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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Call of Juarez: Gunslinger】もう一つの開拓時代紳士録

   ↑  2013/05/25 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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開拓時代の西部は、まるでヤンキーの自慢話や、それが又聞きに又聞きを重ねた"伝説"みたいな話で彩られている世界だ。
ちょっとした撃ち合いが起こり、流れ弾で一人が負傷したなんて話も、やがて負傷者が死者になり、「そいつを撃ったのはオレだ」なんて自己申告が加わり、一人死んだが二十人死んだになり、「その件も含めて何某が生涯で殺ったのは、ざっと百人」などと話を膨らます奴が表れ、それに対抗意識を燃やして「いや、百人じゃきかねえよ。二百人はいってる筈だね」と、根拠もなしに言い出す奴も出てきて、かくして西部のアウトロー伝説が一丁できあがる。
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無法者たちが跋扈した時代も過去のものとなった頃、カンザスの田舎町にふらりと現れたサイラス・グリーヴスという名の開拓時代生き残り老人が、タダ酒の代わりに語る長い長い物語も、そんな限りなく駄法螺に近い伝説の一つだ。
ビリー・ザ・キッドに始まり、彼の宿敵パット・ギャレット、クラントン一家、カーリー・ビル、ヘンリー・プランマーとジ・イノセンツ、ジョン・ウェズリー・ハーディン、ジョニー・リンゴ、ダルトン兄弟、ワイルドバンチ一党、ピンカートン探偵社、ジム・リード&ベル・スター夫妻、ジェシー&フランク・ジェイムズ、ヤンガ-ギャング団(字幕で"若ギャング団"と訳されているのはご愛嬌)、キッド・カーリー、そしてブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド。
"賞金稼ぎ"サイラス・グリーヴスが、生涯で関わったと主張する、いずれ劣らぬ西部の伝説的無法者たち。
それらをことごとく、「あいつを撃ったのはオレ」、「あいつを捕まえたのはオレ」などと言い張るのだから、彼の長話に耳を傾ける酒場の客たちも、そりゃ眉に唾を付けたくなるというものだ。
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「カーリー・ビルを撃ち殺したのは、ワイアット・アープの一党だったんじゃ?」、「ダルトン兄弟の末弟って、まだ生きてるはずだよな?」
そんな酒場の客たちの、しごくまっとうなツッコミも、「アープのへたれは病的な嘘つきだ」、「オレは確かにエメット・ダルトンに二十数発の弾丸をぶち込んだ。だけどあいつはガッツがあったから助かった」と、平気な顔でいなすものだから始末が悪い。
そしてFPSというゲーム様式は、この手の西部の駄法螺としごく相性がいいときている。
何せ「気づけばオレは、オレが追っているアウトローたちなんか比べものにならないほど、人を多く撃ち殺していた」などと、サイラスの側からセルフツッコミが入るほどだから。
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老人の昔話という建前上、記憶違いやら、説明不足やら、脱線やらと、何かと錯綜する物語展開。
それをいちいち馬鹿丁寧に再現したユーモラスなステージ構成とビジュアルは、このゲームのハイライトの一つ(「あ、そうそう、そういやそこにはデカい納屋があったっけ…」空から忽然と降ってきて実体化する納屋)。
反面、視認しづらい敵や、雰囲気はよく出ているんだけど、ゲームの一パートとしては決して面白いものではない決闘シーンなど、『コール・オブ・ファレス』シリーズ伝統の欠点も、しっかりと継承している。
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ただし、これもシリーズ伝統である、酒場、鉱山、製材所、グレートウェスタン鉄道など、西部劇のツボを押さえたシチュエーションと、臨場感溢れるビジュアルも健在だ。
迷路のように入り組んだ製材所で、二丁拳銃を手にカーリー・ビルと対峙。迫り来るワイルドバンチ一党を迎え撃つ武器はガトリングガン。兄弟の敵討ちに燃えるフランク・ジェイムズ。そしてブッチ・キャシディ&サンダンス・キッドとは、「続・夕陽のガンマン」スタイルの3way決闘での対決だ。
名だたる西部劇映画を観てきた者にとって、これらシチュエーションで盛り上がらずにいられるだろうか。
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そんな西部劇ハイライト編集のようなメインストーリーの合間に拾える収集物は、その名も"真実のかけら"。
確かな史料からなる開拓時代の伝説の真の姿がそこには記されており、これを読むと名だたる無法者たちも、その実体は案外ショボかったりセコかったりすることが伺える。
もちろんそんな"史実"は軽い参考程度に留めておいて、サイラスの語る昔話に「で、続きは?」と好奇心剥き出しで耳を傾けるのが、正しいスタイルであることは言うまでもないだろう。
"伝説の賞金稼ぎ"サイラス・グリーヴスの長い長い回想録。それは限りない駄法螺なのか、それとも一抹なりの真実が含まれているのか。それはサイラスのお喋りに最後までつき合ってみなければ分からない。
ただ一つここで言えるのは、どんな駄法螺も少なからず、そして核心的に歴史とリンクしてるということ。なあ、そうだろ、ドワイト。
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オレがこの欠点も多い西部劇シューターシリーズに心惹かれるのは、最後の銃弾一発に、FPSというゲーム様式すら否定するほどの重さを常に込めているところだ。それはこの『Call of Juarez: Gunslinger』も例外じゃない。
長い昔語りの途中で、サイラスは「復讐は冷ましてから食べる料理だ」と、ぽつりとこぼした。その料理の味が美味かったのか不味かったのか、それはサイラス自身とプレイヤーだけが知っている。

*シリーズ関連記事
【コール・オブ・ファレス 血の絆】荒野の極道兄弟
【コール・オブ・ファレス】レイ・マッコール最後の贖罪
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