ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【Saints Row】ワルノリ伝説の始まり

   ↑  2018/06/16 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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立川にいられなくなった。元はと言えばセンパイが悪いからだ。
「おい、ちょっとこれ洗車してこい」
女の前でかっこつけてオレにタントカスタムのキーを投げてよこしたのが、すべての間違いの始まりだ。
オレ、バックあんまりうまくねえ。
狭い路地で切り返そうとして、後ろをろくに見ずアバウトに下がったらガガガガガガガッ!!! 塀に思いっきり擦っちまった。
ごまかそうにもナイトシャドーパープルのボディだ。しかも一番ヒデえところは塗装面だけじゃなく下地の方までがっつり傷ついている。
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しかもこのタントカスタム、センパイはまだローンの一回目を払ったばっかだ。
ヤベえ、殺される。なんつったってセンパイはナポリタンに箸を付けたってだけで、ブチ切れてコンビニのガラスにマグボトル投げつけたくらいアブナイ人だ。
このままタントカスタム返したら、どんな目に遭うかわかりゃしねえ。
「ちょっとワイルドな洗車してきました」っつうのはどうかな? いや、ムリだ。やっぱり逃げるしかねえ。
だけど逃げるっつっても埼玉や栃木あたりじゃ、まだ安心できねえ。
なんつったってセンパイは5年前のオートバックス店員の態度に、いまだぐちぐち文句言ってるくらい執念深いやつだ。
どっかセンパイが追ってこれないような場所。
そうだ、海外だ。どうせセンパイはパスポートのとり方すらわかりゃしねえ。
オレは有り金をひっかき集めてパスポートを引っ掴み、とるもとりあえずアメリカ行きの飛行機に乗り込んだ。
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わけも分からず辿り着いたのはスティルウォーターという街だった。
来るなりいきなりヒデえ目に遭った。
オレは今まで立川が世界で一番ヤベえ街だと思っていたけど、ここはヤベえとかそれどころじゃねえ。
真っ昼間の街なかでカラフルなヤンキーどもが、いきなり大喧嘩おっ始めてやがんだ。
しかもスネ蹴り合ってるようなレベルじゃねえ。いきなりピストルとかサブマシンガンとか持ち出してドンパチやってんだよ。
死んじゃってるって! ヤバイって! おい、オレは関係ないって! 見てただけだって! ゴメン、許して撃たないで! タントはちゃんと修理して返します!
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……助けてくれたのは、その場に新たに殴り込んできた別のヤンキーたちだった。
カラーギャングっつうの? ココらへんの不良はみんなグループごとに色で固めてるんだけど、そいつらは紫をトレードカラーにしてた。サードストリート・セインツってやつらだ。
「危ないところをありがとうございました。あなたたちは命の恩人です。ではボクはこれで」
さっさと立ち去りたいところだったが、そうもいかなくなった。人手が足りないからオレたちの仲間になれと。
タント擦っただけで逃げてきたオレが、こんな銃持ったシャレにならないやつらの勧誘を断れるわけねえだろ!!
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リーダーのジュリアスはまあまあ話が通じるやつなんだけど、幹部のジョニー・ギャットってのが、ちょっとヤバすぎる。センパイの比じゃねえ。
こんなニキビ潰すよりも簡単に人を殺せるような連中と付き合ってかなくちゃなんないのかと思うと頭が痛い。
それに昼間はパチ屋に並んで夜はデリの運転手だけやってりゃよかった立川時代と違って、こっちはホント忙しい。
クスリの売人の面倒みたり、クルマ盗んできたり、あとは売春の斡旋とか、休む暇もありゃしねえ。みんな勤勉に働くのが嫌だから不良やってんじゃないのかよ!?
それと風俗嬢の勧誘。そんなもん「♪バーニラっ、バニラバーニラっ」ってトラック走りゃせりゃいいじゃねえかってジュリアスたちに言ったんだけど、みんな怪訝な顔しやがった。
それにこんな勧誘ひとつとったって命がけなんだよ。とにかく幹部からチンピラやケチなポン引きに至るまで、みんなカジュアルに銃を抜きすぎだっつうの!
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だからギャング同士の抗争となると、もう戦争みたいなもんで、オレも最初は気合い入れてバット持ってったら、デックスのやつ……、あ、デックスってのはセインツの比較的気のいい仲間な。そいつに「お前、それで大丈夫かよ?」って心配されちゃったよ。全然大丈夫じゃなかったよ!
ここじゃクルマをパチるときですら銃がデフォでさ。ほら『Grand Theft Auto』なんかじゃ一般市民からクルマを奪うときは、無理やり引きずり出したりすんじゃん?
こっちじゃ強奪のYボタン押したら、ドアこじ開けて問答無用で運転手の頭目掛けてピストルパーンだよ!?
ちょっと奥さん大丈夫っすか!? オレ、そんなつもりじゃなかったんですよ、ちょっとクルマ借りようとしただけで!
悪いのは『GTA』との差別化を狙ってワルノリしてるVolitionなんすよ!
とにかく逃げなきゃ。……おい、助手席にガキがいるよ! 誘拐!? ま、結果的に実際そうだけどよ、こういうのまで嬉しそうにゲームシステムに組み込むんじゃねえよ!
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とことん下品でワルノリしている『GTA』クローン。この『セインツ・ロウ』が最初にリリースされたときの印象は、その程度のもんだった。
本家と比較しての大きなセールスポイントはオリジナルキャラクターのメイキングくらいのもんだったけど、まさかそれがシリーズを重ねるごとにワルノリを上積みして、立川のへたれヤンキーがアメリカ合衆国大統領まで上り詰めてしまいにはエイリアンの侵略から地球を救う伝説にまでなるとは、この第1作目が出たときは考えもしなかった。
おめえは将来全世界のリーダーになるって? なにワケのわかんねえこと言ってんだ!
今のオレはとにかくセンパイに顔の形が変わるくらいまで殴られても構わねえから、あのお花畑のような立川に帰りたいだけだっつうの!!!!!

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2018/06/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Battlefield 1943】ガダルカナルはリゾートアイランド

   ↑  2018/05/27 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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ガダルカナル、ウェーク島、そして硫黄島。水木しげるのマンガの悲惨な情景が思い浮かぶ、凄絶な歴史の舞台だ。
しかしここは名前は同じだが、そんな悲劇的な戦史とはミリともリンクしていない南の楽園。
部隊には一〇〇式機関短銃が景気よく配備され、コルセアはゼロ戦と互角に旋回戦を繰り広げ、そしてチハたんがシャーマンと正面からド突きあいを演じられるファンタージーワールド。
糧食の心配も必要ない。ポテチ、冷やし中華、メロンパン、あらかじめコンビニできちんと調達しておけ。
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『Battlefield 1943』のガダルカナルは、オレにとってリバティーシティやバイスシティ以上のクルマ泥棒天国だ。
ジープのハンドルを握り、荒れ道の海岸沿いワインディングロードを突っ走って向かう先は敵陣地。
ガレージに不用心にも無施錠のまま鎮座しているのは九七式中戦車だ。悪い、ちょっと借りてくぜ。壊すまで大事に乗るから心配すんな!
南洋のグランド・セフト・オートにとって、もっとも美味しいシチュエーションは修理中の敵戦車だ。
コキコキやってるところに、こっそり忍び寄って、頃合いを見計らって操縦席にライドオン。
オレのために戦車を直してくれてありがとう! これはほんのお礼の気持ち。バックギア、ぶちぶちぶちっ! 戦車の頼もしい重さを全身で感じてくれ!
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シンプルなクイックマッチのみのアクセス。わずか3つだけのマップ(のちにエースパイロット様隔離用の制空権モードが追加されたが)。既存の『Battlefield』を徹底的にシェイプさせたその先には、程良いマンネリ感に包まれた南太平洋のパラダイスが待っていた。
リゾートビーチでは人々の時間の過ごし方も思い思いだ。
狙撃銃を抱えて見張り台から降りてこないやつ、ジープで海岸通りを流しまわっているやつ、爆撃司令室の前に居座って動かないやつ、日本刀振り上げて意味もなく走り回ってるやつ、そもそもスタート地点の空母から動かないやつ(とっととトイレから帰ってこい!)。
狭い島だからみんなのリゾートスタイルも一目瞭然だ。それに目くじら立てることもない。
ただし、さっきから飛行機キープして地上に降りてこないエースパイロット様だけは話が別だ。それはオレの拠点間ショートカット用タクシーだっちゅうの!
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青い空に白い雲。空に負けないくらい青い海に白い砂浜。ガダルカナルいいとこ一度はおいで。
中央の尾根に両軍の兵士が群がり、戦車がそれに続き、ジープは坂を登りきれずにエンストし、上空では戦闘機が無意味に飛び回り、そして油断していれば後方の飛行場や前哨基地の色がひっくり返る。
何百、何千と繰り返されてきた、見慣れたという言葉にも苔がむすほどのお馴染みの光景。
でもオレたちは飽きない。マンネリは感じているけど、でもマンネリもいいもんだなって思ってたりもする。
さもなきゃいくら互換対応になったばかりだといって、10年も昔の古いゲームが、ここまで賑わっている理由が説明つかない。
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摺鉢山から転げ落ちる戦車、ウェーク島の内湾で操縦者のログアウトごと頓挫する上陸用舟艇、爆撃指揮所から出てきたとたんスパナで頭をスコーン、敵基地に乗り込んで飛行機に爆弾をセット、そして何度やっても脳汁が漏れる戦車砲で飛行機撃墜。
10年前から変わらぬルーチンワーク。だけど南国リゾートって、この世のトレンドからもっとも離れた場所のはずだろ?
太陽の下チェアに寝っ転がる、いつものビーチ作法みたいに、オレたちは上陸用舟艇に飛び乗ってとりあえず美しい島に駆け出し旗の下に集う。
生き物のように時間と共に姿を変えるオンラインゲーム群にあって、この南の島々は生まれたときから、ありのままの姿をほぼ保つ、貴重な手つかずの楽園なのだから。

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2018/05/27 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Marlow Briggs and the Mask of the Death】マーローブリッグスと死のマスク

   ↑  2018/04/27 (金)  カテゴリー: XBOX 360
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マーロー・ブリッグスはちょっと粗忽なマッチョガイ。
そのファンキーすぎる性格はなにかと面倒呼び込むぞと思ったら、オープニングムービー早々グサッと刺されてご昇天。
しかし彼の命を奪った古代マヤの秘宝ククルカンの鎌には、死のマスクの装飾と共にいにしえのテップ王の魂が封じ込まれていた。
開発の名の下にマヤの都市遺跡を破壊せんとする悪の中華企業に対抗するために、テップ王はマーローの命を蘇らせ、その身体に古代戦士の能力をペーストして送り出すのであった。
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なんだかワケのわかんない古代の王様の傀儡となってしまったマーローだったが、彼にも中華企業に囚われた考古学者の彼女を救う名分がある。
Xボタンで通常攻撃、Yボタンで強攻撃、Aボタンでジャンプ。その3つの組み合わせで発動する各種コンボ。
道中に群がる敵をこいつでなぎ倒し、所々では土台を移動させたりスイッチを回したりするアクションパズルで進路を切り拓く。
なんのひねりもないド直球なスラッシュ系アクションアドベンチャーの様式にフックをもたらせているのは、徹底的なB級映画ノリ。
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80年代封切り館のローテーション穴埋め(二番館以降はメイン映画の添え物)を経て、90年代にはゴールデンタイムの洋画劇場をすっ飛ばして、2時のロードショーに直行するようなアクションムービーのテンションを、ゲームならではの過剰なローラーコースター演出でさらにこってりと味付け。
幕間にも豪奢なCGムービーがあるわけじゃないが、代わりに静止画とラウンドカメラを使った、ちょっと不思議な味わいの一幕がB級感をさらに後押しする。
そして古代王のくせして妙にくだけて冗談好きなテップ王と、古代戦士の魂を受け継いでもファンキーな性分だけはそのままなマーローの軽妙な掛け合いは、バディムービーの王道。
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発売時(2013年)はXbox Liveアーケードの規模に収まってしまったが、ゼロ年代ならばパッケージゲームとして堂々と通用するボリューム。
ただしアクションにアクションを接ぐ一本調子なテンポが災いしてか、後半はかなり蛇足な(水増し的な)ステージが目立ったりもする。
もっと全体のボリュームを絞れば、この徹底追尾B級なテンションとリズムが、スケール面でもさらに引き締まって程よく収まったんではないだろうか。
『マーロー・ブリッグスと死のマスク』という日本語題がついているが、中身は未ローカライズ。
タイトルやエンディングの展開も含めて、いかにも続編を予定しているような雰囲気をアピールしているが、まあそうほのめかすだけで結局次作が出なかったとしても、それはそれでB級アクション映画的ではあるよね。

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2018/04/27 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Riot Act】無責任なアスレチックランド

   ↑  2018/04/15 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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サプライポイントからとりあえず目のついた方向へ最初の一歩を飛び出した。
毎度のことながら、さしあたっての目的なんかない。足の向くまま気の向くまま。
目の前にあるビルをよじ登り、屋上から屋上を跳び回り、思いついた方角へただなんとなく進んでゆく。
途中にこちらに絡んでくるギャングがいれば、銃か素手ゴロで相手をしてやったり、あるいはガン無視して先を急いだり、対応もそのときそのときの気分任せだ。
そうして自由気ままに飛び跳ねている間に攻略対象のポイントや敵幹部と遭遇すれば、これまた気分次第。一息に掃討してやるのもよし、後回しにしちゃうのもよしだ。
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パシフィックシティはプレイヤーに与えられただだっ広い砂場だ。
この街にあるあらゆる建物や乗り物、ギャングに一般市民、そして同僚の警察官でさえも、プレイヤーが思うがままに振る舞い動き回るための素材でしかない。
強化改造をうけたエージェントが、この街に蔓延る犯罪組織を一層し秩序を取り戻すという大義も、ぶっちゃけた話、単なるとっかかりでしかない。
プレイヤーにしたって飛び跳ねているうちに、そんなこと早々とどうでもよくなっているだろう。
そして肝心のプレイヤーキャラさえも、プレイヤーの四肢の動きを代理で担う便宜的な存在。
少なくともここまでパーソナリティが欠如した主人公ってのは、そうそうお目にかかれるもんではない。
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永遠に陽が落ちない遊具付き公園に解き放たれた子供のように、本能の赴くままに走り、飛び、ぶっ放し、爆発させ、狼藉の限りをつくす。
その合間にビルのてっぺんでちょっと一息ついたときに、このゲームをプレイしたことのあるものなら心躍らずにはいられない、あの魅惑的な「ふぉんふぉん」という音が耳に入ってくる。
このゲームにおける唯一の導線らしい導線、移動能力をアップさせる緑色のオーブが発するサウンドだ。
隅に駆け寄りオーブを回収し、そこから辺りを見渡すと、立ち並ぶビルの屋上や中層にさらなる緑オーブの姿が。
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嬉々として今いる建物の角を蹴り、オーブ回収行脚に飛び出す。
移動能力がアップして行動範囲が広がっても、オーブは絶妙なまでの分布範囲で目の前に散らばっている。
この移動スキルの上昇曲線の練り込みは惚れ惚れするくらい見事で、いくらプレイ時間を積み重ねても中だるみや飽きがまったく来ないほどだ。
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『ライオットアクト』とい日本独自のタイトル(原題は『Crackdown』)と共に施されたローカライズも、この夏のぬるま湯のように抜け出せない中毒性を持つゲームを後押しした。
ゲーム本編のイメージにこれっぽっちもリンクしないモンキー・パンチのパッケージ絵もそうだが、それよりもインパクトを残すのが、もはや小林清志のムダ遣いの域まで達した進行役の吹き替えだ。
恐らく警察ドキュメンタリーの流れからの起用なのだろうが、味も素っ気もないだけの原語版ナレーションを、テンションそのままに小林清志に変換したその珍味は、プレイヤーのやりたい放題を無責任に後押しする魔力に満ちている。
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走り、飛び、ぶっ放し、爆発させ、狼藉の限りをつくすうちに、みるみる上昇するプレイヤーキャラのスキル。
それはさらなる狼藉を誘発し、プレイヤーの無責任アスレチックランドと化したパシフィックシティは、さらなる阿鼻叫喚の騒ぎを巻き起こす。
やめどきなんかなかなか見つからない。子供時代の公園での無秩序な遊びはカラスが鳴くから帰ったが、ここではそのタイミングを告げるカラスすらいない。
ストーリーからも、目的からも、ミッションや攻略といったゲームにつきまとうあらゆる決めごとからも解き放たれて、無目的で無責任で無秩序な自由をただ謳歌するためのツール。
『ライオットアクト』は、そんなサンドボックスな遊び場を、これまた無責任に提供するゲームなのだ。

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2018/04/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Driver: San Francisco】H.B.ハリッキー主義

   ↑  2018/03/06 (火)  カテゴリー: XBOX 360
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かつてアメリカ映画界に、H.B.ハリッキーという素晴らしい男がいた。
「バニシング IN 60」と「ジャンクマン」の二作を監督から主演、脚本、カースタントにプロデューサーまでをも兼任して作り上げ、新作映画の撮影中に倒れてきたセットの下敷きになるアクシデントで、わずか48才でこの世を去ってしまった人物だ。
ハリッキーは映画以上にクルマを愛した男だった。彼にとって映画とは、愛するクルマがかっ飛んだりひっくり返ったり宙に舞ったりする美しい姿を、みんなに見せびらかすための手段に他ならなかった。
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テーマはカースタント、主役はマッスルカー、ビバ70年代。『Driver』シリーズの基本コンセプトは、70年代のカースタントムービーをゲームの上で再現。つまるところ真正のハリッキーワールドだ。
初代プレイステーションの『ドライバー 潜入カーチェイス大作戦』以来、『ドライバー パラレルラインズ』に『Dirver 76』と、この路線を追求していたが、本作『Driver San Francisco』では、とうとうさらなる次元へと突き抜けてしまった。
そのベーシックは『バーンアウトパラダイス』以来すっかりメジャーになったオープンワールドタイプのクルマゲーム。
サンフランシスコの街中を自由に走り回って、メインストーリーを気まぐれに消化しながら、そこらに転がっているレースイベントやスタントイベントをこなしたりこなさなかったりする。
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それだけなら他の類型ゲームと大した違いはないが、『Driver San Francisco』はそこにさらなる作った連中の正気を疑うようなアイディアをぶち込んできた。
職務中に半死半生となったシリーズ恒例の主人公、刑事タナーに備わった死に損ないならではの特殊能力、それはドライバー憑依。
ゲームがアクティブの間、ターナーの魂はいつでもどこでもワンボタンでサンフランシスコの街を見下ろす鳥の視点となる。
眼下にはそれぞれの理由で街を走る無数のクルマ。高級スポーツカーから配送中のトラックまで車種は様々だ。
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その中から手頃な一台を見つけたらドライバー憑依の出番だ。
ターナーの魂はハンドルを握る見ず知らずな運転手の身体をあっという間に支配し、クルマを自由自在自分のモノにしてしまう。
パトカーで巡回している同僚、ストリートレースを繰り返す日本人兄弟、高飛車な雇い主と寡黙な運転手、横柄な教習所教官に気弱な生徒。街を走るクルマの中にはそれぞれの都合やシチュエーションがある。
そこに強引に割り込んで、タナーの卓越した運転テクニックで手助けをしたりメチャクチャにしたり。
やりたい放題やったあとは、はいサヨナラ後始末は任せたとばかりに、とっとと他所のクルマに憑依乗り換え。
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もう街を走るスポーツカーや高級車を羨む必要はない。ワンタッチ憑依でもうランボルギーニだろうがパガーニだろうが、煮るも焼くも思いのままだから。
この街を走るクルマはすべてオレのモノ。特に高そうなクルマに憑依したときは、いつも以上に無茶な走りをしたくなるのは人情だ。
ワイルドに走り回って少々ぼこぼこになったところで知ったこっちゃねえ。保険くらいちゃんと入ってるんだろ?
高級車から大衆車、ボロ車から公用車と、次から次へとクルマを乗り換えてゆく感覚は、ネットサーフィンならぬクルマサーフィン。
『Forza』や『GT』に出てくるようなクルマはともかく、こんな機会でもなければ、AMCペーサーやオールズモービル・カトラス、ケンワース製タンクローリーのハンドルを握ったり、その内装をしげしげと眺めるチャンスなんて、そうそうありはしない。
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各地に転がるミッションは、絶妙なまでの難易度曲線で、まろやかにその歯ごたえを増してゆく。
その内容もレースにタイムアタック、ハリッキー世界の再現を目論んだスタントチャレンジに、馬鹿馬鹿しくも最高な憑依型クルマタワーディフェンスと、これ以上はないくらいバラエティに富んだ内容。
「バニシング IN 60」の主役マスタング・マッハ1に、ダッジ・チャージャーやチャレンジャー、ポンティアック・ファイアーバードなどの煌めくアメリカンマッスルカーが、人混みをかき分けクルマを弾き飛ばし街を爆走する姿には、「トランザム7000」に「バニシング・ポイント」、「白熱(バート・レイノルズ版)」に「バニシング IN TURBO」など、実際の街中で生のクルマたちがかっ飛んだりひっくり返ったり燃え上がったりしていた、70年代のカースタント映画名作群が否応なしにオーバーラップしてくるであろう。このゲームの最大の目的は、脳裏に焼き付いているこれらの映画を、モニターの上で再現することなのだ。
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そのためにわざわざグラフィックには褪色したフィルム風に黄色を強調。
そしてそれを彩る楽曲群は、アレサ・フランクリンにファンカデリック、ストゥージスらリアル70年代勢に、ザ・ヘヴィーやダートボムズなどの生まれてくる時代を間違えた若年寄たち。
プライマル・スクリームのように、音楽的には70年代とさほどリンクしていない連中にしたって、使われている楽曲はずばり「バニシング・ポイント」にオマージュを捧げた"Kowalski"だ。
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あまりにも大胆でご都合主義で馬鹿馬鹿しくてハチャメチャなドライバー憑依システムを臆面もなく導入したことにより、シリーズに一貫していた70年代カースタント映画をリスペクトする、そのコンセプトの完成形に限りなく近づいたと同時に、オープンワールドという舞台を近年もっとも有効に活用しているゲームとして確たる成功を得た『ドライバー サン・フランシスコ』。
クルマのハンドルを握ることにより課せられる制約を、可能な限り極限まで取っ払ったフリーダムなクルマワールド。
クルマを愛しすぎるあまり、そのクルマが派手にぶっ壊れるところにまでに、あらん限りの情念をぶち込んだ男、H・B・ハリッキー。
彼のスピリットにありったけの敬意をこめて、サンフランシスコの街中を何ものにも縛られず、自由奔放に爆走しようじゃないか。
どうせプレイヤーの立場は刑事だ。反則キップを切る無粋な奴なんていやしないんだから。

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