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【ドクターハウザー】D食にもバイオにもなり損ねた

   ↑  2013/12/11 (水)  カテゴリー: 3DO
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インタラクティブアクションアドベンチャーの時代を切り開いた歴史的作品『アローン・イン・ザ・ダーク』。
それを換骨奪胎して本家以上の成功を納めたのは、カプコンの『バイオハザード』だが、世の中にはカプコンと同じ着眼点に辿り着きながらも、それぞれの理由で『バイオ』どころか本家すらも超えることができなかったゲームがいくらでもある。
リバーヒルソフトと言えば、ミステリアドベンチャーゲームで一時代を築いたメーカーだが、そんな2DADVの老舗が、国内では他に先んじて放ったポリゴン3DADV。
しかしそれが知る人ぞ知る作品となってしまったのは、対象ハードが3DOオンリーだったからというだけでは、どうやらなさそうである。
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闇夜を切り裂くヘッドライトと共に、不気味な屋敷に近づくポリゴンカー。
この導入だけで既に既視感バリバリだが、その角張ったクルマの主、アダムス・アドラーは、訓練を受けた特殊部隊委員や修羅場慣れした私立探偵ではなく一介の新聞記者。
これがクリス・レッドフィールドやエドワード・カーンビーならば、こんな不気味な洋館には気配を殺してこっそり忍び入るところだが、アダムスにそんな気の利いた警戒心などあるわけがない。
「誰かいませんかーーーーーー!」
大声をあげながら玄関ドアから堂々と侵入するアダムス。どっしゃーーーーん! その数秒後には、玄関ホールの天井から突然落ちてきたシャンデリアの下敷きとなり、早くも一回目のゲームオーバーを迎えるのであった。
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もっともアダムスの不用心さにだって言い訳はある。
彼とこの屋敷の主ハウザー博士は旧知の仲。考古学の権威にして奇行だらけの天才と紙一重である博士に、アダムスは巧く取り入り、数々のスクープ記事をものにしてきたのだ。
しかしマニュアルの人物紹介に、「決して気の合う友人だったわけではない」なんて意味ありげな断り書きがあるように、その関係はアダムスにとって気の進むものだったわけではなさそうだ。
そりゃそうだ。こんな偏屈で人嫌いで何を考えているのか分からないインテリゲンチャとは、できればメールのやり取りで事を済ませられるドライな関係でいたいもんだ。
そう思ったときは既に手遅れ。ホールのドアを不用意に開けた途端、そのまま落とし穴の中に吸い込まれ、アダムスは開始三十秒で早くも二回目のゲームオーバーを迎えているのだった。
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恐怖のポリゴントラップ屋敷、ハウザー邸。
しかもそのトラップは、毒ガス部屋に水牢、廊下を転がってくる大岩にギロチン部屋など、一般家屋の中にしつらえるには、明らかにトゥーマッチなモノばかり。これを施工した業者さんは、さぞかし神経がすり減るような思いをしたことだろう。
侵入者を撃退することよりも、どんな凝った罠をたくさん設置するかの方向に、目的と手段が入れ替わってしまったようなトラップをアシストするかのように、我らのアダムス君は、もっさりした鈍臭い動き、何かを飛び越えるという機能をまったく果たしていないジャンプ、気まぐれな視点切り替えという三重苦を兼ね備えている。
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視点に自由が利く3Dポリゴンは、ゲームに映画のようなカットバック演出をもたらすことを『アローン・イン・ザ・ダーク』は教えてくれたが、この恩恵を『ドクターハウザー』は、トラップが発動する度に、「ビックリしたなあ、もう!」と言わんばかりな、アダムスのご尊顔アップを事あるごとに繰り返して盛大に無駄遣いしている。
最初のうちはこちらにも、アダムスのビックリ顔にケラケラ笑い転げていられる余裕はあるが、中盤を過ぎると、あまりにひねりのないトラップの連続に、次第に表情も失われてゆく。
大人しく2DミステリADVを作っていれば、こんなことにはならなかったのに。そんな感想をつい抱いてしまうが、リバーヒルソフトはこれに懲りずに、また二年後に今度はプレイステーションで、同趣向の『オーバーブラッド』を世に出してしまうのであった。
そして発売から約20年たった今、この『ドクターハウザー』のスタッフクレジットを見返してみると、そこに「メインプログラマー・日野晃博」の名を発見し、「そうか、貴様の仕業だったとは……」と、なんか妙に腑に落ちてしまうのだ。



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2013/12/11 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


飯野賢治さんがこんなに早くお亡くなりになるなんて。合掌。

コンシューマーゲームに夢中になった時代も
ありましたが、初期の頃のように無限の可能性を秘めた全く新しい娯楽だという感動が薄れてしまい「○ーデルカ」でとどめを刺されました。
カクカクご尊顔は勘弁ですが美形を美麗なムービーで見せられるのも萎えます。
ファンタジーの筈がホストとキャバ嬢みたいなキャラばかり登場するとなあ。



奈良の亀母 |  2013/12/12 (木) 21:31 No.693


特にPSの初期は様々な可能性を惜しみなく追求していた感がありますけど、それも後期になるとあっという間に終息しちゃいましたね。
後期の流れを悪い形で引き継いだPS2が、色んな意味でトドメを刺しちゃったように思います。

大沢与一 |  2013/12/14 (土) 16:49 No.694

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