ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【令嬢探偵 オフィスラブ事件慕】極楽お嬢さまの男漁り

   ↑  2015/06/30 (火)  カテゴリー: PS2
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有力政治家の娘として生まれ、エスカレーター式の女子校でぼんやりとした日々を送り、そして一流商社にコネ入社。
この主人公に一片すらの感情移入もできないのは、オレの属性が乙女でないことだけが理由では決してないだろう。
例えばこれが、入社早々華美なドレスを身に纏い、マルチーズかなんかを連れて「おーほっほ」と高笑いしながら出社する、令嬢としてのプロ意識に徹したベタベタなキャラだったら、こっちも盛り上がりようがあるのだが、こいつは「周りは私のことを内閣官房長官のお嬢さまという目で見るけれど、私は決してそんな立場に甘えた人間ではないの」なんて碌でもない自意識を持った、一番タチの悪いタイプのご令嬢ときているのだ。
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このお嬢さまが一流商社に入ったのは、「女子大時代の憧れのお姉さまが先に入社していたから」などという、実にふやけた理由。
本人は一念発起して努力で入社したと思っているところが、さらにタチが悪い。
オレが人事担当だとしたら、この娘を会社に入れる理由はただ一つ、与党幹部の娘だからでしかない。それくらい何の取り柄もない娘だ。
おのれの気まぐれのために、自分より遥かに優秀な人材が一人入社できなくなったことなんて、このお嬢様は絶対考えもしないことだろう。
ところがその憧れのお姉さまが、寿退社を直前に謎の自殺。
「幸せいっぱいだったお姉さまが、自殺なんかする筈がない。私がその真相を確かめてやるわ」
こうしてお嬢さまは、あやふやな根拠を元に探偵ごっこに勤しむため、友菱商社に初出社するのだった。……誰かこのお嬢さまに、会社は仕事をしに行くところだってことを教えてやってください。
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しかしこれは乙女ゲー。そんな煮ても焼いても食えない主人公のことは、本来どうだっていい。
肝心なのは殿方のメンバーたち。緑川光、小西克幸、諏訪部順一など、豪華な声優陣に支えられた男性キャラは、社長にエキゾチックな野獣系、お兄さんタイプに軟派野郎、さらには薄幸の貧乏人に幼馴染の執事など、ピンからキリの幅広い立場がよりどりみどり。
これら6人の男キャラにまつわる、6つの事件(お話によって犯罪の程度はありますが)。同じ舞台設定の中で、6つの異なるシチュエーションを盛り込んだ、短編小説集のような面持ちが、この『令嬢探偵 オフィスラブ事件簿』の基本的なスタイルなのだ。
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ただオフィス内事件を支える日常描写が上っ面なものになってしまっているため、「オフィスで起こる仕事と恋と事件」という気分には、およそ程遠いのが残念なところ。
特に仕事周りの描写が希薄なため、傍から見ればこのお嬢さまは、連日連夜、男の姿を求めて会社中をうろうろしているだけにしか見えない。だからお嬢さま、いい加減仕事しろ!
こんな極楽気分のお嬢さま、オレがもし同僚であったら、いじめにいじめ倒して社会の厳しさを教えてやるところだが、このゲームの秘書課同僚たちは、あいにくと人畜無害のお人好しばかりなので、そんなドロドロの社内いじめシチュエーションにも至らない。
特にメガネのお局様などは、見掛け倒しもいいところである。
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極端にスケールが大きいものから割とセコいお話まで、それぞれの攻略対象にまつわるシナリオ展開は様々だが、そのスケールが各殿方の甲斐性と比例しているのは、なんとも生臭く微笑ましい。
それとプロローグであれだけ主人公の原動力となっていた亡きお姉さまが、物語を経て男を手にしつつある段階になると、いつの間にやらどうでもいい存在に成り下がってしまうのも、これまた生々しい話である。
ごめんなさい、お姉さま。私、今の幸せを満喫するのに忙しいの。命日くらいはぼんやりと覚えておきますね。
最初はフルプライスの通常版としてリリースされ、丸一年を経てSimple2000シリーズに編入され廉価で再リリース。
オフィスラブ「事件簿」ではなくて、実は「事件慕」が正式な綴りだったりするのは、結構多くの人が見過ごしているポイントじゃないだろうか。



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2015/06/30 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Tales from the Borderlands】連ドラ版ボーダーランズ

   ↑  2015/06/28 (日)  カテゴリー: XBOX ONE
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スティーブ・ジョブズ亡きあとのアップルのように、どんなカリスマ経営者が退場しても企業はしぶとく存在し続ける。
それはあのハイペリオンだって例外じゃない。
ウォリアーの覚醒失敗とハンサムジャックの死。あの『Borderlands 2』のラストからしばらく経った世界。新しいボーダーランズは、未だハイペリオンの支配下にあるヘリオスから、その幕を開ける。
物語を司る二人の主人公の片割れリーズは、ハイペリオンの木っ端社員。ことの元凶はVaultキーと称するブツを手に入れようと画策した彼の上司だが、それをさらにややこしくしたのは、ハンサムジャックに比べると相当に腰の弱い彼のちんけな野心だ。
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もう一人の主人公フィオナは、妹分のサーシャと育ての親のフェリックス共々悪名の高い詐欺師ファミリー。
彼女の手の中にあるのは偽のVaultキー。これが原因で望まぬ邂逅を果たした二人は、各勢力の思惑や裏切りに翻弄された挙句、やがてパンドラに残されたアトラス社の極秘プロジェクトを探して、否応無しのアライアンスを締結するハメになる。
リース、フィオナ、共に舌先三寸で世を渡ってきたキャラクター。銃の扱いはもちろん、荒事全般は基本的にからきしだ。
しかし案じることはない。この『Tales from the Borderlands』は、FPSからTellTale Gamesスタイルのアドベンチャーゲームに装いを変えた作品。
重要なのはドンパチの腕ではなく、プレイヤーに委ねられたアドリブ的ドラマ構築の意味合いを持つ、時間制限付きのセリフ選択だ。
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簡素なポイント&クリックやQTEなどインタラクティブな要素を挟みつつも、基本的にはビデオゲーム上で展開する連続テレビドラマのような性質(脚本の構成やカメラワーク、カット割りなどは、もう完全にテレビドラマ畑のそれである)は、『The Walking Dead』や『Game of Thrones』といった他のTellTales分割エピソード型ADVと同様。
しかし銃撃周りの要素を排除してもボーダーランズのイメージを損なわないのは、本編から確実に継承したディティールのキメの細かさの賜物だろう。
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そしてここぞというときに物語に絡んでくる、ゼロ、スクーター、アテナ、スプリングス、ブリックにモーデカイ(この二人が登場した流れは、そのまま『Borderlands: The Pre-Sequel』のイントロダクションに繋がる)、さらにはシェード(DLC『海賊の秘宝』に登場したオアシスの変人)やテクター・ホドングなんて重箱の隅みたいな奴らから、果てにはハンサムジャック(?)まで、本編の錚々たる重要人物たち。
特にゼロやアテナの登場シーンは、本編シリーズの経験者なら思わずテンション上がること間違いなしの切れ味だろう。
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全5話中、現在までエピソード1~3が配信済み。
のっけからデス・レース大会でアクションシーンの大花火をどっかんどっかん打ち上げるエピソード1。
そこからバトンを受け継ぎ、テンションを保ちながらアトラス社極秘プロエジェクトの謎に迫るエピソード2。
そしてつい先日登場したエピソード3は、来るべきクライマックスに備えた溜めのようなラブロマンス回。
ボーダーランズにときめいた者ならば、言語の壁を越えて是非とも体験してみてほしい充実作なのだが、唯一の難点はエピソード各話に数ヶ月の間が開いてしまう悠長な配信ペース。
エピソード全話が揃ってからいっきにプレイってのもありかもしれないが、やはりこのあざといまでにクリフハンガープロットを仕込んだ連続ドラマ風構成は、次の回をやきもきしながら心待ちにするところまで、しっかりと楽しみたいではないか。

<国内ストア未配信>



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2015/06/28 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Borderlands: The Pre-Sequel】ボーダーランズ1.5

   ↑  2015/06/26 (金)  カテゴリー: XBOX ONE
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月、そこにはなんにもない。一面石っころだらけで緑の片鱗すらもない。おまけに空気もない。それでも人間どもは寄り集まってくる。そしてモクシーは相変わらずどこにでも顔を出す。
2年にも及んだ『Boederlands 2』の大盤振る舞いサービスがひと通り終息したあとに登場したのは、パンドラの衛星エルピスを舞台にした外伝。
初代『Borderlands』と『Borderlands 2』の間の空白を補完するお話だ。
私製サブタイトルを付けるなら、「ちょっとばかり野心の強いハイペリオンの中間管理職が、なぜ完全無欠の悪役にまで昇り詰めたか」、あるいは「モクシーが全部悪い」。
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ダウンロードシナリオ以上のボリュームとスケールを誇るけど、ナンバリング本編ほどのテンションとクオリティには至ってない。
そんな微妙な位置づけを象徴するのが、『2』の噛ませ犬中ボスが2人も名を連ねる本作のプレイアブル主人公。
いや、それよりも噛ませ犬臭をさらに強めてしまったのは、『2』以上に物語進行上の便宜的存在の度合いが深まってしまった『1』の主人公、ローランドとリリスかもしれない。
これといった特徴のない常識人化がさらに進行しているこの2人に比べれば、噛ませを含む『The Pre-Sequel』のVaultハンターたちは、まだ幸せな方なのだろう。
それに外伝キャラとはいえ、ガンスリンガーのニーシャさん(『2』ではジャックの愛人兼リンチウッドのシェリフとして、Vaultハンターたちの前に立ちふさがる)のオートエイム二丁拳銃は、シリーズ屈指のアクションスキル。リンチウッドでは瞬殺してしまって、ホントすまなかった。
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このニーシャに加えて、やはり『2』では噛ませだった惑星パンドラの凶獣ウィルヘルムに、立場上シリーズを通しての便利狂言回しキャラとなりつつあるシールド使いのアテナ。
彼ら"ハンサムジャックに与した側の人々"の立場で、ジャックが変節する過程にシンクロしてゆく流れが、この『Borderlands: The Pre-Sequel』の最大のハイライトであろう。
そんな魅力的立場の足を引っ張り気味なのが、『2』からのマンネリを覆すために導入されたであろう、『The Pre-Sequel』独特の無酸素空間での戦闘システムだ。
無酸素無重力ならではの、ちょっとスローモーションがかった三次元戦闘は、惑星パンドラで培ってきたガンファイトの作法と、どうも今ひとつ食い合せが悪い。
いや、食い合せだけならともかく、リズミカルな爽快感が大幅にスポイルされてしまってるのは、やはり致命的かもしれない。
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それに拍車をかけるのが、パンドラに比べると格段に魅力に欠けるロケーションと、シリーズの真の主役であるバンディットの不在だ。
一応それに代わる存在は出てくるのだが、月という舞台上、酸素マスクを常に装着している彼らは、パンドラのバンディットよりも文明度が若干高すぎて、ちょっとばかりパンチ力に乏しい。
やはりバンディットに値する存在には、「生まれた子供が男だったら食う。女だったらとりあえず食う」みたいなアティチュードの持ち主であってほしいではないか。
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魅力的なクエストやキャラクターもそれなりにあり、DLCシナリオレベルのクオリティは保っているのだけど、単体パッケージソフトとして見た場合、本編シリーズのきらめくようなマジックには乏しい。
逆に単体ソフトになってしまったがゆえに、目先を変えたワンロケーションの目新しさを軸としたDLCシナリオと比べても、引き伸ばしたような冗長さが付きまとう、まあ外伝らしいといえばらしいのかもしれないボーダーランズ1.5。
シリーズのファンが遊ぶには充分な内容かもしれないけど、これをボーダーランズ体験の第一歩とするのだけは、ちょっとオススメできない。
それくらい『Borderlands 2』は、存在自体が奇跡のようなエバーグリーンのゲームなのだ。

<Xbox One版は『ダブルデラックスコレクション』に所収>



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2015/06/26 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ドリームチェンジ 小金ちゃんのファッションパーティー】

   ↑  2015/06/25 (木)  カテゴリー: その他ハード
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街を歩いていたら見知らぬ男から「読者モデルをやってみない?」のお誘い。
大人のビデオならば、これは別種のフラグが立つところだが、これは少女御用達マイシールコンピュータ、ルーピーの世界。「私、そんな撮影だなんて聞いてません!」なんて展開とは無縁だ。
ルーピーには基幹ソフト『あにめらんど』の他に、それぞれゲームがバンドルされたパッケージが二種発売されていたが、この『ドリームチェンジ 小金ちゃんのファッションパーティー』は、その片方。
自然、ルーピーで一番数が出回ったゲームソフトは、これということになる。
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読者モデル、スカウト、グラビア撮影、モデルプロダクション、他人に連れられての海外旅行といったスリリングなマターを、ルーピーワールドでオブラート。
親に内緒のモデルバイトだが、ゲイっぽい熊さんチックなカメラマンに、枯れたオヤジのプロダクションマネージャー、そしてファッションアドバイザーの先生はお姉系と、出てくる男はどれも露骨にオスをイメージさせないキャラクターばかり。
女の子も警戒心を抱かないし、これなら親御さんも安心だ(どこが!?)。
ちなみにサブタイトルにある小金(こきん)ちゃんとは、赤の縁取りメガネに鼻髭、マフラーのファッションもイカすファッションアドバイザーの名前。
古今東西ゲーム数あれど、お姉系サブキャラクターの名が堂々とタイトルに冠せられたゲームは、この『ドリームチェンジ』くらいのものであろう。
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軽い気持ちの読モが出発点とはいえ、一度始めたからには目指すは世界を股にかけるトップモデル。そこに至る道程は、もちろん簡単なものではない。
モデルスクールに通えるようになったら、まずは小金ちゃんのファッションコーディネート講座に耳をしっかり傾けよう。
ドン小西の妄言みたいなものだとボタン連打でかっ飛ばしていたら、後で困るのは本人だ。
コーディネートチェックでは小金ちゃんの容赦無いダメ出しを食らい、そしてファッション学のテストではライバルたちの後塵を拝することになる。
ライバルは赤毛と金髪の白人娘。外野としては、ぜひこいつらに衣装を隠したり裂け目を入れたりの嫌がらせで、物語を盛り上げてくれるのを期待したいところだが、しかしこれはハートマークで彩られたルーピーワールド。
いずれも持って生まれた人の良さがライバル心を凌駕している、根っからのかませ犬たちだ。
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ばっちりキメたコーディネートに小金ちゃんのお墨付きを貰ったら、スタジオに行ってキメポーズをパチリ。
そのショットは写真ならぬシールとして、ルーピー本体から即座にががががっとプリント。
気づけば海外での仕事も増え(ぶっちゃけ背景に使える観光地フリー素材写真が増えるだけだが)、善良な業界の大人たちに囲まれた少女は、ついにスーパーモデルとしての第一歩を踏み出すのであった。
都合よく天国にいるパパも、きっと暖かく見守っていてくれるよね!(わきゃねえだろ!)
少女向けゲームの鉄板テーマ、ファッションとシールプリント機能を巧みに折衷した、ルーピーを代表するゲーム。
製作はあのアルファシステムだったりするのが、ゲーオタ的には一番驚きのポイントかもしれない。



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2015/06/25 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【あにめらんど】マイシールコンピュータ ルーピー

   ↑  2015/06/23 (火)  カテゴリー: その他ハード
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かつてゲーム機は玩具のカテゴリに属する機械であった。
それがさらに幅広い層に向けたデジタルガジェットへと転換を遂げたのは、90年代中期のCD-ROM搭載機の登場だ。
黎明期のCDロムロムやメガCD、情報家電を謳った3DOを経て、サターンやプレイステーションの定着で、ゲーム機は玩具の位置づけから脱却を果たした。
その陰で、これらと平行してより玩具としての立ち位置を強めたハードが相次いで登場する、ちょっと面白い現象も起こった。
キッズコンピュターのピコ、子供向けCD-ROM再生機プレイディア、そしてマイシールコンピュータのルーピー。
一般のゲーム機が幅広い年齢層を想定した汎用機なのに対して、これらは対象の年齢層を徹底的に絞った、ハード戦争とかゲーム業界の覇権だとかを最初からこれっぽっちも考えていない、まるでモビルアーマーのような局地戦専用マシンである。
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マイシールコンピュータ、ルーピー(LOOPY)は1995年に発売されたカシオ産のハード。
ニンテンドウ64と並ぶ最後のカートリッジROM機で、本体のサイズも64とほぼ同じくらい。
しかしその半分を占めているのは、取替え式のシールカートリッジ挿入口を中心とするシールプリンタ機構だ。
そう、ルーピーは小さなシールをプリントする機能に特化した、いささか特殊な形態のハード。
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『ドリームチェンジ 小金ちゃんのファッションパーティー』では、様々な衣装に百変化する読モ主人公の姿をシール化、『わんわん愛情物語』では、愛らしいペットの様子をシール化と、別売りのゲームやアプリケーションソフトは、すべてこのシールプリント機能と一体化しているのが、その大きな特徴だ。
ちなみにプリクラが爆発的人気を博して、シール文化が一世を風靡したのは、ルーピーの発売と同じ95年。その意味ではなかなかの慧眼であったと言えるかもしれない。
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この『あにめらんど』は本体にバンドルされていた、言わばルーピーの基幹ソフト。ゲームではなくシールの作成に特化したアプリケーションだ。
モンタージュ機能で人の顔を作成し、背景やふきだしの文字を入れ替えて、お気入りの絵が作れたら、いよいよシールプリント機能の出番。
女児向け玩具とは思えないけたたましいモーター音と共に、たちまちのうちにその絵は専用台紙にプリントされ、シールとなって排出口から顔を出すであろう。
本体の内蔵カッターで台紙リールからこれを切り取ったら、あとは文具や机や友だちの顔や先生の背中に貼り付けるなどして、心ゆくまで有効利用しよう。
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こうして女児の夢を乗せてシールと共にテイクオフしたルーピーは、別売りのマウスや、デジタルコミックメーカーにビデオを取り込めるソフトなど、さらなる高機能アプリケーションを送り出してゲーム産業の隙間への定着を目論む。
しかし玩具としての性質を強めてしまったことは、高価な別売りカートリッジソフトを追加で次々と買わせるゲーム機ビジネスモデルとの折り合いを自然と欠いてしまう。
ソフトの他に決して安価ではないシールカートリッジという消耗品が加わるのも、大きなネックとなった。
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PV-1000以来、久々のカシオ産ゲームハードとなったルーピーであったが、次世代CD-ROM機が起こした大変革の波の中では、ユーザー世代限定の特化も功を奏さず、やがて人知れずフェードアウトしてしまう。
現在でもハード、ソフト共に細々と中古市場に流れてはいるが、シールプリンタ部分の脆弱さと必需品であるシールカートリッジの欠乏から、完動する個体はさらに限られてくるだろう。
我が家に残るルーピーも、とうとうシールカートリッジの残りが尽きかける寸前となり、気分はまるで、アフターアポカリプスの世界で貯蔵物資が底を尽かんとしているサバイバリストだ。
バンディット化したルーピー現役ユーザーたちが、希少なシールカートリッジを求めて血で血で争う終末世界の到来も、このままではそう遠くないだろう。



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2015/06/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |