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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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ウルティマオンライン  

【ウルティマオンライン】麗しのマイホーム

   ↑  2013/11/21 (木)  カテゴリー: PCゲーム
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MMOゲームの中では、主にレアアイテムがそのステイタスの証となることが多いが、多様な価値観やプレイスタイルが混在する『ウルティマオンライン』において、その役割を果たしたのはずばり土地と家だ。
一時はささやかな家を僻地に建てることすら、なかなか叶わない夢であった。拡張パック『正邪の大陸』がリリースされ、広大なマラス大陸が新たに事実上の住宅分譲地として提供されても、住宅難は一向に緩和されないままだった。
現実の住宅と同じように、家をどこにどれくらいの大きさで所持しているかは、ブリタニアにおける貧富と階級と廃人度の証明となった。

現実の住宅が、駅から徒歩何分の利便性でランク分けされるように、ブリタニアでは街やムーンゲートにより近いことが、その土地の付加価値である。
ブリテインやムーングロウといった街の至近に家を持つことはセレブの証。一大商業地であるルナ城内に土地を持つものは、羨望の眼差しを浴びた。
漫才のセントルイスは「田園調布に家が建つ」をキャッチフレーズとしていたが、『ウルティマオンライン』の場合は、これが「ルナ城内に家が建つ」と言い換えられる。いや、ルナ城内の土地の希少性を考えれば、それは田園調布程度では釣り合わないかもしれない。

オレはといえば、ゲームの中でも甲斐性のなさっぷりをいかんなく発揮して、ムーングロウの下宿屋、Moonglow Student Hostel 暮らしが長く続いていた。
貧乏人誠実なブリタニア民への宅地解放政策と呼ばれたマラス大陸の分譲も、スタートダッシュに間に合わず、「フェルッカの住宅売ります」という捨てチラシにまんまと乗ってしまっては、現地で赤ネームたちに取り囲まれて殺され、「現実のみならず、ゲームでもオレはこんな境遇に甘んじなければならないのか」と、涙に暮れる毎日。

そんなある日、どっかに金目のモノでも落ちていないかと、いつもの散歩をしていたオレの前に、その住宅密集地中にぽっかりと空いた小さな土地はあったのだった。
サイズは7×8ほどの超ミニマムサイズ。しかし僻地ではない。アンブラの街がすぐそこにあるという好ロケーションだ。
なによりその頃は、トラメルルールの大陸に空き地があるというだけで、奇跡の二乗三乗な時代だったのだ。

周囲に誰も居ないことを確認するとオレは走った。モニターの前で本当に「うわーーっ! 空き地だ、空き地がある!」と声を上げながら、建築ツールを買うためにアンブラの街まで走った。
そして建築ツールを手に、「この隙に他の誰かがあそこに家を建てていませんように!」と祈りながら、空き地のある場所まで全力ダッシュで戻った。

もしここで、空き地のところに数人のプレイヤーが待ち受けていて、「ざーんねーん。ドッキリでしたー。まさか今日日土地があると本気で思いましたー?」と、オレを笑いものにするオチがついていたら、オレはそのまま包丁片手に現実の街で無差別に荒れ狂い、「ゲームが原因で通り魔」なんてニュース沙汰になって、多くのゲーム愛好家に迷惑をかけていたことだろう。

しかしそんな杞憂をよそに、家はしっかり建った。オレが建築ツールをクリックすると、その空き地に確かに7×8の土台は出現したのだ。
「たった、たったー!」 まるでクララの頑張りを前にしたハイジのように、或いはバイアグラがガン効きした壮年男性のように、オレは絶叫した。
城や砦、最大サイズの家に比べれば、ウサギ小屋でしかないミニマムサイズの土地。だが、オレは確かにUOの飛鳥鯖内に、自分が占有するオレだけの土地を確保することができたのだ。

その後、プレイヤー人口の緩やかな減少と、複数アカウントの存在も落ち着きを見せ、土地の方が供給過多になったこともあって、ブリタニアに於ける住宅事情は少しずつ好転していった。
オレも幾度の引っ越しを重ねて、その度に家のサイズは少しずつ大きくなり、やがては最大サイズの土地を二軒持ちするまでの身分になった。
そして今、16周年を迎えたブリタニアは少子高齢化が進み、さらに家の腐敗システムが厳格に適用されるようになったこともあって、かつての住宅難を知る者には信じられないくらい空き地だらけになっている。

それと並行するようにして、オレも土地や家に対する執着は徐々に薄れていった(先日は、とうとう家を一軒腐らせてしまった)。
そんな悟りきった老人のような枯淡の域に達してしまった今のオレにとって、あの初めて家を建てたときの興奮と感動は、遠く過ぎ去った青春の日々のような想い出となっているのだ。

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2013/11/21 | Comment (3) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


ブリタニアに限らず、日本でも人が住まない家屋はすぐに痛みますからね。空き家にしとくよりは、貸しておくほうが修繕費用は安く上がるらしいです。
ひさびさにログインしたら自宅が山賊のすみかになってた、というようなMMORPGはやっぱりウケないな、と思いました。

neb |  2013/11/22 (金) 01:14 No.680


庶民の家も物で溢れています。

リアル世界で両親が亡くなった後の空き家を片付けた時の
大変さときたら!戦争を経験した世代で物が捨てられないので、峠の釜めしの空き容器が二十個も取ってありましたよ。
娘には自分たち夫婦の溜め込んだ膨大な書籍とコミックの
処分先を書き残しています。サンリオSF文庫と、ひばり書房と、朝日ソノラマサンコミックスを捨てられたら化けて
出るよ!空き家を放置しておくと色々と物騒で・・・。

奈良の亀母 |  2013/11/22 (金) 11:47 No.681


>nebさん

そう言えば久々にログインしたら、イベントの影響で家が戦場の真っ只中になってたなんてことが、UOでありました。避難民ごっこ、楽しかったです。


>奈良の亀母さん

うちの両親はまだ健在なのですが、やはりモノを捨てない人たちなので大変なことになりそうです。
実家はなまじモノを放り込める棟があるので、よけいにアンチ断捨離を加速させているのですが、先日そこを覗いてみたら、古いハヤカワSFシリーズ(ペーパーバック体裁のやつです)が山ほどあったので、思わずびっくりしました。
たまに希少本がとんでもないとこに、どどっと出品されることがありますけど、やっぱりそのパターンなんでしょうね。

大沢与一 |  2013/11/23 (土) 17:26 No.682

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