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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【The Pinball Arcade】Two table add-on pack #1

   ↑  2012/08/02 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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XBOX LIVEアーケードの実機ピンボールアンソロジー『Pinball Arcade』に、待望の追加アドオンがようやく到来。
この追加台アドオンは2つの台がパックされて、お値段は400MSP。それが昨夜から2種類同時にリリースされています。
そのパート1は、ウィリアムスが1990年代に送り出した傑作台の2in1パッケージ。
事前のアナウンスでは、私がこの世で一番大好きなピンボール台である『Pin-Bot』とか来るという話もあったのですが、取りあえずお目見えしたのは、『Pin-Bot』は『Pin-Bot』でも、その続編である『The Machine: Bride of Pin-Bot』の方でした。
こちらの主人公は、ピンボール人造人間ピンボットの嫁さんの方。まぁ早い話が「フランケンシュタイン」と「フランケンシュタインの花嫁」の関係みたいなもんです。
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『Pin-Bot』は言わずと知れた80年代を代表する傑作台ですが、5年越しに作られたこの続編は、前作を意識したのか、80年代テイストを色濃く残すデザイン。
フィールドの上部で、まるでダッチワイフみたいな存在感を振りまく"ピンボットの花嫁"の目や口に、ボールをはめ込んで声や視覚を与え、彼女を人間の姿に近づけて行くのがメインテーマです。
ボールを顔に打ち込むたびに、「I Can Speak!」、「Now I See You」と、感極まった声を上げる"ピンボットの花嫁"。
油断していると、まるで洋ピンのようなエロい喘ぎ声を轟かせる、周囲をやたらと憚ってしまう罪作りなテーブルですが、彼女をさらに人間の姿に近づけると、その洋ピン声で高らかにメロディを奏でる、歌うピンボール台へと変身します。
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人造の女性を作り上げるマッドサイエンティスト的な背徳感が、このメカニカルなのにどことなく中世的な妖しさを漂わせる独特な世界の、絶妙なスパイスとなっています。
マルチボールや役物がシンプルで分かり易いところは、初代の『Pin-Bot』譲り。
『Pin-Bot』に負けず劣らずな傑作、『The Machine: Bride of Pin-Bot』。これを遊んだ後だと、『Pinball FX2』のオリジナル台などは、相当色褪せて見えちゃうことでしょう。
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やはり90年代の傑作機である『Medieval Madness』は、実機が高田馬場のミカドで現在も稼働中。
映画で言うと、まるで莫大な予算を投じた超大作ファンタジー映画みたいな、サービス精神溢れるエンターテイメントがてんこもりの台です。
ドラゴンやトロルとの対峙。城門を巡る熾烈な攻防。そしてガラガラと音をたてて崩れ落ちる城郭など、90年代ピンボールの粋を結集したスペクタクルの連続は、超娯楽大作ピンボールの称号が相応しいかもしれません。
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『Pinball Arcade』自体が日本では配信されていないため、このアドオンの導入はなかなかハードルが高いですが、この二つの台は、それくらいの手間をかけるだけの価値が充分にあります。
同時配信されたアドオンパック2に収録されたのは、バリーの『Cirqus Voltaire』と、ウィリアムスの『Fun House』(これも個人的には死ぬほど遊んだ台だ)。こちらに関しては、また回を改めていずれ。

<Xbox360版は配信終了>

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2012/08/02 | Comment (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ILLBLEED (イルブリード)】死を呼ぶホームラン

   ↑  2012/08/03 (金)  カテゴリー: ドリームキャスト
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東京ドームシティの20周年記念企画お化け屋敷や、山口敏太郎氏がプロデュースした岐阜柳ケ瀬の口裂け女お化け屋敷など、この夏は例年以上に各地でお化け屋敷アトラクションが盛んですが、しかし、ビデオゲームフリークは知っています。最狂のお化け屋敷はドリームキャストにあることを。
ドリームキャストで登場したアクションアドベンチャー『ブルースティンガー』は、ちょっぴりバッドテイストなフィーリングと、3Dゲームとしてこなれていないぎくしゃくした部分が、奇妙なハーモニーを醸し出すクセのあるゲームでしたが、その開発会社がクレイジーゲームというとんでもない社名に改めて発表した次作が、この世界最狂のお化け屋敷『イルブリード』です。
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『ブルースティンガー』でもところどころに見られた、ネジの外れた悪趣味ぶりが、歯止めを超えてアンリーシュド状態になった、日本ゲーム界が生んだ最大の怪作。
これが発売された当時は、まだCEROが存在せず、パッケージには今や懐かしい「暴力などの表現が含まれています」マークが記されているのみですが、エログロナンセンスを濃縮液状態のまま大盤振る舞いした『イルブリード』のイカレっぷりは、今じゃ恐らくCEROのZ指定も通りはしないんじゃないでしょうか。
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マイケル・レイノルズというホラー映画プロデューサーが、55億ドルの巨費を投じて作り上げた戦慄のホラーアトラクション、その名はイルブリード。
脱出できれば1億ドルの賞金。しかし、今まで生きて帰ってきた者は居ないという、この戦慄のガチお化け屋敷に挑むのは、ホラーキャラバンを経営する両親を持ち、幼い頃からアトラクションの実験台にされるという、ホラーの英才教育を受けた女子高生、エリコ・クリスティ。
6つに分かれたアトラクションの、それぞれの入り口は、まるで映画の封切館みたいな面持ちになっています。
その最初のロードショーは、我が子を奪われて狂気の怪物と化した父親が、火炎放射器を手に犠牲者を求めて暴れ回る戦慄のスラッシャームービー、「死を呼ぶホームラン」。
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"2000年の夏、ミネソタ州メリー湖に洒落た山岳ホテルがオープンした。
その経営者であるバンブローには、ジミーという一人息子が居た。ジミーはミネソタこどもリーグのスラッガー。
バンブローはホテルの地下に練習場を作り上げ、そんなジミーにさらなる英才教育を施すのであった。
末はルースかアーロンか。親子のそんな夢は、ホテルに宿泊した無軌道な若者たちの暴走によって灰燼に帰した。

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酒を飲み暴れた若者たちは、やがてホテルの中で打ち上げ花火をぶっ放し、そこから燃え移った火の手は、たちまちホテルを包みこみ、逃げ遅れたジミーは焼け死んでしまったのである。一人息子の夢を絶たれ復讐の鬼と化したバンブローは、ホテルの焼け跡でその若者たちを惨殺。
以来、バンブローは、すべての若者に復讐する殺人鬼となって、廃屋になったホテルに潜み、犠牲者がやって来るのを待ち構えているのだ。"

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この狂気のお化け屋敷の中で、エリコの目となり耳となるのが、ホラーモニターという道具。
アトラクションの中に仕掛けられた様々なトラップを、このホラーモニターを駆使して回避や解除して行くのです。
しかし、このホラーモニターの存在は、『イルブリード』という、システムそのものが不条理なゲームの象徴みたいなもの。
ホラーモニターを有効活用しまくって、よどみなく進んでしまうと、道中に点在する、奇天烈で悪趣味なトラップの数々が、まったく陽の目を見ないまま終わってしまう矛盾。
棚から飛び出す焼け爛れた手。洗面台から噴き出す鮮血。首切りギロチンと化して迫り来る扇風機。トイレから逆流する汚物。
これらバリーエーション豊かなトラップを呼び覚まして、このゲームをホラーアトラクションらしく彩るためには、自分の体力や心拍数などと相談して、時にはわざとトラップに飛び込んだりしなければなりません。
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トラップを回避したり、わざと真っ正面から突っ込んだりしながら、ジミーのバットや賞状、トロフィーといったキーアイテムを集め、やってきたのは地下練習場。
ここのバッターボックスに立ち、飛んで来たボールを見事バックスクリーンに弾き返すと、「やったぁー! ホームランだぁぁぁぁ!」の絶叫と共に、ついにバンブローが姿を現します。
その容貌は、火災によって焼け爛れ、二目と見られないもの。そう、無軌道な若者たちによって、全身にやけどを負った殺人鬼と言えば、1981年の映画「バーニング」に登場したバンボロ。
『イルブリード』のバンブローは、もちろんそのバンボロのオマージュなのです。
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しかしバンブローは、キッチンばさみの派手なのを振り回していたバンボロよりも、さらに狂気に満ちてエクストリーム。
「うおおお、ジミー! 三番ファーストジミィィィィーー!!」
そう絶叫するバンブローの手に握られている凶器は火炎放射器。この手の焼け爛れた殺人モンスターは、火を異様に恐れたりするなんてのが定番な設定ですが、「バーニング」なんて三流駄ホラーを作った連中の百倍イカレているこの『イルブリード』のスタッフは、そんなベタなお約束など知ったこっちゃないのでした。
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さぁ、焼け落ちて廃墟と化したホテルの中で、"ホラーの申し子"エリコと、"狂気の星一徹"バンブローの最終決戦が始まります。
そして、こんな胸焼けの四重奏を起こしそうな素晴らしきゲテモノゲームの話題を締めくくるのは、「あなたのハートには何が残りましたか?」という便利な言葉しか思い浮かばないのでした。木村奈保子さん、尊敬してます。



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2012/08/03 | Comment (6) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

映画【ザ・キャッチャー】

   ↑  2012/08/04 (土)  カテゴリー: 映画・DVD
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現実世界の親子鷹である原辰徳氏が、お父さんから「いかがわしい人に、一億円をぽんと渡しちゃいけませんよ」なんて当たり前のことを教わっていなかったように、星一徹親子や、『イルブリード』のバンブロー親子のような度を越した野球親子鷹関係は、得てしていびつなものになりがちです。
そしてここにも行き過ぎた野球親子鷹が居ました。父親のジョー・エステベス(マーティン・シーンの実弟)は、徹底したスパルタ教育で、我が子に野球の神髄を叩き込まんとしていました。
「ぼさっとしてないで、きちんとボールを捕りやがれ!」、「いじけたケツに充電してやろうか!」
父親のスパルタというレベルを超えたサイコパス特訓ぶりに、積もり積もった息子のジョニーは、「お嬢さんみたいなスイングしやがって。もっと根性こめてバットを振らねえか!」の一言に、ついにぷっつんきてしまい、言いつけ通りに父親の脳天目がけて、バットを「すっこーーーん」とフルスイング!
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そして月日は流れ、舞台はマイナーリーグ弱小球団の本拠地球場。
ちなみにパッケージには、「アメリカ大リーグは最悪のシーズンを迎えた」なんて、内容と何一つ一致点をみせないキャッチコピーがデカデカと載っていますが、アルバトロスの宣伝担当が、閻魔大王も呆れかえるくらいの嘘つきであることは、もう広く知れ渡っていることでしょうし、そこはもういちいち目くじら立ててもしょうがないと思います。
とにかくシーズンの全日程を終了して、僅かな数のファンはおろか、選手やチーム関係者のほとんども家路についた中、人影のなくなった球場にだらだらと居残り続ける数人の男女。
ある者は解雇を言い渡されて途方にくれ、ある者はメジャーリーグのスカウトに声をかけられてはしゃぎ、ある者はアリーナラットといちゃいちゃし、そして球場の係員は、「こいつら早く帰ってくれねえかな!」とイライラする。
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そんな様々な野球人間模様にひたひたと忍び寄る一つの影。顔を覆うはキャッチャーマスク、胴にはプロテクター、脚にはレガース、そして手にはバット。
どっからどう見ても野球のキャッチャーなそいつこそが、このひとけのない球場を鮮血に染め上げる"野球版ジェイソン"、ザ・キャッチャーなのです。
何の為に現れたのか、何が理由で殺すのか、その経緯がさっぱり不明な(作り手はそれを説明する義務を、端っから放棄しています)不条理殺人鬼は、球場に居残り続ける選手や関係者に、無差別にその牙を剥くのでした。
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何せザ・キャッチャーは野球殺人鬼ですから、その殺害方法はすべて野球に絡んだ手口。
バットで脳天をフルスイングなんてのは基本中の基本。ピッチングマシンの前に相手を縛り付けてスイッチオン。バットでオカマを掘って内蔵破壊。さらには犠牲者をホームベースの上に縛り付けて、わざわざベースランニングを一周した後、ホームにスライディングしてスパイクをそいつの顔面に突き刺すなど、無理矢理感溢れる野球殺人術を披露してくれます。
しかしザ・キャッチャーが、頭を必死に絞って考案した野球殺人術の数々も、あまりにもローファイで貧乏臭い(予算もなければ時間もないと、一目見て推察できるレベル)演出や撮影技術の前に、さっぱり盛り上がりを見せません。
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犠牲者たちの亡骸をを各守備位置に縛り付け、球場を"死の野球盤"に飾り立てるなど、野球愛に溢れてるんだか、ないんだか、さっぱり判別がつかないザ・キャッチャーのお膳立ても、さっぱり功を奏さないまま、映画は観る者をただ無表情にさせながら淡々と進行し、ラストは「サンダ対ガイラ」を思わせる、キャッチャー対キャッチャーの腰砕けな死闘。
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「ジェイソンがホッケーマスクなら、こっちはキャッチャーマスク」
そんな安直な思いつきから生まれたと思しきザ・キャッチャーのキャラクターですが、ホッケーマスクと違って、キャッチャーマスクは顔を隠す覆面としてまったく機能しないという、致命的な欠点を抱えています。
そしてこの映画を作った連中は、そんな矛盾に対して、徹底して自ら見て見ぬふりを決め込むのでした。

<未DVD化>

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2012/08/04 | Comment (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ILLBLEED (イルブリード)】女王ミミズの復讐

   ↑  2012/08/07 (火)  カテゴリー: ドリームキャスト
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"人里離れた田舎に一人暮らすデビッド・ロドリゲスという名の老人はミミズ長者。
ミミズの養殖によって巨万の富を築いたロドリゲスであったが、ミミズ相場の突然の急落を境に、その暮らしは一変する。
大量に増え続けるミミズの飼育費に困窮したロドリゲスは、ある巨大企業が持ちかけてきたオートキャンプ場計画に、一も二もなく飛びつく。
ドロント社というその企業が提案した計画の骨子は、"自然に優しいエコロジーキャンプ場"。周りの環境も、ミミズ飼育場も、そのままの状態で残ると喜んだロドリゲスであったが、それはとんだ嘘っぱちであった。

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ミミズ飼育場は無惨に破壊され、周辺の森も大がかりな伐採の餌食となり、そしてロドリゲスはキャンプ場コンビニの、たった一人の24時間常駐店員としてこき使われるばかり。
過労で倒れたロドリゲスは、自分を騙したドロント社を恨みながら、息を引き取った。
そんなロドリゲスの怨念をよそに、オートキャンプ場はドライブインシアターを併設し大繁盛。
しかし、若者で賑わう夏休みの終末に、血の惨劇がこのキャンプ場を襲った。地面から突如現れた超巨大ミミズが、若者たちを次々と呑み込んでいったのである。
盛況を誇ったキャンプ場は、一夜にして廃墟と化した。そして巨大ミミズは、自然を冒涜する人間たちに再び天誅を喰らわそうと、今でもこのキャンプ場の地下に蠢いているのである。"

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死を呼ぶホームラン」に続く『イルブリード』第二のアトラクション「女王ミミズの復讐」はは、前回のスラッシャー殺人鬼ものから一変、巨大クリーチャーパニックもの。
地中を蠢き、突如現れては人間を喰らう線虫生物と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、映画「トレマーズ」に登場したグラボイスだ。
「トレマーズ」は、「トレマーズ2」、「トレマーズ3」、「トレマーズ4」と、徐々にその製作規模をスケールダウンさせながらも、そのいずれもがその規模なりに面白いという奇跡のシリーズだが、一作目で確立されたグラボイスの造形と生態があったからこそ、以後の安直なシリーズ展開も成功し得たと言えるだろう。
最近ではモンゴリアン・デスワームという同タイプなUMAも報告され、にわかにその存在が実現を帯びてきた巨大線虫生物。
いくら生まれながらにホラーの英才教育を受けたエリコとはいえ、さすがに今回ばかりはその手に余る敵かも知れない。
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しかしエリコには、この巨大人食いミミズと対峙しなければならない切実な理由があった。
ドロント社への恨み骨髄で死んでいったロドリゲスだったが、彼にはそれ以上に心残りなことがあった。それは我が子のように手塩をかけて育てた女王ミミズ"レイチェル"の行く末である。
「どうかレイチェルを、安らかにあの世に送ってくれ」
ロドリゲスの願いを叶えるために、エリコは廃墟と化したキャンプ場を、荒れ果てたドライブインシアターを駆ける。
いつ地面から湧いてくるか分からないレイチェルの影に怯えながら。そしてそれ以上に大敵となるのは、決して操作レスポンスが良好とは言えないこのゲームで、しくじったらスタート地点へ強制的に戻されるジャンプアクションを強いられること。
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その苦闘の果てに辿り着いたエンディングは、ハンカチが手放せないくらい感動に満ちた、ヒューマニズム溢れるものとなるだろう。
家族愛、動物愛護、環境破壊への警鐘。悪趣味なエログロナンセンスの中に、もしかしたらそんな高尚なテーマを孕んでいるような気がしなくもない(気のせいです)「女王ミミズの復讐」。あなたのハートには、何が残りましたか?



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映画【ミミズバーガー】

   ↑  2012/08/08 (水)  カテゴリー: 映画・DVD
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『イルブリード』"女王ミミズの復讐"の大きな元ネタとなったのは、やはり「トレマーズ」でしょうが、それに加えてもう一つ思い当たる映画があります。
人里離れた田舎に一人で暮らし、養殖したミミズを溺愛する偏屈老人。この設定が共通するのが、"ハリウッドの逆天才"の異名を取ったテッド ・V・マイクルズがプロデュースしたカルト作「ミミズバーガー」です。
原題は「The Worm Eaters」。「ミミズバーガー」という邦題は、いかにも例の都市伝説に便乗してつけられたように思えるかもしれませんが、ミミズバーガーという言葉そのものは、実はこっちがオリジナルとも言われていたりして、まぁ今となってはどっちがどうだろうと、実にどうでもいい話でありましょう。
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いかにも変人気取りのサブカル野郎と違って、この映画を撮った男(主演のミミズ爺も兼任)は、程良く陽気に頭のネジが外れている人間。
「ミミズバーガー」というタイトルから連想される、粘着質なイメージとは裏腹に、開始早々呑気なカントリーミュージックが鳴り響き、無声映画時代を思わせるほのぼのギャグが連発します。
そのすっとぼけた序盤に、観る者は早くもただごとではない真性のイカレっぷりを感じることでしょう。
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悪辣な市長一派による再開発の魔手が及ばんとしている自然公園の管理人は、大量に飼っているミミズだけに心を開く偏屈な老人。
ところがある日、管理小屋を訪ねてきたイカレ女が、ミミズが紛れ込んだスパゲッティを、うっかり食べて、下半身がミミズのミミズ人間に変身してしまったから、さぁ大変。
それを嗅ぎつけた湖在住のミミズ人間たちが、「交尾をしてえから、メスをよこせぇ!」と押しかけてくるわ、市長一派による再開発計画が、いよいよのっぴきならなくなるわで、進退窮まった老人は街中の食べ物にミミズを混ぜ込む、ヤケクソなミミズテロに打って出るのでした。
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ホットドッグに、アイスクリームに、そしてハンバーガーに、生きたミミズがうねうねと紛れ込み、それに人々が気付かずに食らいつく。
この映画の唯一のクライマックスとも言えるシーンですが、まぁこの映画でミミズを口にしている人たちは、日本で言えば「TVジョッキー」に出て、ゲテモノ食いを披露して白いギターを貰ってるような連中を選抜したようなもんですので、悲壮感はかけらもありません。
それに目をこらしてよく見てみると(よく見るなよ!)、みんな口の中に入れて、噛んでいるフリだけしているようですし。
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そしてミミズを食した者のなれの果てであるミミズ人間も、傍目からはズタ袋を下半身に履いた人にしか見えないので、このミミズ人間たちが腕の力でずりずり這いずり回る光景を見ても、「大変そうだなあ」という感想しか出てこないから困ったものです。
カルトと言うよりは、ちょっぴりネジが外れた脳天気な映画ですが、いわゆる"ゴミクズ映画"という印象を思ったほど感じないのは、孤独なミミズ老人の哀しみがそれなりに伝わってくるなど、そこかしこが意外にも丁寧に描かれているからなんでしょうか。
特にベートーヴェンの"エリーゼのために"をバックに、逆光の中で老人が掌のミミズと一緒にダンスを踊るシーンなんかは、不覚にも「なんか……、美しい光景なのかもしれない」などと思ってしまいました。ほんの一瞬だけですけどね。

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2012/08/08 | Comment (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |