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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Fight Night Round 4】'70年代最強の男

   ↑  2010/09/18 (土)  カテゴリー: XBOX 360
どんなジャンルにも、その世代の人間ごとのヒーローが存在する。
野球、プロレス、ロック、大相撲、サッカー、フットボール。長い歴史を持つジャンルであれば、それぞれの時代、それぞれの世代に一瞬の煌めきをみせた、絶対的な偶像が存在するのだ。
それは力道山であったり、ONであったり、ビートルズであったり、三銃士であったり、ピストルズであったり、牛島であったりと、世代によって当然バラバラだ。
え? 最後のは一体何ですかって? 俺にとって'80年代のプロ野球は牛島和彦の時代なんだよ。ほっといてくれ!
「牛島ぁ! 頼むぞぉ! お前しか居ないんだ!」
ロッテ・オリオンズが珍しく終盤までリードを保っている九回。ストッパーとしてマウンドに向かう牛島の背中に何度そんな声援を送ったことか。
そして、試合を終えてベンチに引き返してくる牛島の姿を見ながら、何度「牛島ぁ…、なんちゅうことをしてくれんだ…」と悔し涙に暮れたことか。
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俺ががきんちょの時代。'80年代の野球ヒーローが牛島ならば、ボクシングのヒーローは”ヒットマン”トーマス・ハーンズであった。
レナード、ハグラー、ハーンズ、デュラン。ファビュラス・フォーと呼ばれた不世出のボクサーたちが、同じ世代、同じ階級に一堂に会し、しのぎを削り合った夢のような時代。
その中でも俺はハーンズにぞっこんだった。あのボクサーらしからぬ異形の風貌。だらりと垂らした左腕から目にも止まらぬ速さで放たれるフリッカージャブ。そしてそのジャブの後から飛んでくる、槍を突き出すような右ストレート。
後にバイト先で知り合った、ボクシング好きらしい年配の正社員に、そんなハーンズの魅力を語ったら、彼はひとしきりこちらの話を聞いた後、ぼそりとこう言ったのだ。
「でもね。いくらハグラーやハーンズ言ったって、カルロス・モンソンには敵わないでしょ」
彼が出した名前は、その頃でも既に古豪扱いになっていた、アルゼンチンの英雄カルロス・モンソン。
'70年代のミドル級を制し、14度の防衛を重ね無敗のまま引退した、当時のパウンド・フォー・パウンド最強と謳われた名選手。
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さぁ、”俺たちの世代のヒーロー”同士の衝突だ! この手のファンが代理で行う激突は、決着が付かないから始末に悪い。
「それにハーンズって、結構いいとこで負けてるでしょ? モンソンはチャンピオンになってから一度も負けなかったんだよ?」
「相手がレナードやハグラーだから、しょうがないっすよ! それくらい周りも異様にレベルが高かったんだから。それよりモンソンの無敗って、強い人とやっての無敗なんすか?」
「もちろん強い相手は居たよ。ウェルター級の帝王ホセ・ナポレスをKOで倒してるし」
「……二階級も下の選手じゃないすか!」
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そんな論争は当然結論が出ることもなく、ぐずぐずのまま終わったのだったが、まぁあらゆるジャンルでよくある、それぞれの世代にとってのヒーローを巡っての諍いだ。
当時の俺は、モンソンのことは名前を知っている程度だったのだが、それ以来この'70年代を代表するボクサーのことは頭にひっかかていた。
しかし、今と違ってそうおいそれと、古いボクシング試合の映像を観る機会などありはしない。俺が動くモンソンの姿を見たのは、それからしばらく経ってからのことだった。
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そのモンソンの試合ぶりは、一言で言って掴み所がないものであった。
スピードがあるわけではない。むしろ鈍重に見える。教科書通りの左ジャブ(これもスピードがあるわけではない)を放ち、そして長いリーチを活かした右ストレートに繋ぐ。愚直なまでにこれを繰り返す。
ワンパターンで変化のないボクシングスタイル。素人目で唯一モンソンの大きな武器と思えるのが、そのナチュラルに強そうなフィジカルであろうか。体格もでかいし、相撲なんかやらせても結構強そうな気がする。
そんなナチュラルな強さを持った男が、愚直なまでに自分の型を繰り返して前進を続ける。これって実はもの凄くタチの悪い、対処のしようがない強さではないのだろうか。
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ジャブでリズムを作り、ジャブで相手を崩して右ストレートに繋ぐ。この型を頑なに崩さないボクシングは、ハーンズと一緒だ。
