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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【侍道3】輪廻する侍

   ↑  2010/09/02 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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侍道の自由。それはルートやミッションを選択する自由ではなく、アティチュードの自由だ。
ゲームの世界に対して、綴られる物語に対して、設定された諸セクトに対して、有名無名のキャラクターたちに対して、そしてゲームそのものに対して、どのようなアティチュードでプレイヤーが臨むのか。
侍道に於いてはルートもエンディングも、プレイヤーが示したアティチュードに対する結果の産物でしかない。
そんな曖昧模糊としたアティチュードの自由を、破綻をさせずゲームの中にシステマティックに収めるために、侍道はまるで盆栽のような狭い箱庭を舞台に選んだ。
この侍道3の舞台である祇州天奈も、全ブロックを足しても、今時のオープンワールドゲームのチュートリアルステージにも満たないような、狭い狭い世界だ。
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そんな狭い世界だからこそ、単なる通りすがりに等しいようなNPCに接する態度ですら、この世界に影響を及ぼし、そしてプレイヤーのその後に、例え僅かながらも干渉してくる。
盆栽みたいにミニマムな世界に相応しいのは、これまたこのシリーズ独特の、こぢんまりとしてタイトなストーリー。
その気になれば一周一時間程度でエンディングを迎える(いや、理由をかこつけてこの盆栽世界からの退場を選べば、もっと早く終わらせることもできる)ストーリーは、無駄な引き延ばしでボリュームという名の野暮を増やそうとする、今時のゲームのそれとは実に対照的だ。
一周を終えたらその足で再びこの盆栽世界に舞い戻り、デジャブのようなイベントに別のアティチュードをもって臨む繰り返し。
このループする時間の中に迷い込んだかのような奇妙な反復性も、侍道というシリーズ特有の、得も言われぬ味わいの一つなのだ。
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いい加減に町で町民どもから変態扱いされたり、村人に姿を見せただけで逃げ惑われるような生活も飽きてきたので、たまには義心溢れる侍になってみるのもいいだろうと、いわゆるベストエンディングを目指してみる。
村人や町民たちの願いを聞き入れてやったり、時には愛想を売ったり、そして目標を見失った野武士連中を軽く諭してやったりの末、ある村娘の身代わりとして城の兵たちの前に身を投げ出し捕縛される。
藤森主膳の前に引き出され、いよいよ処刑される寸前となっても泰然自若。
何せ今の俺はベストエンディングルートまっしぐらなのだ。あわやという瞬間にきっと恩を売っておいた野武士たちが駆けつけて、俺の危機を救ってくれるだろう。
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主膳に「言い残すことはあるか?」と問われても、「是非も無し」と余裕ぶっこく。
そんな俺の態度を覚悟のいい奴と思い込んだのか、主膳は「貴様のような奴を配下にしたかった」とちょっぴり未練たらたら。今度生まれ変わったら、是非そうさせてもらいます!
ところが、俺の目の前で主膳の兵士どもが槍を構える段階になっても、野武士連中現れる気配も無し。
ちょっと待て、お前ら引っ張りすぎだろ! いや、それどころか、マジで来る気配が全く無いんですけれど! もしかして俺、どっかでフラグを立て損なって来ちゃった!?
「うわわ!ちょ、ちょっと待った待った!タンマタンマタンマ!」
俺が思わずモニターの前で発してしまった末期の言葉に、主膳は首をひねって「タンマって何だ?」と、傍らの桐江に尋ねている。
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当たり前のようにベストエンディングルートを進んでいると思い込んで、最後の最後でハシゴを外されて思わず呆然とした後、爆笑。
そして数分後には、何事もなかったのかのように、朽葉ヶ原で半死半生となってふらふらしている冒頭に戻るのだった。
このリンカーネーションを地で行くようなループ感。最高だ。
もちろん転生したばかりの俺が、助けようとしてくれる村人連中を、「今さら助けようとしねえで、さっき磔になったときに助けに来いよ!この恩知らず!」と刀を抜いていきなり追いかけ回したのは言うまでもない。

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2010/09/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【NHL2K11】App初のNHL公認ゲーム

   ↑  2010/09/03 (金)  カテゴリー: iOS
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巷では本年度版のマッデンNFLが無事リリースされたり、北米マーケットプレースではEAスポーツのNHL11体験版が配信されたり、そしてNHLゲームの先陣を切って2KスポーツのiPhoneアプリ版NHL2K11が登場したりと、スポーツゲームの暦の上ではもう晩秋だというのに、なんなんすか、この暑さはぁ!
来月にはもうNHLの新シーズンが開幕するんすよ? でも9月に入ってもしつこくこんな暑さが続くと、とてもホッケーシーズンを待つような気分になれないっすよ。
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EAスポーツのNHL11は、チーム運営モードにトレーディングカードゲーム風味が加えられるなど、その盤石の基本ゲームシステムにさらなる進化が為されているようですが、ならばと水をあけられたライバルNHL2Kシリーズが活路を求めたのはiPhone & iPod touch。
この間の新型iPod発表会で、スティーブ・ジョブズ自らが、iPod touchは今現在、最も世界で売れている携帯ゲーム機であると発言していましたが、まさしくその通りです。
過去に遡ってみても、ここまでバラエティに富んだゲーム群が発売された携帯ハードって、他には無いんじゃないでしょうか。
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iPhone & touchアプリ初のNHL公認ゲームとなったこのNHL2K11。
NHL所属の全チームが網羅され、選手の移動は画面左下のバーチャルスティックで。パス、シュート、選手切り替え、チェック、そしてブーストターボなどは、状況に応じて画面右下に表示されるアイコンをタップすることでで行います。
だけどこのiPhone用に落とし込まれた操作システムが相当厄介。まずヴァーチャルスティックの操作性そのものが、大変宜しくないときています。
そして通常のアナログスティックや十字キーと違って、ヴァーチャルスティックの場合は、確実にその方向にスティックを倒しているという手応えが全くありません。
ある方向にパスなりシュートなりを放とうとしても、ヴァーチャルスティックがその方向に入力されているという確信が全く得られないのです。
そして案の定、予期しない明後日の方向にパスやシュートを放つイギンラやクロスビー。
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そしてこれは、以前PSP向けのNHLゲームを遊んだときに痛感したことですが、目標となるパックが小さい上に速く、ただでさえ位置を把握しづらいアイスホッケーは、携帯ゲームの小さい画面にはおよそ向かないスポーツだということ。
ましてやこのApp版NHL2K11は、その小さい画面のさらに下半分を、ヴァーチャルスティックとタッチアイコンを操作する自らの指で塞いでしまうのですから。
結局このApp版NHL2K11をストレス無く楽しむには、両チームをCOM操作にしてぼーっと眺めているのが一番という本末転倒な事態になってしまうのです。
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こうなると、やはりアイスホッケーゲームは据え置き機の大画面でやるのが一番という結論になってしまいますが、しかし、昨年、一昨年とスパイク様が日本版を発売してくれたNHL2Kシリーズも、さすがに売れ行きが悪かったのか、今年は出そうな見込みが今のところ全くありません。
少しぐらいシーズン開幕からずれ込んでも構いませんので、スパイク様、一つ今年も宜しくお願いしますよう。

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2010/09/03 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

コンビニムック【昭和プロレス名勝負列伝】

   ↑  2010/09/05 (日)  カテゴリー: 書籍・コミック
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手元に"昭和プロレス名勝負列伝"というコンビニムックがある。
今から約2年前に出版された本で、別冊宝島のプロレス読本シリーズを再構成した内容。
書き手も井上義啓や杉作J太郎から、ターザン、ナガレトモミ、ヤスカクと、それこそピンからキリまでなのだが、ついこないだ読み返してみたら、やはり井上義啓元ファイト編集長が書かれた記事が、べらぼうに面白い。
この本、前半は昭和プロレスタイトルマッチBEST20、後半は昭和異種格闘技戦BEST20の二部構成なのだが、その後半で井上編集長が取りあげた試合が、なんとアントニオ猪木とキム・クロケイドのWWFマーシャルアーツ世界ヘビー級タイトルマッチなのだ。
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猪木対クロケイド。後付けで猪木の一連の異種格闘技戦を観た俺にとっては、失笑しか湧いてこない試合である。
いや、当時リアルタイムで観た人たちだって同様だっただろう。
キム・クロケイド。カナダの現職警察官にして、全カナダカラテトーナメント優勝者という触れ込みのカラテマン。
本当の事しか描いていない傑作実録劇画"四角いジャングル"の中で、彼は華々しい登場を果たす。
カナダのプロレス試合会場。タイガー・ジェット・シンの控え室に居座る黒い胴着の男。
怒りのシンがサーベルの一撃を繰り出すと、黒い胴着の男は肘打ちと膝蹴りの複合技で、なんとこのサーベルをポキリとへし折ってしまう。
「そのクロケイド("四角いジャングル"中ではクロケード表記)という男のカラテは本物ですわい」
このエピソードを聞いた"格闘技の鬼"黒崎健時会長は、クロケイドの実力に確かなお墨付きを与える。
そんな実戦カラテの実力者が、アントニオ猪木に敢然と挑戦状を叩き付けた!
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少年マガジン連載の劇画でそんな華々しいデビューを飾り、しかも黒崎先生にそんなセリフまで言わせて持ち上げた、このカナダの実戦カラテマン。
よほどの実力者を連れてこなければ、黒崎先生の顔を潰して大変なことになってしまう。ああ、しかし、新日本プロレスは、そんな黒崎先生や梶原一騎先生に対する配慮なんか微塵も払わず、このカナダ人空手家の中身の選定とブッキングを、カルガリー在住のミスター・ヒトに一任してしまうのであった。
後に長州力の異種格闘技戦の相手として、トム・マギーという香ばしい奴を連れてきたりしたミスター・ヒト。
「ミスター・ヒトの連れてくる奴は、どれも限りなく胡散臭いが、ミスター・ヒト自身はもっと胡散臭い」
そんな定説をプロレスファンに深く植え付けているヒトさんだが、そのルーツはこのクロケイドにあった。
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劇画と同じ黒い胴着に身を包んだクロケイドであったが、その佇まいからは実戦武道家のオーラは微塵も感じさせない、劇画のイメージとはおよそほど遠い野郎であった。
時折繰り出すサイドキックは足が上がらず(このへっぽこな蹴りを「距離を測ってるんですよ」とフォローする、山本小鉄さんのストロング解説!)、その肘打ちは足を大きくマットに踏み出して音を立てるプロレス風のエルボー。
おまけに嬉々として自分から場外乱闘に走り、猪木の攻撃を喰らえばしっかりと受け身をとる。
どっからどう見ても単なるプロレスラー。しかも日本では全く顔が知られていなかったから、要はカナダの相当なローカルの三流レスラーに、無理矢理胴着を着せて日本に連れてきただけのことなのだ。
後に大仁田厚がFMWで乱発して、我々をさんざん微笑ませてくれた手法なのだが、しかしそれをこの生真面目な昭和プロレスファンたち。しかも猪木と極真カラテの対決が風雲急を告げるこの時期に用いるとは、新日本プロレスも相当いい度胸している。

そんな凡戦以前の問題の、猪木本人ですら忘れたいくらいの迷勝負。しかしストロングスタイルの見巧者である井上編集長の、この試合を見る目は違った。
キーワードは、編集長お得意の”殺し”である。当日のクロケイドの佇まいからは、確かに”殺し”は感じられなかった。しかし、本当にクロケイド自身に”殺し”は無かったのか!?
我々がもしそう問われたら「……ありませんよ」と冷静な顔をして答えるところだが、しかし井上編集長がこの質問をぶつけた相手は、本当の事は何にも分からない我々のようなボンクラシュマークではない。
当日、この試合を裁いた日本正武館の鈴木正文館長に直接ぶつけたのだ。クロケイドはこの試合前に、正武館で鈴木館長自らの教えを受けたという経緯があったのだ。

「館長、クロケイドに”殺し”はありましたか?」
その問いに、笹川良一先生の腹心として数々の修羅場を潜り抜け、その合間に映画にも出演し、スクリーンというあちらの土俵にも拘わらず、あの千葉ちゃんすらも倒した剛の者、鈴木館長は明快に答える。
「ありましたよ」
!?
「ただしクロケイドが修羅場を潜ってきたのは、彼が10代から20代にかけての話。今は家庭のある身ですから、彼が”殺し”の片鱗を見せなかったのは当然です。だけど私は彼が本当に喧嘩をさせたら怖い男だと見抜きましたよ」
ここで「正武館が関わった興行の試合だから、リップサービスが入っただけなんじゃないですか?」などと指摘してはいけない。
虚と実が見事に入り交じったストロングスタイルのやり取り。プロレスや武道、格闘技界が、まだ底の見えない底なし沼だった頃を渡りきってきた人たちは、今の干上がった枯れ地のようなプロレス・格闘技界しか知らない我々とは、やはりレベルが違う。
こんな一見凡戦以前の迷勝負ですら、彼らの手にかかると底の見えない試合になってしまうのだ。
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試合前、リングの上に立ち並ぶ猪木、クロケイド、ヒト、鈴木館長、サブレフェリーの遠藤幸吉、そしてコミッショナーの二階堂進代議士。
このこってりとした面子を見るだけで胸焼けしそうだ。リング上で笹川良一の腹心と、田中角栄の参謀が肩を並べているのだ。この頃の新日本プロレスが、いかに底なし沼であったかの証明のようなメンバーではないか。
あ、それと、この試合のラスト。猪木のギロチンドロップを喰らってぴくぴくするクロケイドの痙攣っぷりは、ジャンボ鶴田、テリー・ファンクと並ぶ”プロレス三大痙攣”に入るほどの、味わい深いぴくぴくだと思います。
"四角いジャングル"作画担当の中城健さんも、このぴくぴくは結構お気に入りだったんじゃないでしょうか。心なしか絵にも力が入っているようです。


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【ニード・フォー・スピード アンダーカバー】

   ↑  2010/09/07 (火)  カテゴリー: XBOX 360
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無表情で男どもを蹴っ飛ばしまくるスレンダーなキリングマシーン。
『ダイ・ハード4.0』(まあこの映画自体は、実に惨憺たるデキだったけど。何しろこの映画って脚本が酷いよ!)でそんなイメージを完全に確立し、いよいよ大ブレイクかと思いきや、その次なる出演作に卓球版燃えドラ『燃えよ!ピンポン』をチョイスしたマギーQ。
細身な女アサシンのイメージがこびりついてしまうことを避けたのかもしれないが、それにしたって、よりによってダン・フォグラー(『ファンボーイズ』のあのむさいデブだ)とロマンスに陥る役を選ぶのは、いくらなんでも極端すぎないか。まぁ『燃えよ!ピンポン』面白かったけどさぁ……。
そんな彼女の最新作は、あの『ニキータ』のTVドラマ版リメイク。……結局は無表情な女アサシン役からは、逃れられない運命なのね。
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傑作モスト・ウォンテッドで頂点を極めたものの、その後、カーボン、プロストリートと、方向性が定まらず迷走を続けたニード・フォー・スピードが、原点回帰を目指したこのアンダーカバーのメインキャストが、そのマギーQ。
走り屋世界に潜入する囮捜査官という設定は、NFSシリーズに大きな影響を与えた映画『ワイルドスピード』の一作目そのままだ。
マギーQは、潜入捜査官であるプレイヤーに指示を与える上司という設定。
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公道レースゲームと実写ムービーの融合と言えば、走りに応じて実写のグラドルたちが靡いてくれる湾岸デッドヒートが、嫌が応にも頭に思い浮かんでしまうが、その流れでこのゲームが、良い走りを見せるとマギーQが「なかなかやるじゃないか。これはご褒美だよ、この豚!」と、プレイヤーを蹴っ飛ばしてくれるゲームだと期待してはいけない。
もっとも、こちらに蹴りを入れはしないものの、ゲーム中では、マギーQから始終怒られっぱなしになるので、M属性の方の欲求は、ある程度叶えてはくれるのだが。
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だけどこのマギーQが登場するムービー部分と、ゲーム部分の整合性が全く無いのが、このゲームの最大の欠点。
何よりプレイヤーのポジション、任務、状況というのが、ムービー内で全く説明不足なので、マギーQが一方的に不機嫌に喋りまくるムービーを受け身で眺めた後、自分の置かれた立場を全く理解できないまま、ただ目の前のレースやチェイスミッションを訳も分からずこなすだけという、一向に盛り上がらない流れになってしまうのだ。
何で俺、公道レースなんかやってるの? 何で俺、自動車窃盗団の片棒担いだり、そして連中とハイウェイでチェイスしたりしてるの? 何で俺、刑事なのにパトカーに追い回されているの? それよりも何よりも、何でマギーQは、こんなに終始不機嫌なの? 例え俺が意味不明なミッションを成功させようが、愛想笑いの一つも見せやしねえ。
まぁ終始不機嫌無表情なのは、マギーQだからと言われればそれまでなんだけどさあ。
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自動車窃盗団に潜入した囮捜査官として、時には警官たちに追いかけ回され、そして時には窃盗団のメンバーたちを追いかけ回す。
ただモスト・ウォンテッドに原点回帰するだけではなく、今度は新たにこちらが相手を追う要素を付け加えて新たな地平を開こうとしたんだろうけど、この窃盗団を追うミッションが、相手の耐久度が無駄に高く、常にぐだぐだな展開となるのだから、そのたびに嫌になってしまう。
何より、走り屋としての自分のポジションとゲーム世界が明確にリンクして、プレイにメリハリを与えていたモスト・ウォンテッドと違って、囮捜査官という黒でも白でもない曖昧なポジションが、ゲームの設定やストーリーに対する感情移入を大きく阻むのだ。
刑事であるにも拘わらず、何の葛藤もなくパトカーを潰しまわり、そして潜入捜査官ものにありがちな、犯罪者たちに対する奇妙な心移りといったような描写も全く無い。
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このアンダーカバーの実写ムービーパートで繰り広げられていることは、プレイヤーとは全く関係ない地平で行われている出来事にしか思えないのだ。
ムービーパートがそのようにゲームを牽引する力に欠けていると、プレイヤーはただ何の盛り上がりもないまま、漫然と各ミッションをこなすだけに終わってしまう。
オープンワールドレースゲームとしての基本部分は、モスト・ウォンテッドの流れを受け継いで良く仕上がっている。
つまり、例え漫然とでもそれなり遊べちゃう内容だし、B級レースゲームとして割り切ってしまえば、何となく納得できてしまうレベルではある。
だけどニード・フォー・スピードの看板てのは、70点くらいのデキで満足してしまうような安っぽいものではないと思うんだけどなあ。
そんな訳で、結局は迷走から抜け出せなかったNFSシリーズ。このシリーズが光明を再び見いだすには、次作のシフトを待たなければならなかった。

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【湾岸トライアル】湾岸シリーズの頂点

   ↑  2010/09/08 (水)  カテゴリー: PS1
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湾岸デッドヒート、同リアルアレンジと続いたパック・イン・ソフト湾岸シリーズの第三弾は、プラットフォームをプレイステーションに移しての登場。
湾岸デッドヒートの無名グラドルたちが、リアルアレンジではそこそ名の通ったグラドルたちに代わるなど、シリーズを重ねるごとに徐々にグレードアップするこのシリーズだが、本作では出演キャストがさらにパワーアップ。
加藤あい、小沢なつき、長谷川京子、嘉門洋子、児島玲子と、この面子で遅い時間帯のテレビドラマが一本作れちゃうくらいの、この色物シリーズには似つかわしくないほどの豪華メンバーです。
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しかも、リアルアレンジの時みたいな、やっつけ仕事のスタジオ撮影実写映像ではなく、きちんとロケをした、ストーリー性を持つドラマムービー。
この本格的実写ドラマが、シリーズ恒例である公道コースでのレースパートの間に挟み込まれ、プレイヤーの走りを盛り上げてくれるのです。
このムービーパートを監督したのはサトウトシキ。
かつて、瀬々敬久、佐藤寿保、佐野和宏と並んでピンク四天王と称され、ポルノの枠を超えたピンク映画を数々送り出し、現在ではミニシアター系の一般作なども手がける監督さんです(最新作は『ジャイブ 海風に吹かれて』)。
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そんなサトウ監督の手による、5人のヒロインを綴った5つのオムニバスストーリー。
旧友の妹、メカニック、レースクイーンなど、走り屋である主人公に関わる立場は様々ですが、公道レースからサーキットレースにステップアップして行く主人公を見守り、案じ、励ましていくという流れは基本的に同じ。
とにかくこのムービーパートが、このままVシネマにできるんじゃないかというくらい、本格的なもの。
サトウトシキの職人的な技量もあって、その絵作りの確かさは、そこらのテレビドラマなんかの比じゃありません。
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そんな豪華キャストによる本格的ドラマムービー。
グラドルたちがスタジオの中で、おざなりな褒め言葉を投げかけるだけに終わっていたリアルアレンジからは、大きく進化した内容ではあるのですが、しかしこの湾岸シリーズには、ムービーパートの進化に対して、肝心のレースゲームパートがちっとも進歩しないという、もう一つの大きな特徴もあるのです。
初代湾岸デッドヒートのレースゲーム部分は、当時でも相当に酷評された筈なんですが、そんなことには一切目をつむり、手を加えるそぶりなどこれっぽっちもみせないという、ある意味開き直りとも言える潔さ。
いや、それどころか、デバイスがプレステのコントローラーに代わった(アナログモードには未対応)この湾岸トライアルは、湾岸デッドヒート以上にレースパートのデキが悪くなっているかもしれません。
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しかもデッドヒートやリアルアレンジの、おざなりなグラドル実写ムービーならまだしも、間に挿入されるのがこの本格的な実写ドラマだと、そのレースゲーム部分のへっぽこっぷりが余計に際立つハメに。
本作に登場する5人のヒロインでは、ブレイク前の加藤あいを起用した慧眼さも目を惹きますが、個人的に注目したいのは、やはり”芸能界一業の深い女”小沢なつき。
他のヒロインたちが、いずれもブレイク前の上り坂な頃だったのに対し、この頃の小沢さんはVシネマ路線も行き詰まりをみせ、いよいよ後が無くなってきた時期。
この5人の中では明らかに異色の起用なのですが、これは本作の前年にサトウトシキが監督した『アタシはジュース』に小沢なつきが出演した縁によるものなのでしょうか?
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実写パートの大胆な進化と、全く進歩しないレースパート。今後もその路線を究めていくかと期待されたこの湾岸シリーズでしたが、残念なことに、サターンに舞台を戻した次作湾岸トライアルLOVEでは、なんと実写ムービーを捨てて二次元萌え方面に路線変更するという、時流に媚びた堕落っぷりを晒すことになってしまったのでした。

この記事に含まれるtag : レーシング 実写ゲーム タレントゲー 

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