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【EAT LEAD マット・ハザードの逆襲】

2019.02.09(17:24) 2808

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そいつの名前はマット・ハザード。8bitドットゲーム時代のヒーロー。つまり、今の時代じゃ全くお呼びじゃない奴。
そんないにしえのヒーローは、大人しく追憶の世界に生きて化石のようなレトロゲームマニアだけを相手にしていればいいものを、のこのこと復権を企むから話がおかしくなる。
すっかり過去の人となっていたゲームキャラが突然華々しい新作ゲームの舞台に引っ張り出される。しかしその裏には恐るべき陰謀が……。
そんなメタフィクション的な流れが『EAT LEAD マット・ハザードの逆襲』のメインストーリー。
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だが"ゲーム役者がゲーム世界のキャラクターを演じている"って設定は、実は結構あちこちで使い古されていて陳腐だ。
古いところでは、鈴木みそのコミックで、零落したブラッキー(居たんだよ。マリオにそんなライバルが)が任天堂の同窓会に出ようか出まいか煩悶するってネタがあったけど、実際この手のメタフィクションは、ブラッキーみたいに本当に存在した奴を使ってなんぼのもの。
「そんなレトロゲームヒーローが存在していたってことで、ひとつ宜しくお願いします」と、端っからこちらに設定の咀嚼を要求してくる時点で、マット・ハザードという存在の煮え切らなさは、早くも露呈しちゃってるのだ。
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この『EAT LEAD マット・ハザードの逆襲』を一番楽しんだのは、開発陣の中の、設定や、ギャグや、パロディネタを考えた連中だろう。
そして肝心のプレイヤーたちは、連中がノリノリで作り込んだネタに、時折笑ったり、無表情でやり過ごしたり、或いは「そんなことよりも、もっと気を遣うべきとこがあるだろう!」と、イライラをぶつけたりする。
そう、確かに『EAT LEAD』には、すれたゲームマニアならば、ついつい反応してしまうようなパロディネタが詰め込まれている。
オレだって、エレベーターの中でローディングが延々と終わらなかったり、今どきのポリゴンキャラが、いきなり『ウルフェンシュタイン3D』に逆戻りしたような世界に放り込まれたときは、思わずニヤリとしてしまった。
しかし、そんなゲームパロディネタの一方で、このゲームはそれ以外のことに全く労力を注いじゃいないのであった。
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このゲームが出た2009年は猫も杓子も『Gears of War』の影響を受けたカバーアクションTPSに走っていた時代。
しかしその大半は当然の如く『ギアーズ』に及ぶわけがなく、逆にカバーアクションの欠点をことさらに際立たさせるものばかりだった。
そしてこの『EAT LEAD』に至っては、タイミングも何もなしに四方八方から敵が出現。
カバーアクションというのは基本的に進行方向に敵が現れるから物陰に隠れて銃を撃つ動作が機能するのであって、それを遮蔽物のこちら側になんの前触れもなしで登場されるのは、もう何かが破綻しているどころの騒ぎではない。
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そんなシステムが崩壊したへっぽこサードパーソンシューターに終始イライラさせられ、ストレスが溜まる一方なこちらの表情はどんどん無表情になり、そして連中渾身のパロディやギャグにも、やがてはピクリとも反応しなくなる。
「JRPGボス戦の回りくどさや鬱陶しさパロってみたよ、ハハハハハ」
追い打ちをかけるのは、勿体ぶったポーズと共に、FF風美形キャラがいちいち体力を回復しまくる、HPが極端にインフレ化した中ボス戦だ。
あのな、パロディってのは百も承知だけどな、こっちはその鬱陶しさを受け止めて攻略しなけりゃなんないんだよ。
こっちの立場じゃ、うんざりするだけで、ちっとも笑えないっちゅうの、それ!
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これでメタフィクション的な構成のゲームネタパロディゲームが、この『EAT LEAD』の他に無いのであったら、まだこちらの評価も甘くなるとこだけど、おなじコンセプトの『The Simpsons Game』という秀作がほぼ同時期にリリースされていただけに、『EAT LEAD』の立場はますます微妙なものになってくる。
はっきり言って、ゲームとしてのデキはもちろん、パロディの切れ味も『The Simpsons Game』の方が遥かに上だ。さらにあっちにはシンプソンズという付加価値まであるし。
駄作として切って捨てるには、ちょっぴり惜しい切れ味が、ところどころ瞬発的に存在するだけに、ギャグやパロディ以外の部分をもう少し丁寧に作ってくれていたらと惜しまれる。
このゲーム、正直な話、予告編を観ている時点が一番面白かったよな。

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【ジェイドエンパイア ~翡翠の帝国~】謙遜は美徳にあらず

2019.02.03(19:38) 2807

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オレの名前は激情のミン。
なんかすぐに癇癪を起こす厄介者みたいな通り名だが、これはあくまでデフォルトのネーミングなので、オレの正しい姿を表したものではない。
こう見えても修行院で崇高なお師匠様から武技のみならず、人としてのあり方を厳しいくらい教え込まれた身だ。自分の感情や欲得を律するすべは、きちんと備わっている。
なに、そうは見えない? お前、疑うのか!? そういうやつはきっちり身体に教え込んでやる必要があるな。ちょっと格斗場まで来い! 嫌だと言っても引きずっていってやる!
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まぁオレなんかはまだマトモなほうで、この修業院にはリトルガオというもっと性根のひねくれた野郎がいたりするんだが、なんかこうお師匠様の指導能力を根本から疑ってしまう話だな。
リトルガオはともかく、オレはお師匠様から特別に目をかけられて指導された人間だろ?
それがこんな険のある性格に育ってしまってるんだから、なんかここよりも便器を素手で掃除させる学校とかに行ったほうが、少しはマトモな人間になったような気がするな。
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オレが自身の性格にどん引いているのにはワケがある。
ゲームでは主人公キャラがセリフの選択でシナリオの分岐や自分のアティチュードを決めていくことがあるが、この『ジェイドエンパイア ~翡翠の帝国~』の場合は、どれを選んでも角が立つことが往々にしてある。
『ときめきメモリアル』に例えると、詩織とデートしたあとに「貴重な休日を潰した代償はあるんだろうな?」「で、いつヤラせてくれるんだ?」「美樹原とかいうお前の友だちに、二度とつきまとうなって言っとけ!」の三択しか出てこないようなもんかな。
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またそのセリフがなんかいちいち癇に障る言い方が多かったりしてな。
たとえ穏当なセリフでもどことなく違和感がつきまとう物言いに、このゲームに出会った当時は物凄く強烈に"異文化としての洋ゲー"を感じたりしたもんだ。
ここまで聞いて「なんかアレっぽいな?」って思った人もいるかもしれない。
そう、アレだ。『Mass Effect』、そして『Dragon Age』。壮大な風呂敷を広げた設定の下で、やることなすこと言うこと角が立つ主人公が、どうでもいい近所の揉め事にいちいち絡んでゆく。
いずれもBioware社制作。会話のボリュームが尋常じゃないRPG三部作。
『ジェイドエンパイア』はその記念すべき第一作といえるポジションだ。
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RPGといえば仲間キャラ。しかし『Mass Effect』や『Dragon Age』と同様、この作品で仲間になる顔ぶれも、どいつもこいつも持て余しかねる問題児ばかりだ。
なんかもうことあるごとにオレに突っかかってくるし、言葉遣いが無性にイラつかせるし、RPGの仲間って、たとえ遠回しにでもオレを程よく持ち上げてくれる役割じゃねえのかよ!
腹に収めるべき言葉は収める。波風立てない。周囲の空気を読んで穏当に。激しい自己主張は控える。
そんな日本人としての美徳……、なんかじゃねえな、物ごとや社会を円満に収める全体主義的小賢しい知恵全否定。
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だが帝国全土に亡霊が溢れ殺蓮団が暗躍する、このご時世に必要なのは、過剰なまでの自己主張なのかもしれない。
だったらオレも開き直って、和製RPGなんかではハナっからチョイスできないような毅然とした態度を貫かせてもらうぜ。謙遜は弱者の言い訳だ!
痴話喧嘩の仲裁してくれ? オレは世界を救う者だぞ!? そんなもん知ったことか、勝手に殺し合え!(真に受けられて死人が必要以上に出てしまいました)。
メインストーリーよりも枝葉のサブクエストのほうが圧倒的に面白いのも、やっぱりBiowareの作法。
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中華武侠RPGを名乗ってはいるが、あくまで欧米人のフィルターを通した中華ファンタジーなのでアジア感は皆無。
そしてアクションRPGの括りに入れられているけれど、戦闘モードのアクションも極めて簡素。
膨大な量の会話によって主人公キャラのパーソナリティや様々なシチュエーションを自前で構築していく。
本作の主をなすこの部分に魅力を見い出せないと、受け手によってはフックの弱い平凡なアクションRPGに留まってしまうのも、後に続く『Mass Effect』らと同様。
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互換対応を経てXbox Oneで動作させると、初代Xbox版をプレイしたものなら驚かずにはいられないハッキリくっきりグラフィックで遊ぶことができる。
そして初代Xbox時には大きなマイナスポイントだった長い長いローディングも、Xbox Oneではこれまたビックリするほど短縮しているぞ。

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【Just Cause】ビバ・レボリューション

2018.11.22(18:29) 2793

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よう、オレはリコ・ロドリゲス。CIAのエージェントにして『Just Cause』シリーズの通しの主人公だ。
タキシードで気取ったイギリス野郎のせいで、スパイといえばマティーニを優雅にあおったり、出会ったばかりの女をいきなりベッドに誘うのが仕事のように思われがちだが、それは大きな誤解だ。
スパイの仕事ってのは、とにかく迷惑を振りまくことに集約される。
どっかでアメリカの意にそぐわない国があれば、乗り込んでそこの厄介者を支援する。
反政府ゲリラでも極右でもマフィアでも、なんだったら酔っぱらいの集団だって構わない。
とにかくそんなイカれた跳ねっ返りどもを適当に焚き付けて、ついでにちょっと手を貸して、その国がアメリカの介入なしじゃ立ち行かないほどの混乱に陥れる。
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まぁしっちゃかめっちゃかにするまでがオレのビジネスだな。
後のことはワシントンでふんぞり返っている奴らの領分だ。地元の人間がどれだけ迷惑を被ろうがオレの知ったこっちゃねえ。
こう見えてもけっこう忙しい身でな。もうすぐ4度目の大きな任務が南米のソリスって国で控えてるんだが、それに合わせてだかは知らないが、オレの記念すべき最初の仕事がXbox Oneに互換対応した。
あれも10年以上前の出来事になるのか。ちょとした回顧録みたいになるが、まぁ少しばかりあのときの話に付きあってくれ。
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当時の世界情勢についてまず少し説明しておこうか。
俗にオープンワールドって呼ばれるジャンルがそれなりに一般化してきて、どこの国もマップの広さを競うのが時流となっていた。
そんな時代にお前行って来いと言い渡されたのがサン・エスペリートって国だ。
南米にあるささやかな群島国家だが、それでも一つの国だ。マップの広さはどのくらいあっただろ? 確か東京ドーム2万個分とか吹いていたんじゃなかったっけな。
そりゃその頃はマップが広ければ広いほど有難がれる風潮はあったけどよ、さすがにそれは広すぎんじゃないかと思ったよ。
なんせ東京ドームを単位に持ち出されるとな。ほら、オレっていつも三塁側4階席から一塁側にある札幌蟹工船に弁当買いに行くだけでへとへとになってるからよ。それの2万倍だぜ!?
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そんなわけで恐る恐る向かったサン・エスペリートだけどよ、スパイの入国常套手段で空からスカイダイビングで訪れてみると、やっぱり目の前に広がる青い海と綺麗なビーチ、一面の青空ってのは気持ちいいもんだな。
なんせそれまでのオープンワールドゲームって、薄汚えダウンタウンとかそんなんばっかだったじゃん?
風光明媚はいいけれど、問題はこのだだっ広い国を巡る移動手段。だけどそれもまあすぐに解決されたよ。
グラップリングフック。そこらを走るクルマにこいつを引っ掛けてパラシュートを開けば、いつでもどこでも自由な空の旅が楽しめる。面倒くさい山や谷もあっという間にショートカットだ。
CIAはいつもドブにカネを捨てるように予算を消費しているけど、まぁこの開発費だけは元を取ってんじゃねえか?
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それにいざとなりゃヘリコプターだってある。
この国の警察はちょっとクルマを擦ったくらいで武装ヘリ持ち出して地上にロケットランチャー乱射するくらい短気な連中だが、まあこれは見方を変えればいつでもどこでもオレにヘリをデリバリーしてくれるようなもんだ。
グラップリングフックでヘリに飛び移って、パイロットさんはちょっと外に出てもらっって、ヘリごっちゃんです! ああ楽ちん。
そりゃ時にはヘリが撃墜されて迎えも来られないようなとんでもない山奥をさまよう羽目になったことも何度かあったが、それも今となっては楽しい思い出だ。
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まあ色々あるけど、なんつってもゲーム全体を貫くおおらかなラテン気質っての?
ミッションはどれもざっくりしてるし、ビークルやNPCの挙動やAIも当時としてもかなり大雑把だったんだけど、それが人がころころ巻き添えくって死にまくるCIAの蛮行を、コントみたいにうまく中和してくれてさ、オレも味方の反政府ゲリラや一般市民を巻き込むことをちっとも厭わなくなったぜ。どうせこの国に長居するわけじゃねえし。
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この良くも悪くもおおらかな部分ってのは、やっぱりこのサン・エスペリートが頂点で、以後のシリーズは完成度の充実と引き換えにそれがどんどん減退しているような気もすんだよな。まあ時代性もあるんだろうけど。
そんなこんなで今となっては懐かしい南米の小国。だけどオレはこの小さいけどだだっ広い国をざっくばらんに巡って、虱潰しに何かをするのがサイコーに楽しかったぜ。
じゃ、またどっかの因業な国で会おうな!
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【Crysis 3】ナノスーツと大風呂敷

2018.11.07(17:36) 2790

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「『Crysis』『Crysis 2』からさらに時は経ち、世界はもっとのっぴきならないことになっていた」
オープニングムービーで語られる"これまでのクライシス"をざっくり説明すると、こんな感じになる。
ごめん、だってただでさえ一作ごとに飛躍しまくる含みの多い設定のうえに、シリーズ作の発売間隔も7年越しになっちゃってんだから、もうホント分かんねえって。
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だいたい話の核を噛み砕いて説明するべき立場にあるシリーズのキーマン、プロフェット(一作目ではリャンシャン島に潜入した特殊部隊ラプターチームの隊長、二作目では主人公のアルカトラズに無理やりスーツを着せて自分はとっとと退場した無責任野郎)が、やたらと秘密の多い男だから、こっちはもうもやもやを持て余してストーリーとかどうでもよくなっちゃんてんだよ!
とにかくスゴい能力を秘めた戦闘スーツの物語。それを着ている当人を操作するプレイヤーも、その時には便利、時には厄介な能力に振り回される。そういうお話だ。
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ダイジェストに続くムービーは、民間軍事企業CELLの艦船に突入する特殊部隊の姿。
それを率いるのは……、外伝『Crysis Warhed』以来の登場となるサージェント・マイク・サイクス、通称サイコ。シリーズの準皆勤キャラクター。
彼らのお目当てはCELLに奪われた例のナノスーツとその中身。中の人はというと……、
「よっ、プロフェット」
これまでシリーズの脇役として、勿体ぶった態度や隠し事だらけの行動で歴代主人公やプレイヤーまでをも疑心暗鬼にさせていたプロフェットが、満を持してこのシリーズ最終作の主人公。
だったらこいつを端っから主人公にしておけ!
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SFシューターサーガとして同じような立ち位置にある『HALO』は、マスターチーフという一貫した主人公がいたから、作品の発売スパンが開いてもまだ一貫性があったが、こちらは一作ごとに主人公入れ替えアンド過去作の主人公使い捨て。プレイヤーだって当然置いてきぼり気味だ。
だったら錯綜するストーリーはとりあえず脇に置いておいて、本シリーズの真の主人公たるナノスーツの並外れた能力を堪能しようとするも、こちらも煩雑でおせっかいな機能がムダについた国産家電化がさらに進行。
バイザーモードは遠くにある敵やアイテムの識別や、地雷原やタレットなどのハッキングを可能にする便利機能。
もっともハッキングは有効に使える局面が限られイライラさせられるばかりだし、アイテムを識別しても拾うためにはいちいちバイザーモードをオフにしなければなんないけどな。
誰かこのスーツ、スティーブ・ジョブスに再デザインさせろ!
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前作でニューヨーク(のみならず世界)が崩壊し、今回の舞台となるのはその廃墟ニューヨークが樹々に侵食されたロケーション。
しかしその魅力ある舞台もわずかな登場に終わり、中盤以降のステージは特徴のない魅力に欠けるものばかり。
広げた大風呂敷を強引に畳みにいったことも災いして、中庸なSFシューター化がより一層増してしまったクライシスサーガの最終作。
サイコをなんとかストーリーに再回収してCryTekとしてはなんとかお話にケリをつけたつもりだろうが、こちらは使い捨てにされた挙げ句、とうとうその名すら語られなくなった1作めの主人公ノーマッドの消息が気になって、もやもやするばかりなのであった。

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【Crysis 2】コンクリートジャングルの捕食者

2018.11.03(17:25) 2789

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密林のプレデターから大都会のプレデターへ。
前作『Crysis』の舞台だったリンシャン島は、設定によると沖縄辺りにある島だったらしいが、そこから巻き起こったエイリアン騒ぎは、もはや全世界を呑み込んだ。
そして舞台は、いつの間にかニューヨークへ。
木々が生い茂るジャングルは、瓦礫だらけのビル群に。白い砂浜と美しい珊瑚礁のビーチは、感染者たちが蠢く下水道に。
コンクリートジャングルに潜むプレデター気分を演出してくれる相棒は、前作からCryENGINEと共にバージョンアップした新ナノスーツ。
しかしストーリー進行の都合上、頻繁に「システム再起動」を繰り返す新ナノスーツに、「このスーツのOSはWindowsMeかよ!」なんて愚痴も、ついつい飛び出してきちゃうのであった。
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そもそもこのナノスーツ、本作の主人公アルカトラズにとっては、何も好きこのんで着たわけじゃない。
前作では意味不明な存在だった、"クライシス サーガの鍵を握ってるっぽい男"プロフェットに無理矢理着させられただけだ。
着てるだけで回りからは不気味がられるし、それだけならまだしも民間軍事企業には親の仇みたいに追い回されるし(人違いだって! オレはそのプロフェットって野郎じゃねえ!)、挙げ句の果てには「この人、歩く死人みたいなものです。スーツの力で生かされているだけです」などと、終末医療患者のように言われてるし。
じゃあ何ですか? このスーツを脱ぐと死んじゃうってことですか? それってまるで「メタルマン」じゃねえか!?
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だけどプレイヤーの立場にしてみれば、このナノスーツは便利で高機能なアイテム。肉襦袢みたいなイケてない外見も我慢できるというものだ。
しかもこの最新版には、戦術オプション表示を始めとして、余計なお世話に近いような新機能もてんこ盛り。
なんか日本の家電メーカーが作る製品みたいだな。そのうち「あと5回引き金を絞るとリロードが必要となります」なんて音声アナウンスとか搭載されそうだ。
ナノスーツの機能をフルに活用して、神出鬼没の立ち回りを構築するのは相変わらず楽しいんだけど、その一方で『Crysis 2』は、前作に色濃く残されていた初代『Farcry』的なテイストが大幅に減退しちゃっている。
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それは単に舞台が南の島から大都会に移ったからだけではない。
初代『Farcry』や『Crysis』前半のフィールドが広大な正方形だとしたら、この『2』のそれは縦長の長方形。
プレイヤーに与えられた裁量の範囲が、だいぶ狭まり、レールライド型のゲーム進行に少し歩み寄った構成になっている(この転換は、前作のスピンアウト『Crysis Warhead』からも窺えたが)。
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Crytekという会社を鮮烈にイメージづけた、そんな『Farcry』らしさの喪失と引き替えに手に入れたのは、目の前で展開するニューヨーク大崩壊のビジュアルを始めとしたシネマティックな展開と、格段にとっつきやすくなったプレイフィール。
良くも悪くも角のないフツーのサイエンスフィクションFPS大作になってしまった、クライシスサーガの第二弾。
その是非は置いといて、いたたまれないのは、急展開するストーリーに存在を顧みられることもない、前作の主人公ノーマッドとサイコの二人なのであった。

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  1. 【EAT LEAD マット・ハザードの逆襲】(02/09)
  2. 【ジェイドエンパイア ~翡翠の帝国~】謙遜は美徳にあらず(02/03)
  3. 【Just Cause】ビバ・レボリューション(11/22)
  4. 【Crysis 3】ナノスーツと大風呂敷(11/07)
  5. 【Crysis 2】コンクリートジャングルの捕食者(11/03)
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