ただしハーンズのそれがモダンなのに対して、モンソンは相当にクラシカル('70年代に於いても、相当古いスタイルだったんじゃないだろうか、あれは)。モンソンのオーソドックスなジャブに対して、ハーンズはフリッカージャブ。
モンソンの教科書通りの右ストレートとは対照的に、ハーンズのそれは教科書破りの豪快に打ち下ろすストレートだ。
この両者が激突したとすれば、実に興味深い。現実には不可能なこの対戦、FNR4で実現させてみせよう!
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どうしてもハーンズ贔屓になる俺の見方を差し置いても、この対決はやはりハーンズの方が有利な気がしてならない。
その体格やリーチの長さをアドバンテージとしてきた(ナポレス戦なんか、大人と子供くらいの体格差があるし!)モンソン。
しかし、この対戦ではそのアドバンテージが通用しない。身長もリーチもハーンズの方が上回っている。己のジャブの射程外から、ハーンズの長い腕から繰り出されるジャブは飛んでくるのだ。こんな事態を経験するのは、恐らくモンソンにとっては初めてのことだろう。
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いつも通り、両者CPU操作にして対決を見守ろうとしたが、直前で居ても立ってもいられなくなり、コントローラーを手にする。やっぱりハーンズは俺の手で動かす! ハーンズが負けるとこは見たくない!モンソンだろうが、ロビンソンだろうが、ジョーンズ・ジュニアだろうが、どんな世代のヒーローにも、俺の世代のヒーローが負けちゃならねえんだ!
「なまじあんたが操作しない方が、ハーンズの為なんじゃないですか?」なんて正論が聞こえてきたような気もするが、とにかく、俺が考えた打倒モンソンの秘策を実現させるためには、CPU任せにしてられないんだ。それに実のところCPUに任せると、あんまりハーンズらしい闘いをしてくれないし……。
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レナードを一時は封じ込んだ、徹底したアウトボクシング。それが俺の打倒モンソンの秘策だ。
モンソンの射程外から、徹底的にフリッカージャブを叩き込む。接近戦は絶対しない。短い距離だと、モンソンのフィジカルで相手を押し切ってくる連打が怖い。
過去のモンソンの相手は、体格差からどうしても自らモンソンの距離に入っていかなければならなかった。
しかしハーンズにはその必要はない。業を煮やしたモンソンが詰め寄ってきても、フットワークではこちらが二枚も三枚も上だから、余裕で足を使って逃げられる。
後は自分の距離をひたすら保って、ジャブ、ジャブ、時折隙を見て左。これでモンソンを完封できる。問題となるのは、操作する俺の集中力くらいだ。
「ハーンズのジャブは一等級ですね。東急ハーンズ」
リングサイドの実況席から、ジョー小泉さん恒例のダジャレ解説が聞こえてきたような気がして、一瞬「ジョー、うるせえ! こっちは真面目にやってんだ!」と我を失いそうになったが、なんとか惑わされず集中力を維持する。そしてフルラウンドを闘った結果、その判定は…!
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俺のハーンズはやはり最強だった。
もっとも、俺が客だったら「金返せ、バカ野郎~!」と罵声を飛ばしていたかもしれないほど、傍目には退屈な試合だったかもしれないが、少なくとも俺の中で、ハーンズの威光は確かに保たれたのだ。
あの時の正社員さん、やはりモンソンよりもハーンズの方が強かったんですよ!
だがこれはあくまでも俺の中で完結した話。件の正社員さんも、きっと今頃You Tubeでモンソンとハーンズの試合を見比べて、「うん、やっぱモンソンの方が強い!」などと自分の中で結論を出していることだろう。
世代間ヒーロー同士の闘いは、かくして永遠に決着が付かないのであった。
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「もうリングの中で証明すべきことは、何一つ無い」
そんな決まり過ぎるくらい決まっているセリフと共に、無敗の王者として引退したモンソン。
ボクサーらしからぬ甘い風貌。練習嫌いで知られ、リングの外でも様々なスキャンダルやダーティーな事件を引き起こした問題児モンソン。しかしその晩年は光ではなく影に染まっていた。
愛人を殺害した罪で実刑判決を受け収監され、そして服役中の'95年、土、日の帰宅日(…どういう懲役刑だ、それ!?)から自らの運転する車で刑務所に戻る途中に事故死(一説には多量の飲酒をしていたと言われる)。
享年52。無敗のまま王座に君臨し続けた'70年代最強の男は、こうして実にあっけなこの世を去っていったのだった。

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2010/09/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【24時、君のハートは盗まれる ~怪盗ジェイド~】

   ↑  2010/09/19 (日)  カテゴリー: PCゲーム
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波越警部(荒井注)「明智君。ここが怪盗ジェイドとかいう、ふざけた名前の窃盗犯が現れる学園かね?」
明智小五郎(天知茂)そのようですね、波越警部。しかし何故か盗みに入られている理事長は、頑なに警察に被害届を出そうとしない。つまり今夜の我々は、言わば招かれざる客というわけですが、私も怪盗と聞いては居ても立ってもいられない性分ですしね。今夜は高見の見物といきましょう。
「しかしだねえ、明智君。この伯應学園とかいう学校には、何でも魔法科という学部があるそうじゃないか。そんなハリー・リームスが跋扈してそうな世界だなんて、聞いておらんぞ」
リームスじゃなくてポッターです、波越さん。同じハリーでもリームスとポッターじゃ偉い違いです。しかし私もその件については大きく意表をつかれました。学園怪盗アドベンチャーゲームという表記を真に受けて買ってきたはいいんですが、そんな私の思い込みを他所に、魔法がどうたらこうたらという話が唐突に進行しだしたのには、思い切り置いてきぼりにされましたよ。聞いてねえよ、そんな設定!
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「確かにパッケージのどこにも、魔法の魔の字も無いもんなあ」
怪盗ジェイドとやらが、どんな手段を使って邸宅に侵入しようが、あるいは空を飛ぼうが、それが全部「魔法だから」の一言でで説明付けられると、はっきり言って我々はおまんまの食い上げです。
「かつて我々が相手をした犯罪者に”魔術師”という奴が居たが、あいつだって本当に魔術を使っていたわけじゃないもんなぁ。なぁ明智君。はっきりいってこれは、我々の手に余る事件なんじゃないのかね?」
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いや、波越警部。実は僕にはもう怪盗ジェイドの正体は、見当がついているのですよ。
「ええっ、本当かい!? さすがは明智君だ!」
これは例えの話ですが、普段の姿の時は三瓶由布子の声で、怪盗になったときだけ声が田村ゆかりになるというような、ミステリーのマナーに反した行いをこのゲームがやっていない限り、ジェイドの正体など一目、いや、一聴瞭然なのですよ。
「……明智君、それはミステリーのマナーとはちょっと違うような気がするが」
つまりですね、波越警部。この怪盗ジェイドは、怪盗ものADVとしては端っから破綻しとんじゃあ!
「お、落ち着きたまえ、明智君。それに、みんながみんな君みたいな、声優の名前と声がすぐ一致してしまうような、暗黒面に墜ちた人間ばかりとは限らないんだから」
そんな暗黒面に墜ちていない人間が、そもそもこういうゲームを買うわきゃないでしょう!
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「森川智之、置鮎龍太郎、緑川光、増谷康紀、山口勝平、うーん、凡人の私の耳には、どれも似たような声に聞こえるんだが……」
暗黒面に墜ちた人間にとっては、羨むような豪華キャストですよ、これ。
「うーん、そうなのか。……しかしだねえ、明智君。このゲームの主人公である真とか言う青年。彼の怪盗ジェイドへののめりこみっぷりは、ちょっと異様だと思わんかね?」
いいや、私には彼の気持ちがよく分かります。探偵役の人間が犯罪者や怪盗に偏愛を抱いてしまうというのは、よくある話です。私にもそんな覚えがありますよ。黒蜥蜴とか、黒蜥蜴とか、黒蜥蜴とか……。
「ああ、あのおばさんか」
せめて彼女が毒をあおるまえに、一回でいいからヤラしてもらえばよかった。つくづく勿体ないことをしたぁ!
「何を訳の分からないことを言ってるんだ、君は!」
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我が国の下山事件の謎に取り憑かれた人間を、”下山病患者”と呼んだのは、確か斎藤茂男でしたか。米国では、ゾディアックという未解決連続殺人事件の真相を解明することに取り憑かれて一生を捧げてしまった、市井の研究家たちがたくさん居ます。こちらは言わばゾディアック病患者ですね。この真という青年の場合は、怪盗ジェイド病に冒されたと言えるんではないでしょうか。
「そんな大層なものなのかね? 私には、ただ単にいきなり唇を奪われて舞い上がっているだけにしか見えないんだが……」
身も蓋もないこと言わないでくださいよ、警部。しかし、グリリバがこういう役をやるのも、ちょっと珍しいかもなあ。
「ごくごく一部の人間にしか分からない略称を使うのは、やめてくれないか?」
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まぁとにかくこの事件は、魔法だの怪盗だのをダシにして男の子同士でいちゃいちゃするのが主眼なので、我々があえて出張ってくる必要は全くありませんでしたなあ。
「全く空回りもいいとこだったなぁ」
最後にこのゲームならではの特徴を付け加えておくと、サクラ大戦のLIPSみたいなリアルタイムコマンド選択パートが採用されていて、またこのリアルタイム選択肢がそれこそ忘れた頃にやってくるので、オート送りでぼーっとゲームをやっていると、このパートも未回答のままあっという間に飛ばされて、本人の意志に反していつの間にか受けルート一直線なんて事態になったりするので、くれぐれもぼんやりとしていないように。

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2010/09/19 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Get On Da Mic】マイク片手に成り上がれ

   ↑  2010/09/21 (火)  カテゴリー: PS2
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Def Jamゲームと言えば、ラッパー同士がリングやそこらの路上でド突き合いを繰り広げたり、相手に無茶なプロレス技を喰らわせたり、挙げ句の果ては給油機に叩き付けて火達磨にしたりと、自分たちの本職を忘れた破天荒なサービスで我々を楽しませてくれたものですが、さすがに欧米で吹き荒れるGHやRock Bandなどの音ゲー旋風、或いはSing StarやLipsなどのカラオケゲームブームを無視できなくなったのか、最新作であるDef Jam Rapstarは、どうやらラパオケ(ラップ版カラオケ)のゲームに落ち着くらしいです。
この路線変更は、実在ラッパーたちのすちゃらか格闘大会という、唯一無二かつアホ丸出しな路線を愛してきた俺にとっては、時流に媚びた堕落にしか思えません。
どう贔屓目に見たところで、しょせんはGuitar HeroやSing Starの三番煎じ、四番煎じ。
ラパオケゲームとしても、既に5年以上前に登場した、Get On Da Micというオリジナルが存在しているのです。
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このGet On Da Micは、Eidosからリリースされたラパオケゲーム。
マイク片手に曲を熱唱し、画面下の歌詞上に流れるゲージと上手くリンクしていればスコアがアップしていくというスタイルは、Sing StarやLipsなどと全く同じもの。
つまりSing Starのラップ版以外の何ものでもないと言ってしまっては、身も蓋もないのですが、一応ゲームっぽいキャリアモードも付属しています。
ドラッグディーラーの前科持ちで、今は冴えないタクシー運転手やウェイトレス。
確かにこんな姿に身をやつしていたりはするが、成り上がろうとする心意気だけは忘れてはいやしない。
スラムのこんな境遇から抜け出すのに、ボクシンググローブを手にしたのは昔の話。今の時代にグローブの代わりに手に取るのはマイクだ。
拳で相手を打ちのめす代わりに、言葉で相手を打ちのめす。そしてヒップホップ界の頂点に立ち、マネー、パワー、リスペクト、全てを手に入れてやるんだ。
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そんな意気込みと共に流れるムービーには、ワールドツアーで数万人の大観衆を前にする、功成り名を遂げた己の姿。
しかし、そんな甘い夢のムービーもあっという間に終わり、そして目の前に広がるのは、薄汚いアパートのバスルーム。
鏡に映るのはしょぼくれた自分の姿。だけど今はそんな現実の姿を直視しなければならない。千里の道も一歩から。
キャリアモードの第1ステージは、”自宅のバスルームで、鏡に向かって一人で練習”という、これ以上は無いくらい現実的でうすら痛いシチュエーションなのです。
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バスルームの練習で自分を納得させたら、続いて繰り出すのはスラムのストリート。そこら辺にたむろしている暇人どもを相手に、さっそく練習で磨いた腕を披露。
暇人どもの中には、V.I.P.と呼ばれる、次のステージ進出への鍵となる人物が紛れ込んでいて、彼のご機嫌ゲージを最高にまで上げれば、彼は晴れてプレイヤーをクラブ出演にブッキングしてくれます。
そして順調に進めば、ステージはコンテスト、ラウンチパーティー、レコーディング、プロモビデオ撮影と、どんどんステップアップ。やがて最後に辿り着くのは、冒頭、あの薄汚いバスルームでぼんやりと夢見ていた、あのワールドツアーの巨大ステージ。ママ、俺は遂にやったぜ!
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そんな途轍もない夢に辿り着くのは、そもそも英語がネイティブでない我々にとっては、凄まじい難関に思えるかも知れませんが、基本的にラップの成否判定には、リリックが合っているかどうかは一切関係ないので、原曲の代わりに"DA.YO.NE"や"俺ら東京さ行ぐだ"、或いは極端な話、般若心経をビートに合わせて唸っているだけでも一切問題ありません。
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空」
そんな読経に合わせてノリノリのブラザーたち。まさか観音様のありがたい教えが、ブルックリンのスラムに、ここまで浸透しているとは思いもしませんでした。
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キャンペーンやラパオケモードで歌えるのは、Kanye Westの"Jesus Walks"や、Lil Flipの"Game Over"、さらには古典中の古典であるSugarhill Gangの"Rapper's Delight"など、約40曲。
さらに本作には、やはり40曲近いブレイクビーツが収録されており、これをバックに自作のリリックを披露したり、あるいはUSBマイクを二本用意してMCバトルの対戦が可能。
もっとも素人同士でうっかりこのMCバトルに臨んでも、「客のくせにキャバ嬢にパシリに使われてんじゃねえ、アホ!」「富士そばでコロッケうどんに卵落としてセレブ気取りか、このカス!」などと、ビートもなにも無視した単なる罵り合戦に終わってしまう可能性が大なので、あまりオススメできませんが。

<北米版 / 日本のPS2本体では動作しません USBマイク必須 Eye Toy対応>

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2010/09/21 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【インファーナル: ヘルズ ヴェンジェンス】

   ↑  2010/09/22 (水)  カテゴリー: XBOX 360
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'90年代末から2000年代の始めにかけては、海外PCゲームの日本版発売が非常に活発でした。
中には「そんなもん出して商売になるの?」などと、こちらが思わず心配してしまうような、どマイナータイトルも含まれていたのですが、コンソールゲーム機と違ってハードのロイヤリティが無く、利益率が高いPCゲームは、例え少ない販売本数でも採算が見込めたのでしょう。
しかし国内PCゲーム市場の縮小と共に、これら海外ゲームの日本版も徐々に少なくなり、今ではPCに特化したストラテジーゲームのタイトルが目立つ程度です。
これは市場の縮小化の他に、PCゲームとコンソールゲームの境界が薄れてきたこと。さらにはSteamの登場なども、理由として挙げられるのかもしれません。
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これにより、どマイナー、或いは妙ちきりんなジャンル等のニッチなPCゲームが日本で発売されることも、今では希になってしまいました。
しかし今此処に、やたらとニッチな海外ゲームを日本で販売する、かつての海外PCゲーム日本代理店のような戦略を、何故かコンソールゲーム機市場で展開する会社が一つあります。
その名はラッセル。あのトロピコ3日本版を発売するというナイスジョブを筆頭に、Stoked、Suparstars V8 Racing、SBK X Superbike World Championshipなど、どう考えても売れそうもないタイトルを日本に引っ張ってくる、男気溢れる会社です。
ただでさえマイナーなタイトルの上に、Suparstarsに至っては、元のツーリングカーチャンピオンシップそのものが、日本では全く知られていないときているのに、そんなマイナス要因をものともせずローカライズに踏み切る。そこまでいくと、もはや勇気と言うより蛮勇と言うべきなのかもしれませんけど。
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そんなマイナーゲーム愛好家の俺にとっては、非常にありがたい存在のラッセルなのですが、しかし、いくらニッチなゲームを出すと言っても、ものには限度があります。
Infernalは、今からほど3年前に出たPC用のサードパーソンシューター。このPC版の時点で既に酷評されていたゲームを、Infernal: Hell's Vengenceのタイトルで堂々とコンソール機用に移植して、PC版以上のさらなる酷評を浴びた元の開発会社やパブリッシャーも、実にいい度胸していますが、それを知ってか知らずか日本に引っ張ってきたラッセルも相当なもんです。
昨年度、海外サイトでめちゃくちゃにこき下ろされたシューターにRogue Warriorという作品がありましたが、俺の実感としては、このインファーナルはRogue Warriorの比ではありません。
いびつで力不足とは言え基本的には破綻していないRogue Warriorが2点だとしたら、インファーナルはマイナス5点くらいつけないと、釣り合いというものがとれないんじゃないでしょうか?
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がたがたな操作性、がくがくする照準、珍妙なキャラクターの挙動、行き当たりばったりのレベルデザイン、そこらの中学生に考えさせたような陳腐なストーリー、聞いてるこちらがむず痒くなってくるような臭いセリフ、全く機能していないカバーアクション、チェックポイント間のオートセーブどころかチャプター間のセーブすら存在しない仕様(セーブは全て自力で行ってくださいだとさ!)。
ここまで欠点を挙げ連ねていくとキリがないゲームも、今時珍しいくらいです。
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主人公は、自分を裏切った組織相手に、魔界の力を借りて復讐を果たそうとする元天界工作員。
その魔力の一つである体力吸収は、相手の死体からヒットポイントの他に弾薬なども一緒に吸収できる技。
体力以上に弾薬のやり繰りが厳しいこのゲームでは、非常に重要な魔力です。
しかしこの魔力を発動させている間は、完全に無防備な状態。そんな間に周りを取り囲む敵たちの銃撃を、一方的に浴び続けることになります。
だったら周囲の敵を一掃してから、ゆっくりと体力と弾薬吸収に励めばいいだろうと思われるかもしれませんが、このゲームの死体はすぐ消えちまうから、そうも言ってられないんだよ!
目の前の敵を一人倒してから、他の敵をほったらかしにして、銃撃を喰らい続けながら死体から吸収。また目の前の敵を倒して、やはり弾丸を浴び続けながら吸収。
もう何かが根本から間違っている、破綻しているような気がします。
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やはり主人公に備わった魔力の一つであるテレポートも、我々がイメージするようなA地点からB地点に完全に移動できるようなテレポートではなく、任意の地点に一時だけ移動できる(一定時間が過ぎると元に戻る)、暫定テレポートとでも呼ぶような中途半端なもの。
パッと見には使えない能力に思えるかもしれないですが、この暫定テレポートを駆使して銃撃戦で敵を翻弄(B地点に暫定テレポートして背後から敵を攻撃。慌てた敵が振り向く頃には、既にA地点に戻っていて再び背後から攻撃)するのは、このゲーム中で唯一面白い部分でした。
まぁ裏を返せば、それ以外の部分は全てつまらないどころか、こちらをイライラさせるものばかりということなのですが。
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こんな、さわりをやっただけで即座に「これはあかん」と分かるようなゲームを、何故日本発売に踏み切ったのか、その真意は分かりかねますが、恐らくはこれをうっかりプレイしちゃったラッセルの人が、こんなダメゲーを遊んでしまったやるせなさを慰めるために、無理矢理道連れを増やそうとしたとかなんじゃないでしょうか。
パッケージの裏に堂々と踊るキャッチは「30種類以上の実績をコンプリート!」
正直、実績がぬるいくらいがセールスポイントにしかならないこのゲームに対する、苦肉のキャッチなのかもしれませんが、実のところこのゲームの実績はそんなにぬるくはありません。
実績コンプの為には3周する必要があるこのゲーム。2周、3周、とてもじゃないけどそんな繰り返しプレイするモチベーションはありません。
このとっちゃん坊やな主人公の顔は、二度と見たくないというのが本音です。

この記事に含まれるtag : TPS 

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【ネクストキング 恋の千年王国】愛は打算

   ↑  2010/09/24 (金)  カテゴリー: セガサターン
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人の愛には打算がいつもついて回るものさ
          <JAGATARA - もうがまんできない>
桝田省治氏の著書"ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ―"を、さんざん文中でダシにされまくっている女性編集者に同情しつつ、興味深く読みました。
娯楽をどう発想しデザインするかについて、噛み砕いて語られているので、桝田作品、あるいはゲームにあまり関心がない方にもお勧めできる一冊です。
桝田氏が関わったゲームは、あらかた遊んだ経験があるのですが、その中で俺が一番好きな作品が、この本の中でもたびたび触れられているネクストキングなんですけど、これを人に言うとよく「えっ!?」と軽く驚かれるんですよね。「それかよ!?」って感じで。
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さらに二番目に好きな桝田ゲームを口に出すと「えええ~っ!?」という反応がほとんどなんですよ。それがまたいかにも「それはないわ!」って感じのニュアンスなので、それ以来、二番目に好きなゲームのタイトルを出すのは避けるようにしています。ここでも教えません。
で、ネクストキングなんですけど、件の著書で桝田氏自ら述べられているように、ときメモに代表される恋愛SLGをどう料理し、どう他と差別化するかの試行錯誤の末に生まれた作品です。
そして出てきたのがボードゲーム風の体裁という独自のスタイル。この形式を持ち込んだのは、ライバルが介在するという、このゲームならではの独自アイデアを具体化する為でもありますが、さらには好きな場所を目指せて好きな相手にアプローチをかけられるという自由度があり、それにサイコロの目という絶妙な足かせを加えて、ゲーム展開に広がりのある起伏をもたらしたりもしています。
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プレイヤーは次期王様候補の一人で、12人の女の子たちにアプローチをかけるのは、あくまでも王様選挙への投票を依頼するためという設定。
選挙という、生臭いことではこの上ないイベントが、メインに堂々と介在するために、そのアプローチは、二股、三股、買収、情に訴えるが当たり前の、非常に打算にまみれたものとなるのです。
対象の女の子だって、純真無垢な娘など一人も居りません。プレイヤーやライバルの王子たちに寄せる好意は、当然見返りと引き替えのもの。

ぶっちゃけた話、このゲームに登場する女の子に、性格の良い娘など皆無です。そしてそれは隙があればライバルたちを出し抜き、罠にはめ、足下を掬って大恥描かせようとしている王子たちも同様のこと。
腹に一物を抱えた者同士の、打算にまみれた駆け引きの数々。”恋愛ゲーム”の名にこれほど相応しいものが、果たして他にあるでしょうか?
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全てがサイコロの目により決定づけられるこの世界のお約束も、このゲーム独自の味わいとなっています。
この手のギャルゲーでは、他のパラメータは表示しても、プレイヤーに対する好意度の類は表示しないのがお約束です。
人に対する感情は数値化できるものではない(でも本当はしてるくせに)という考えによる措置なのでしょうが、このネクストキングは、そんな野暮はしません。打算は充分数値化できるだろ!
でもその数値化は「サイコロ何個分」という、非常に大雑把なもの。
「フェンネルの好感度がサイコロ20個分アップした!」
うわぁい、20個分!そして実際に目の前で振られる20個のサイコロ。ええと、5足す2足す1足す2足す……、いちいち数えらんねえよ! でもとにかく20個分。なんとなく豪勢だぜ!
数値を堂々と表示はしているんだけど、でも大雑把。この独特のさじ加減が堪りません。
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この打算にまみれた世界にも、一応それぞれのキャラクターに個別のグッドエンドが存在します。
しかし、釣り上げたこの大食いな魚に、今後もさらに餌をやり続けなければいけないのかと考えると、それが果たしてハッピーエンドと言えるのかどうかは疑問ですが。
このゲームにとって最良のエンディングは、「みんな投票ありがとう。おかげで王様になれました。ではみんな、いい婿さんを見つけて下さい。こっちはこっちでいい嫁を探します。それではサヨナラ!」となることだと思うんですけどね。
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そんな打算まみれの腹黒い世界と、キャラクターに対し純愛を注ぐギャルゲーマーたちとの相性が悪かったのでしょうか。商品としては今ひとつウケが悪かった本作を、桝田氏は前述の著書の中で、「僕はキャラクターに対する”愛”が足りなかった」と述懐しています。
その反省は、商品に対するものとしては正しいのでしょうが、しかしこのネクストキングの最大の魅力は、そんなギャルゲーマーのねじくれた偏愛を一切拒む、生々しくも腹黒い世界にあるんじゃないでしょうか。
それに、商品としてはいつも肝心の何かを取りこぼしてしまうのは、桝田作品にとってはいつものことだし、またそれが桝田氏の作品の魅力に繋がっているんじゃないでしょうか。なんか凄い失礼なことを言っててすいませんけれど。

この記事に含まれるtag : ギャルゲー 

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2010/09/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |