ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【Fighting Network RINGS】きっかけはポーラ・アブドゥル

   ↑  2017/06/01 (木)  カテゴリー: PS1
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「コッチヘオイデヨ~、WOWOW」
ポーラ・アブドゥルの呼びかけは悪魔の囁きであった。
このCMと共にWOWOWがサービスを開始した時、つい勢い余って加入してしまった粗忽なオレは、24時間テレビの前に張り付いてはいられない事実にやがて気づき、馬鹿でかいデコーダーの前で「このままではとてもじゃないが元は取れない」と途方に暮れていた。
業者もユーザーもまだ手探り状態で進む日本初の有料衛星放送チャンネル。その最初のキラーコンテンツとなったのは前田日明だった。
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人気絶頂にありながらあっけなく三派に分裂してしまった先鋭的プロレス団体UWF。
その状況下でWOWOWは一も二もなく孤立してしまった前田日明を支持。そしてWOWOWによる中継のバックアップを得て、新団体ファイティングネットワーク・リングスが始動。
これに喜んだのは前田信者ばかりではない。一連のUWFブームには背を向けていたオレも、この時ばかりは「WOWOW視聴料の元が取れる!」と、節操もなく喜んだ。
そしてプヲタの飲み会に澄ました顔で現れては、「昨日の前田対ハンク・ニューマン観た? あ、観てないの? そうかWOWOW入ってないんだ」と白々しくアピールしては、ワケも分からず日本に連れてこられたオランダ人柔道家がアキラ兄さんに一方的に蹴られまくった試合を、ムダにドラマチックに脚色して滔々と語るのであった。
まさに"街頭テレビ時代に自前のテレビを持っていた人"の平成版。ポーラ・アブドゥルの口車にも乗ってみるもんである。
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WOWOWの中継フォーマットとリングス興行のコラボレーションは、単なるアマチュアボクサー(ゲオルギー・カンダラッキー)すらも、それなりにキャラの立ったやつにしてしまう魔空間であった(Uインターの無名アメリカ人レスラーたちが、ただの地味なやつで終わってしまったのとは、実に対照的だ)。
オランダの危ないやつ、ロシアの酔っぱらいオヤジ、ブルガリアの力持ち、グルジアの笑っちゃうくらい強かったおじさん(これはグロム・ザザだ)。
なんだかよく分からないけど幕の内弁当みたいに多彩な外国人選手と大黒柱の前田日明。他の日本人は無名の若手ばかり。そしてテレビ局の頼もしい後援。
その陣容は今思えば旗揚げ当初の全日本プロレスと重なり合うのかもしれない。
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テレビ局だけではない。ゲームソフトの分野でもリングスは他のUWF分裂組の上を行っていた。
Uインターやパンクラスがスーファミでコントのようなゲーム(しかもよくよく考えてみればアレらは団体オフィシャルですらない)を出すに留まっていた一方で、リングスは唯一プレイステーション時代に対応。
WOWOWもしっかりクレジットに名を連ねた堂々の団体オフィシャルゲームである。
ポリゴンで再現された登場選手は、前田、長井、ヤマヨシ、田村、高阪、成瀬、ハン、ズーエフ、コピィロフ、フライ、ナイマン、ピータース、タリエル、ゴチェフ。
日本人選手ほぼ全部と、あとは各ネットワークから代表的選手を一揃え。ミーシャとザザがいないのは残念だが、それを望むのは贅沢というものだろう。特にザザは。
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3Dポリゴン格闘ゲーム風の立ち技に、ちょっとぎくしゃくしたグラウンド攻防を折衷した内容も時代的には致し方ない面もあったろう。
ムーブメントしてもゲームとしても、我々が総合格闘技の"次"を手にするのは『Ultimate Fighiting Championship』を待つしかなかった。
これはその総合格闘技革命の幸福な前夜。彩る特典は団体やWOWOWが提供したオフィシャルのムービーや画像。
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特に免許の書き換えみたいなジャパン勢、呑気な観光客のパスポート写真のようなグルジア勢、揃いも揃って収監写真と見紛うオランダ勢と、ネットワークの個性が如実に現れたバストアップ写真や、高阪の乳首を舐める島田レフェリーといったファンシー画像の数々は、往年のリングスファンにとってはもうそれだけで幸せな思い出に浸れることだろう。

 

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2017/06/01 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【祇園花2 金沢文子編】ニチブツのお家芸

   ↑  2017/03/14 (火)  カテゴリー: PS1
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ナウシカやクリィミーマミに酷似したキャラを脱がしたり、PCエンジン初の公式18禁ソフトを送り出したりと、ニチブツは怖いもの知らずなことを平気でしでかすメーカーだが、そのやんちゃ坊主ぶりは、プレイステーション時代に突入しても健在であった。
『ニチブツマージャン女子高名人戦』という、これまたコテコテなタイトルの作品でプレイステーションに参入した同社は、麻雀、花札、競艇など、お得意のオヤジテイスト路線を展開する。
『祇園花』は、そんなニチブツの花札ゲームシリーズだが、特有の投げっぱなしなストーリー設定と、味わい深いキャラクターデザインを別にすれば、非常にオーソドックスな一作目のインパクトが弱かったことを懸念したのだろうか。このシリーズ第二作では、かつてアーケードやPCエンジンで展開した実写AV麻雀路線を彷彿とさせるような路線に切り替えてきたのだった。
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そして看板娘として引っ張り出されてきたのが金沢文子。"かなぶん"の愛称で知られた、この頃人気絶頂だったAVアイドルだ。
タイトルにも堂々と金沢文子の名をフィーチャー。国民機であるプレイステーションに、セクシー女優の名を冠したソフトを悪びれず送り出す。
ニチブツの怖いもの知らずっぷりは、プレステ時代になっても全く衰えしらずであった。
それにしても、よくこのタイトルにSCEがOKを出したものだ。もしかして担当者は"かなぶん"のことを、まるっきり知らなかったのだろうか。
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時間の止まってしまった世界で唯一動ける主人公が、とあるお屋敷に囚われた"かなぶん"を、こいこい勝負で救い出す、缶チューハイの勢いを借りて10秒で考えついたような、相も変わらずニチブツテイスト溢れる設定。
どうして主人公だけが動けるのかという疑問に対しては、"かなぶん"の使いとかいう妙な人形が、「運命だからじゃない?」なんてアバウトな一言で済ませているが、まぁニチブツおやじゲームのいい加減な設定に、いちいちまともな説明や解釈を求めること自体が馬鹿馬鹿しいので、そこら辺は適当にスルーしておこう。
ちなみにナビゲーター人形の"かなぶん"の紹介文句は、「モデルで活躍している子」。
「微妙に違うだろ!」というツッコミがすかさず入ったことは言うまでもない。
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"かなぶん"解放の為に、屋敷の各部屋に待ち構えている住人たちを、こいこい勝負で打ち倒して行くのだが、こいこいってのは実は基本的にもの凄くバランスの悪いゲームだ。
さらに最初の一手で"月見で一杯"なり、"花見で一杯"を揃えて逃げられてしまうなど、CPU側がズルをする余地がいくらでもあるときている。
そんな釈然としないバランスのこいこいに、何とか勝利するたびに手に入るものはと言えば、"かなぶん"の画像一枚だけ。
しかもどの画像も、パジャマやセーラー服着用の、露出度云々以前のシロモノばかり。
「がんばって!」「早く助けに来て。待ってるわ!」程度の、お約束肉声メッセージすらないときている。
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はい、またもややられてしまいました。これはニチブツお得意の、麻雀や花札にセクシー女優の適当な宣材写真やプロモーション映像をくっつけてでっち上げたゲーム。
金沢文子編というサブタイトルから察するに、恐らくこの後も、適当なAVアイドルのプロモ写真を引っ張り出してきて、似たような続編を次々と作ろうとしたのだろうか? 松本コンチータ編とか、朝倉まりあ編とか……。
そんなニチブツの面の皮の厚さ、バッタ商売っぷりは、アーケードゲーム創成期からの老舗の面目躍如とも言えるだろう。

 

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2017/03/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【あいどるプロモーション すずきゆみえ】夢見る社長

   ↑  2017/02/08 (水)  カテゴリー: PS1
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古今東西さまざまなタレントやアイドルがゲームに絡んできたが、ほとんどはネームバリューを買われてのもの。
しかしわずかながらもその逆のパターンもある。
PCエンジンの『みつばち学園』を経てアイドルデビューを果たした井上麻美が代表格だが、さらに最右翼とも言える存在が、初代PSの本作のみにその名をとどめるすずきゆみえだ。
曲がりなりにもアイドルとして活動したのならば、それなりの痕跡があったりするものだが、すずきゆみえに関しては、このゲーム関連以外は、その情報が一切残っていない。むしろ潔いくらいまでに。
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まあ、『あいどるプロモーション すずきゆみえ』がリリースされた頃でさえ、「すずきゆみえ…、誰?」なんてリアクションが出てきてしまうくらい、当時としても泡沫のアイドルだったわけだが、本作の目的は弱小プロダクションの社長として、そのすずきゆみえを国民的アイドルに育て上げること。
今となっては物悲しさだけが残ってしまう目標だが、すずきゆみえにはそれを夢見る権利があったし、プレイヤーにもそれはゲームとして今も残されているのだ。
目指せ、ファン総数1万人! さあ、オレと一緒にビッグサクセスを掴もう、すずき!
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週ごとのレッスンスケジュールを組み、各種パラメータを成長させてゆく、『プリンセスメーカー』や『卒業』以来伝統の育成SLGスタイル。
アイドルをテーマとしているだけに、どうしてもデジャブってくるのは『卒業』の派生作品であるアイドル育成もの『誕生』だが、しかしこの場合は実在のマイナーアイドルがその対象だ。
「オレがこの娘をなんとかしてやらねば!」
そのモチベーションは二次元系育成SLGの比ではないだろう。
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能力が低いうちはひたすらレッスン、レッスン、レッスンの繰り返し。
仕事が入らず先の見えない毎日に、すずきも「社長、もしこのまま売れなくとも、ずっと面倒見てくださいね!」と泣きも入ったりする。
普通こういう場合は「弱気なことを言うな!」的なコマンドが用意されているものだが、あるのは「みる」「みない」「余裕があれば」の三択のみ。
こんなところに社長兼マネージャー1人、タレント1人の弱小芸能プロ気分を、用もないのに感じさせてくれる。
うん、そうだね……、よんどころなくなれば、ダスキンの営業とかスーパーのレジ打ちくらいなら紹介できると思うよ、たぶん……。
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それでも夢を信じてひたむきに頑張っていけば、ぽつぽつと仕事も入り始めてくる。
地方局ラジオ番組のゲスト、Vシネマの端役、デパート屋上の営業、芸能誌のグラビア。営業系の仕事には思い切りぶーたれて気力もぐっと低下するすずきですが、好き嫌い言ってる場合か! 今のところお前には入ってくるカネより出て行くカネのほうが多いんじゃ!
そしてついに入ってきた全国放送テレビの仕事。アイドル水泳大会。
「私の姿、ばっちり映ってました!?」
初の全国ネットにすずきも興奮を隠せない様子だ。うん、たぶん映ってたと思うよ。歌う西田ひかるの後ろの方にピンクサターンと並んで見切れてとかで……。
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この『あいどるプロモーション すずきゆみえ』が育成SLGの隠れた傑作と呼ばれる所以は、その心地よいばかりに澱みないテンポ。
リプレイ性が高いタイトにまとまったゲームバランスの秀逸さもさることながら、さらに驚かされるのは、実写ムービーが頻繁に挿入されるにも関わらず、ローディングをほとんど感じさせずカートリッジROM並みに進行する快適さ。
そしてプレイヤーに語りかけてくるすずきゆみえの実写ムービーも、これまた歯切れがよくプレイのテンポを一切損なわない。
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1年のタイムスケジュールはあまりにも短い。
しかし年度の終わりの方にも入れば、大きい仕事がそれなりに舞い込んでくるだろう。
それと反比例するかのように、今までのムリがたたって低下するすずきの気力やモラル。
「神のお告げが聞こえる」なんてワケの分からないことを言い出したりもすれば、番組をすっぽかすなんてマネまでもやらかしてくれる。
それよりもシャレにならないのは失踪だ。お前は小沢なつきか! 今が一番大事なときだって言うのに!
慌てて興信所に大金払って大捜索。思い出すのは生徒育成SLG『卒業』の家出イベントだが、そんな伝統までしっかり踏襲しなくてもいいのに。全国放送に穴開けやがったんだよ! ダメージがケタ違いなんだよ!
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奮闘むなしく、国民的アイドルどころか今日びの泡沫YouTuberよりも控えめなファン数で1年を終えるオレのすずき。
本人はアイドルの夢を諦めてアメリカ留学、そして社長兼マネージャーであるオレの手元には、多額の借金だけが残ったのであろう。
だけど1時間強で終わるタイトなプレイ時間は、夢を決して諦めさせやしない。さあ、もう1回、さらにもう1回、オレと一緒にトップアイドルを何度でも何度でも目指すぞ、すずき!
そして当の本人が結婚かなんかして、束の間のアイドル時代のことを忘れてごく普通の幸せを掴んでいるであろう今でも、プレイステーションが動くハードがある限り、オレとオレのすずきの夢は今でもモニターの中に輝き続けるのであった。

 

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2017/02/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【スノーマン 日本語版】朗読・竹下景子

   ↑  2016/12/22 (木)  カテゴリー: PS1
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濃緑の帽子にマフラー、リンゴの鼻に炭団のボタン。
この季節になると目にすることが多くなる超ロングセラーのキャラクター、スノーマン。
原作の絵本が登場したのは、まだ英国にパンク革命の残り火がくすぶる1978年。
セリフ無し、絵だけで進行するグローバル性の高さから、瞬く間に世界中で愛されるキャラとなった雪だるま。
1982年にはアニメ化も為されて、こちらもロングセラーとなったが、それと並んで同作マルチメディア化の一翼を担ったのが、この電子絵本版だ。
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絵物語にナレーションを入れて、ミニゲームなどほのかなインタラクティブ性を盛り込んだ電子絵本は、90年代初期から中期にかけてちょっぴり隆盛を極めたジャンル。
原作付きからオリジナルまで様々な低年齢層向け作品が、まだパソコンが我が子の情操教育に活かせるんじゃないかと幻想を抱いていた親をターゲットに発売された。
「スノーマン」の原作者、レイモンド・ブリッグズの著作では、他に「さむがりやのサンタ」が『ファーザー・クリスマス』のタイトルで、やはり同じようなフォーマットでリリースされている。
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ただこの電子絵本、ビデオゲームと同価格帯で出すには、どうしても割高感がつきまとってしまう。
それになんとなく箔をもたせるために起用されたのがナレーションの存在だ。
オタ向け商品であるのならば、この時代なら三石琴乃とか井上喜久子を起用すればこと済む話だが、しかし電子絵本の場合となると、対象となる子供やその親たちには17才のありがたみや神通力は通用しない。
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そしてこの『スノーマン 日本語版』で白羽の矢が立てられたのが女優の竹下景子。
「クイズダービー」"三択の女王"の時代を経て二児を出産、聡明な母親のイメージがついていた頃だけに、うってつけの人選と言えるだろう。
その落ち着きのある声でのナレーションは、わずか十数ページの電子絵本にとってつけたようなミニゲーム、それにアニメ版「スノーマン」の劣化画質ムービーを合わせ盛りしただけの本作に、それなりの付加価値をもたらしている。
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もっともそれが通じたのは、まだどことなくもっともらしい特殊商品的なイメージがあったオリジナルのパソコン版まで。
移植であるこのプレイステーション版ともなると、やはり割高感、コストパフォーマンスの悪さが露わになってしまい、この土俵だったらどうせなら17才の方がいいかもしれないなーなんて思いが先に立ってしまうのであった。

 

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2016/12/22 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【100万円クイズハンター】物欲滾る平日の朝

   ↑  2016/12/13 (火)  カテゴリー: PS1
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時はバブルの萌芽からその終焉にかけて、平日の朝っぱらにはその空気に相応しい物欲が煮えたぎっていた。
それはいつも邪心のカケラもなさそうな初老の男の、緊張感のない掛け声から始まっていた。
「100万円クイズハンタ~~~」
画面に並ぶのは燃え盛る物欲をぎこちない笑顔でオブラートした一般参加者たち。
そしてテレビの前の我々は、彼らがクイズの回答と共に高額商品をやり取りするその様に、「そんな簡単なクイズに答えるだけで、それを貰えちゃうのかよ」と、嫉妬と羨望に悶々とするのであった。
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人間の欲を一箇所に押し込めて蠱毒を始めたような世紀末光景。
それが平和なはずの朝のお茶の間に連日流れていたのだから、バブルというのはつくづく恐ろしい時代だ。
「オレもいつかこの番組に出場し、チョロいクイズに答えて高額商品を根こそぎ家に持ち帰ってやる」
仮病で学校をサボった午前中、テレビでこの番組をぼんやりと眺めては(なにせこの時間帯は他に観るものがない)、いつもそんな野望に燃えていたのだが、残念ながらオレが大人になると同時に、この番組はバブルの恩恵と共に目の前から煙も残さず消え去ってしまった。
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その幻のクイズ番組が唐突に復活したのはプレイステーション。
普通この手のタイアップゲームは、番組が現役の間にリリースされるのが常道だが、ゲーム版『100万円クイズハンター』がリリースされたのは、番組終了から数年経過後という異例のパターン。
懐古趣味というよりは、むしろバブルの匂いだけを嗅がされてそのまま永遠にお預けを食った世代の無念を晴らすためのようなソフトであろう。
平日朝の物欲大祭りを、今度こそ雰囲気だけでも味わってやる!
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ゲームの構成や体裁は、ほぼオリジナルの番組そのまま。そして合間にはご丁寧にCMタイム風の演出まで入っていたりする。
そして番組を仕切るのはもちろん柳生博。
人間の業とはまったく無縁そうな佇まいで一大欲得ショーを中和する。デフォルメされた等身で、その気品の高い笑顔も当社比3倍増しだ。
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だがこの番組の真の主役は柳生さんではなく、出題パネルの裏に隠されためくるめく高額商品。
隣に座る有象無象どもを押し抜けて、なんとしてもこれをすべて持ち帰り、ついでにハワイ旅行もゲットしてやる。
「(ぴんぽーん)もみじ!」「正解です! バナナ1年分、5000円!」「要らんわあ、そんなもん!!!!!!」
実際に貰えないことが分かっているのにここまで激昂してしまうのは、こちらに番組の喜怒哀楽がすっかり刷り込まれているからなのだろう。
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普通のクイズが行われる前半は単なる前哨戦。それまでに各々がキープした商品を奪い合うハンターチャンスからが、この番組の本番。
いいや、奪うんじゃない。これはお前がオレを出し抜いて掠め取った商品を、オレの下に戻しているだけの話だからな。
そんな意気込みも虚しく制される回答。CPUプレイヤーが手にするハンターチャンス。やめろ! オレの高級スーツ27万円相当だけは、頼むからそっとしておいてくれ!
「青の高級スーツが緑の方に移ります」
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今すぐ解答席を飛び越えて緑のヤロウの首を絞めに行きたいところだが、それを押しとどめているのは、これが全国放送だという認識と、あとはコントローラのどのボタンを押してもそんなアクションが出てこないだけの話である。
100万円クイズハンターを知らない世代にとっては、何の変哲もないクイズ番組タイアップゲーム。
しかし直撃世代にとっては、本質である物欲ボクシング部分も忠実に再現した良質の番組シミュレーター。
あの平日の朝、テレビの前で悶々とこじらせていた強欲の行き場がここにはある。足りないのは実際に持ち帰れる商品とハワイ旅行だけだ。

 

この記事に含まれるtag : タレントゲー トリビアゲーム 

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2016/12/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |