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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【返校 -Detention-】知ることは怖いこと

   ↑  2018/04/02 (月)  カテゴリー: Switch
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学校、それは思春期の揺れ動く心を永遠に留めんとする牢獄だ。
そんな場所が突然周囲と隔絶し、魑魅魍魎が徘徊する異世界へと変わっても、それほど驚くことではないのかもしれない。
しかし息を止めてこの世ならざる者をやり過ごす、いかにもこてこてなホラーゲームらしいフックも、ほんの序盤だけのもの。
湿りっぽく饐えた匂いのする空気を迫真的に伝えてくれるビジュアルで構築された校舎の中をプレイヤーはファン・レイシンという少女の身体を借りて彷徨う。
そして断片的な情報を少しずつ手に入れるごとに、物語は悪霊ホラーから胸を締めつけられるような"自分探し"のリトルジャーニーへと変貌を遂げてゆく。
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1960年代の台湾、そこは近くて遠い国。
日本が高度経済成長の道を突き進んでいた頃、この国では蒋介石国民党政権の圧政の下、白色テロの風が長きに渡って吹き荒れていた。
そのいかにも東アジア的な反動の渦の中、どのイデオロギーにとっても狩場となるのは教育の場だ。
自由とデモクラシーを求める声が即アカのレッテルを貼られ、国共内戦の怨念がさらにそれを増幅させている状況下。
海を渡ってくる本を使っての勉強会は、とてつもなく危険な行いであった。
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『返校 -Detention-』の背景はそんな時代。
横軸で繋がれた2Dのポイント&クリック式ホラーADV。国も時代も背景も違うが、土俗的な香りとプレイヤーキャラをその場に留まらせているだけで、いたたまれなくなるような空気は、90年代国産ホラーADVの金字塔『トワイライトシンドローム』を思い起こさせる。
そして『トワイライトシンドローム』が通り一辺倒のホラーで完結しなかったように、『返校 -Detention-』もショッカー的なホラーゲームの様式から少しずつ逸脱しながら、その本領を見せてくる。
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特に第三章以降の、きめ細かい演出に裏付けられた展開は圧巻の一言だ。
アドベンチャーゲームにおいて、なにか反応のあるオブジェクト、手に入れられるアイテムの発見は、プレイにあたっての大きなモチベーションであり手応えだ。
ゲーム内に散らばるそれらを集め、つなぎ合わせ、プレイヤーは未知なる世界を少しずつ解き明かしていく。
しかし『返校 -Detention-』では、その作業が章を追うごとに辛さを増す。未知なるものへの恐怖は、いつしか真実を知ることの畏れにすり替わってゆく。
真綿で首を絞めるようにじわじわとこちらを蝕むせつなさに、プレイヤーは死霊の姿を無邪気に怖がっていたゲームの序盤すらをも、懐かしく暖かい世界にすら感じてくるだろう。

この記事に含まれるtag : ホラー 

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2018/04/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Zork Anthology】神秘の機械との対話

   ↑  2018/04/05 (木)  カテゴリー: PCゲーム
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West of House.
You are standing in an open field west of a white house, with a boarded front door.
There is a small mailbox here.
"貴方は今、白い家の西にある野原に立っています。正面の白いドアは、打ち付けられた板で塞がれています。
ここには小さな郵便箱があります。"
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ゲーム史上に残る有名な一節。テキストアドベンチャーの代表作にして、アドベンチャーゲームの始祖のひとつである、『Zork』のオープニング。
『Zork』は全編テキストで構成されたゲーム。グラフィックなどと言う、気の利いた物は付いていない。
いや、厳密には、『Zork』にはグラフィックは存在した。
『Zork』をこの世に送り出したInfocomは、広告にこのような一文を書き添えた。
「我々のグラフィックは、陽の光の届かないところにある」
その一文の下にあるのは、人間の脳みその絵。
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『Zork』のグラフィックは、それをプレイした人々の頭の中に、確かに在った。
そのグラフィックのバリエーションは、実に豊かで、そのどれもが個性的だった。プレイヤーが100人居れば、100通りのグラフィックが存在していたのだ。
オレの場合は郵便箱の隣に「明治乳業」と書かれた木の牛乳箱がくっついていたものだ。想像力が貧困でごめんな!
『Zork』の世界は、そうやって多くのプレイヤーの想像力(その貧富の差はあれど)によって支えられてきた。
人々の想像の力は無限だ。そんな力によって彩られた地下帝国の世界は、古今東西のあらゆるゲームで表現された世界の中でも、最も豊穣なものであったかもしれない。
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なんとなくサウンドノベルやゲームブックを連想される方も居られるだろうが、しかし『Zork』や同時代のテキストアドベンチャーとサウンドノベルとは、実は根本的に成り立ちが違った。
選択肢を選びながら受動的に読み進めるサウンドノベルやゲームブックに対し、ゲーム側がが文章で提示する情報に、こちらもキーボードで言葉を紡いで対応していくテキストアドベンチャーは、対話型のゲームだ。
今でこそ仕事の道具のイメージが強いパソコンだが、当時のそれは"人工知能"の幻想をぷんぷん漂わせる神秘的なメディアだった。
そんなミステリアスな"人工知能"との対等のやり取り。テキストアドベンチャーというプリミティブなゲームの最大の魅力は、そんな疑似の人格とのコミュニケーション部分にあったんじゃないだろうか。
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やがてアドベンチャーゲームがグラフィックを実装し、視覚的な情報を備えていくにつれて、かつてアドベンチャーゲームがテキスト一色だけの頃にあった神秘的なイメージやプレイヤーのイマジネーションは、徐々に剥ぎ取られていった。
それにとどめを刺したのが、他ならぬ堀井雄二の『ポートピア殺人事件』だろう。
キーボードによる言葉の入力を廃し、あらかじめ用意されたコマンドを選択して物語を進行させていく。
この試みはアドベンチャーゲームの敷居を大きく下げたが、一方でコンピュータとの対話という、テキストアドベンチャーがかつて有していた楽しさに引導を渡した側面もあったのではないか。
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オレが『Zork』を初めてプレイしたのは、すでに『Mystery House』とそれに続くグラフィックアドベンチャーが世に溢れていた時期。
だがオレにとって『Zork』は決して"絵のないアドベンチャーゲーム"に留まるものではなかった。
英和辞典を片手にたどたどしくテキストを読み進めた亀の歩みのようなゲームプレイも、あの頃のPCゲームに満ちていた神秘性の前では、さしたる労苦ではなかった。
現在SteamやGOGなどで配信されている『Zork Anthology』は、三部作とそれに続く『Beyond Zork』『Zork Zero』が収録されたパッケージ。
多くの人々にとっては岩波文庫のなんだかよくわからない古典の旧版的な印象しかないだろうし、また無理にプレイをオススメするようなものでもなが、ただこの素っ気ないテキストの羅列が当時はそんな意味を持っていたことを、なんとなく伝えてみたかった。

この記事に含まれるtag : Steam 

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2018/04/05 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【The Fielder's Choice】テキストゲームの現在進行系

   ↑  2018/04/10 (火)  カテゴリー: Android
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コンピュータゲームにビジュアルの存在が不可欠となってから、テキストベースのゲームは自然と衰退を余儀なくされた。
だがその流れは完全に途絶えることはなく細々と受け継がれ、そしてビデオゲーム市場の裾野が大きく広がった今、ささやかながらも新たな盛り上がりを見せている。
中でも商業的にも成功を収めているのが、カリフォルニアに本拠を置く独立メーカー、Choice of Gamesだ。
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2009年の『Choice of the Dragon』を皮切りに、同社はテキストのみで構成されたアドベンチャーゲームを専門に送り出し、その総作品は80近くに登ろうとしている。
プラットフォームはSteamに加えてAndroidとiOS。
ゲームブックに酷似したそのスタイルは、モバイル機器と極めて相性がよく、プレイヤーは電子書籍を読むような感覚でストーリーに没入することができる。
ただしKindleのような電子書籍フォーマットに根を下ろさない(下ろすことができない)のは、ときおり現れる社名の由来にもなった選択肢の存在だ。
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プレイヤーが選択したテキストにより、ストーリーはもちろんのこと、主人公の人やなり、アティチュードは大きく分岐する。
そのスタイルは『弟切草』に始まった日本のビジュアルノベルに近いが、サウンドやビジュアルによって装飾されたそれらとの大きな違いは、徹底したテキストのこだわりとそのボリュームだ。
Choice of Gamesの大きな特徴は、ChoiceScriptと呼ばれる簡易プログラム言語を一般公開し、これを使って制作された作品を公募しているところ。
審査を通った作品は同社のレーベルから発売され、作者はギャランティと印税を手にすることができるのだ。
これにより職業作家をも含めた多彩な人材の参入を促し、テキストのみのハンデを持つ同社の作品ラインナップに大きな広がりをもたらせている。
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その作品ジャンルも、定番のファンタジーに始まって、SFにクライムアクション、伝奇ロマンに歴史もの、ホラーにミステリー、さらには私小説風と幅広い。自社作品では最新作となる、この『The Fielder's Choice』に至っては、プロ野球がその題材だ。
Steamはもちろんのこと、AndroidやiOS版もそれぞれの日本国内ストアで余さずリリースされており、作品の入手自体は容易いが、1作品10万ワード以上が基準のそのボリュームときっちり書き込まれたテキストは、洋書の長編小説に向き合うような歯ごたえと覚悟が要求されるだろう。

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2018/04/10 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Mアプリ】光らせマクレ!

   ↑  2018/04/13 (金)  カテゴリー: Android
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井口新体制のもと、快調なスタートを切った千葉ロッテマリーンズ。
新たなスローガンとなった「マクレ」も、本来想定していた「勝ちマクレ」「打ちマクレ」「走りマクレ」のみならず、「バントミスしマクレ(田村)」「ハラハラさせマクレ(シェッパーズ)」「盗塁失敗しマクレ(岡田)」「二軍で腐りマクレ(ドミンゲス)」等々、かつての福岡SBホークスの「ダ」を思い起こさせる汎用性の高さを見せている。
球場内のファンサービスも、今年から刷新されたものが多い。
元々マリーンズは、ファンサービスの先進性にかけてだけは、他を大きく引き離している。
できた当初はただ不便な場所にあるだけだったマリンスタジアムも、長い月日をかけて様々な施設やイベントを充実させ、今や12球団のどの本拠地よりも訪れるのが楽しい場所に進化した。
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「勝つことが一番のファンサービス」と言われたら身も蓋もないが、球団が強くなるためには、やはり新規のお客さんをどんどん呼び込んで動員と収益を増やすのが一番の近道だ。
参加型のイベントは、新規のお客さんをリピーターに定着させる大きな要因のひとつ。
まあロッテに限らずどの球団でも、コールなどの応援は一番ポピュラーで魅力のある参加型イベントだが、しかし来たばっかりのお客さんがいきなり「おーれーたーちのー、ふっくうーらー!」などと大声張り上げるのは、さすがにハードルが高い行為だろう。
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そんなご新規さんや照れ屋さんでも気軽に参加できるのが、今季から始まったSound Flashだ。
必要となるのはiOS版とAndroid版がリリースされている球団公式の『Mアプリ』。
これを球場内で起動させると、試合中や試合後のイベントタイムに流れる場内音響を拾って、それに応じて画面が変化する。
これをみんなで一斉にかざして客席をデコレートしようという趣向だ。

上のイメージ映像のようになるのが理想なのだろうが、残念ながらオレが初めてこれを体験したときは、強風吹き荒れる平日ナイターでちょっと寂しい客入り&アプリを起動させている人が思ったよりも少なかった条件もあって、夜空のあちこちに星が瞬いている(超好意的表現)程度のビジュアルに留まっていた。
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まだあまり周知されていない発展途上のイベントだが、マリーンズが試合に勝利したあとは、場内の照明を消してのこの催しが定番化するみたいだし、勝った勢いをもって盛り上げていきたいではないか。
なんかこれにいずれ追随するであろう他球団のSound Flashの方が、よりポピュラーな存在になるような気もぷんぷんするが(まぁ毎度のことだが)、なんだかんだ言いながらマリンスタジアムで観るプロ野球興行は12球団一面白いんだって、ホントだよ。
みんなマリスタに来い。そしてスマホ光らせマクレ!

この記事に含まれるtag : 野球 

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2018/04/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Riot Act】無責任なアスレチックランド

   ↑  2018/04/15 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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サプライポイントからとりあえず目のついた方向へ最初の一歩を飛び出した。
毎度のことながら、さしあたっての目的なんかない。足の向くまま気の向くまま。
目の前にあるビルをよじ登り、屋上から屋上を跳び回り、思いついた方角へただなんとなく進んでゆく。
途中にこちらに絡んでくるギャングがいれば、銃か素手ゴロで相手をしてやったり、あるいはガン無視して先を急いだり、対応もそのときそのときの気分任せだ。
そうして自由気ままに飛び跳ねている間に攻略対象のポイントや敵幹部と遭遇すれば、これまた気分次第。一息に掃討してやるのもよし、後回しにしちゃうのもよしだ。
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パシフィックシティはプレイヤーに与えられただだっ広い砂場だ。
この街にあるあらゆる建物や乗り物、ギャングに一般市民、そして同僚の警察官でさえも、プレイヤーが思うがままに振る舞い動き回るための素材でしかない。
強化改造をうけたエージェントが、この街に蔓延る犯罪組織を一層し秩序を取り戻すという大義も、ぶっちゃけた話、単なるとっかかりでしかない。
プレイヤーにしたって飛び跳ねているうちに、そんなこと早々とどうでもよくなっているだろう。
そして肝心のプレイヤーキャラさえも、プレイヤーの四肢の動きを代理で担う便宜的な存在。
少なくともここまでパーソナリティが欠如した主人公ってのは、そうそうお目にかかれるもんではない。
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永遠に陽が落ちない遊具付き公園に解き放たれた子供のように、本能の赴くままに走り、飛び、ぶっ放し、爆発させ、狼藉の限りをつくす。
その合間にビルのてっぺんでちょっと一息ついたときに、このゲームをプレイしたことのあるものなら心躍らずにはいられない、あの魅惑的な「ふぉんふぉん」という音が耳に入ってくる。
このゲームにおける唯一の導線らしい導線、移動能力をアップさせる緑色のオーブが発するサウンドだ。
隅に駆け寄りオーブを回収し、そこから辺りを見渡すと、立ち並ぶビルの屋上や中層にさらなる緑オーブの姿が。
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嬉々として今いる建物の角を蹴り、オーブ回収行脚に飛び出す。
移動能力がアップして行動範囲が広がっても、オーブは絶妙なまでの分布範囲で目の前に散らばっている。
この移動スキルの上昇曲線の練り込みは惚れ惚れするくらい見事で、いくらプレイ時間を積み重ねても中だるみや飽きがまったく来ないほどだ。
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『ライオットアクト』とい日本独自のタイトル(原題は『Crackdown』)と共に施されたローカライズも、この夏のぬるま湯のように抜け出せない中毒性を持つゲームを後押しした。
ゲーム本編のイメージにこれっぽっちもリンクしないモンキー・パンチのパッケージ絵もそうだが、それよりもインパクトを残すのが、もはや小林清志のムダ遣いの域まで達した進行役の吹き替えだ。
恐らく警察ドキュメンタリーの流れからの起用なのだろうが、味も素っ気もないだけの原語版ナレーションを、テンションそのままに小林清志に変換したその珍味は、プレイヤーのやりたい放題を無責任に後押しする魔力に満ちている。
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走り、飛び、ぶっ放し、爆発させ、狼藉の限りをつくすうちに、みるみる上昇するプレイヤーキャラのスキル。
それはさらなる狼藉を誘発し、プレイヤーの無責任アスレチックランドと化したパシフィックシティは、さらなる阿鼻叫喚の騒ぎを巻き起こす。
やめどきなんかなかなか見つからない。子供時代の公園での無秩序な遊びはカラスが鳴くから帰ったが、ここではそのタイミングを告げるカラスすらいない。
ストーリーからも、目的からも、ミッションや攻略といったゲームにつきまとうあらゆる決めごとからも解き放たれて、無目的で無責任で無秩序な自由をただ謳歌するためのツール。
『ライオットアクト』は、そんなサンドボックスな遊び場を、これまた無責任に提供するゲームなのだ。

<Xbox One互換対応タイトル>

この記事に含まれるtag : ONE互換 オープンワールド 

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2018/04/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |