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【ワイアラエの奇蹟】T&Eゴルフシムの時代

   ↑  2011/10/21 (金)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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ゴルフゲームというと、今でこそ『みんなのGOLF』や『スカッとゴルフ パンヤ』のような、デフォルメされた等身のアニメチックなキャラが登場するタイプが全盛です。
しかし'90年代は、むしろその逆で、リアルっぽいシミュレーター的な装いのゴルフゲームが主流でした。
その中核となったのが、それこそマイコン時代から3Dのゴルフゲームに力を注いでいたT&Eソフトによる、実在ゴルフ場シリーズです。
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『遙かなるオーガスタ』に始まった同シリーズは、続く『ワイアラエの奇蹟』や『ペブルビーチの波濤』、外伝的存在の『デビルズコース』と、いずれも大ヒットを記録し、その展開はPC版のみならず、スーファミやメガドライブ。さらには3DOやサターンといった次世代CD-ROM機にまで及びました。
『リアルゴルフゲーム』や『3Dゴルフシミュレーション』以来、脈々と培っていたT&Eの3Dゴルフ路線は、'90年代の前半に、ついに満開に咲き誇ったのです。
T&E独自開発という触れ込みの最新3D描画技術により、実在の名門コースをリアルに再現しているのが、このシリーズ最大のセールスポイントでした。
これが比較的年齢層の高いゴルフゲームプレイヤーの嗜好と巧くマッチし、シリーズはゴルフゲームというジャンル自体をも牽引するような勢いを迎えます。
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しかし、プレステやサターンなどの次世代CD-ROM機が登場すると、この勢いにも次第に翳りが見え始めました。
これはポリゴン技術の普遍化により、以前にはそれだけで異彩を放っていたT&E社の3D表現が、それほど物珍しい特別なものではなくなったことが、最大の理由ではないでしょうでしょうか。
T&Eのブランド自体は細々と生き残りましたが、『みんなのGOLF』や『スカッとゴルフ パンヤ』などのソーシャル的な要素を取り入れたゴルフゲームが全盛を迎える中、同社ブランドの『ゴルトモ』は、リアル系にもソーシャル系にも針を振り切れない中途半端さで苦戦していました。
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T&Eゴルフゲームがもっとも華やかだった頃を代表するオーガスタ三部作。
その中で、私がもっとも遊んだソフトが、ハワイアンオープンが開催されるワイアラエ・カントリークラブを舞台とした『ワイアラエの奇蹟』です。
海風の問題さえ別にすれば、三部作中一番平易なコースであることや、味わい深いハワイ現地人キャディたちの存在もありますが、何よりもここは、青木功が最終ホールのチップインイーグルで、奇蹟の優勝を果たした、日本人にとっては馴染みの深い場所ではないですか。
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1983年のPGAツアー、ハワイアンオープン。首位でホールアウトしたジャック・レナーを一打差で追う青木の最終ホール。
このホールをバーディーで終えれば、レナーとのプレーオフに持ち込める局面で、ラフから放った青木の第二打は、グリーンの上で数回バウンドすると、そのままカップの中に吸い込まれます。
今でもプロゴルフ史の中で、一、二を争うミラクルショットとして語り継がれる、"最終ホール、奇蹟の逆転チップインイーグル"。『ワイアラエの奇蹟』のタイトルは、勿論この青木のスーパープレイにちなんだものです。
パッケージのイラストも、もろにその時のワンシーンですよね。

このテレビ中継の映像も、とても秀逸です。
奇蹟の逆転優勝に、大歓声に包まれる中、歓喜する青木と同じくらいの頻度で、カットは呆然とするジャック・レナーの姿に切り替わります。
青木のティーショットがラフに捕まった時点で、レナーは自分の勝利を確信していたかもしれません。それがまさかの一転。
「マジかよ……」と硬直する姿。あまりのことにもう笑っちゃうしかない姿。そして虚ろな顔で何ごとかぼそぼそと呟く姿。
時折映し出されるレナーのそんな様子は、喜ぶ青木や夫人、そして興奮するアナウンサー以上に、このあり得ない逆転劇の重みを感じさせてくれます。
これが今時の民放スポーツテレビ中継であれば、青木や家族の姿を追うことに汲々として、敗者のレナーには一顧だにせず、この快挙の真にドラマチックな一面を伝えることなど、およそ叶わなかったことでしょう。
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そしてこのドラマには、まだ続きがありました。
翌84年に、ウェイン・レビとの熾烈なプレーオフを制して、ワイアラエの頂点に立った男。
それは前年に目の前で青木に優勝を奪われ呆然としていた、ジャック・レナーその人だったのです。

<追記>
あ、それと、今ちょっと思い出しましたが、二、三年前だったでしょうか。秋葉原にあるスーパーポテトというレトロゲーム屋さんの店先に、「ご自由にお持ちください」と書かれた段ボール箱が無造作に置かれ、その中にこの『ワイアラエの奇蹟』が大量に突っ込まれていたことがありました。売れた数に対して、レトロゲームとしての価値が低いことが理由なんでしょうけど、それにしても何とも悲しい情景だったです。




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