叫喚の大騒ぎに。プッツン切れたケンドーは、もう誰も止められない。私もプロレスを見てもう長いことになりますが、バナナで人をボコボコに殴りつける行為を目にしたのは、後にも先にもこのビデオだけです。
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途中、あまりの惨劇に血の気を失った女性リングアナが、控え室に運ばれて介抱されるというハプニングも発生しますが、見る限り血色は非常にいいみたいです。
こんないかにも仕込み臭いイベントや、技の一発一発に被さる胡散臭い効果音に後載せの歓声、そして「強さとはなんであろうか。同じ釜の飯を食い合った者同士が、なぜ憎しみもないの闘わなければならないのか」なんて調子の、いかにも重々しいけど中身は何も言ってないに等しいナレーション。
そんな体裁に往年の梶原一騎発格闘技ドキュメンタリー映画、「四角いジャングル」や「地上最強のカラテ」を思い起こしてしまう人も多いでしょう。
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そう、この「ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin 商店街!」は、80年代のラジカルなテレビバラエティの手法と、70年代に梶原一騎が推進した三協映画的手法を融合させた作品なのです。
三協映画作品の魅力は、どこまでが仕込みでどこまでがドキュメンタリーかの境界が曖昧だったところですが、その部分も「バーリ・トゥード in 商店街!」はしっかりと継承。
商店街の人たちにある程度は話を通してるとはいえ、何せナガサキは、日プロ末期のごたごたで大城大五郎を半殺しの目に遭わせたり、海外でもあのブルーザー・ブロディと、プロレスをほったらかしてガチ喧嘩をおっ始めてしまったなんて逸話には事欠かない人。
その傍若無人な大暴れの中には、仕込みかそうでないかの区別も面倒臭くなって、スタッフや商店街の人たちがマジで青ざめていそうなものも、かなり混じっているようです。
事実、ナガサキのハードな攻撃を喰らい続けた山川征二は、腕に十数針縫う裂傷を負って戦線離脱。
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もはやコントロール不能になったナガサキは、ガチャガチャやゲームのテーブル筐体をぶん投げて大暴れ。
ナガサキのヒクソンへの挑戦は、前哨の前哨のそのまた前哨戦であったジーン・フレージャー戦での凄絶な秒殺KO負けにより頓挫してしまうのですが、もしルールがMMAではなく商店街バーリトゥードであったら、フレージャーはおろか、きっとヒクソンもナガサキの敵ではなかったことでしょう。
さすがに見るに見かねた小鹿社長が、「どこまでやらせるつもりだ」とスタッフにクレームを入れて、この支離滅裂な大騒ぎはようやく終了。
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「はい、お疲れさん」とばかりに帰途につくナガサキと大日本プロレス一行。後に残されたのは、もうめちゃくちゃになった商店街。
道場に帰った一行は、さっきまでの騒ぎなんかなかったことのように、ほのぼのとちゃんこで食事。
山川の戦線離脱のあおりを食って、ナガサキ大暴れの矢面に立たされた最年少の小林洋輔(現アブドーラ小林)が、敢闘賞とばかりにちゃんこを優先して食べられる権利を得ますが、ナガサキと小鹿社長に挟まれて、この二人に給仕なんかされたら、ちゃんこの味なんか分かんないだろうなあ。

*ビデオ安売り王プロレス企画ビデオの関連作記事
ビデオ【真FMWターザン後藤in大銭湯プロレス】
ビデオ【IWA JAPANプロレス 一軒家! 家庭内暴力デスマッチ】



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