ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【Sherlock Holmes: Crimes & Punishments】シャーロック・ホームズ 罪と罰

   ↑  2017/04/22 (土)  カテゴリー: XBOX ONE
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じろじろじろ。関係者の風体を容赦なく舐めまわす無神経な視線。
こいつは手がささくれだってるから労働者階級だ。こいつはボタンが一個千切れているまんまだから貧乏人だ。
とかく名探偵というのは性格が悪い。
いや、単に性格が悪いだけではない。そのほとんどはもはや人格破綻者の域に達している。
この世でもっとも有名な探偵シャーロック・ホームズは、その典型的なサンプルみたいなもの。
関係者の全身を執拗に観察して人物や生活を推察する、そのクセ推理の進行には直接的な関わりはまったくないパートは、名探偵の持って底意地の悪さを端的に表現しているだろう。
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エルキュール・ポワロからナンシー・ドルーまで。
海外では著名ミステリを原作としたアドベンチャーゲームが昔から盛んだが、その中でも横綱級はやはりシャーロック・ホームズ。
そして素材の味に逆らわないよう、ひたすら地道な推理ADVの路線を追求してきたFrogwaresの一連のシリーズは、さらにその王道だ。
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同社の最新作『シャーロック・ホームズ -悪魔の娘 -』はPS4で日本国内版もリリースされたが、どことなくハリウッドに濾過されたような刷新ホームズキャラクターと、過去のシリーズ作では見られなかったスペクタクルな展開に違和感を覚えた人も少なくないかもしれない。
これも時代の流れと言ってしまってはそれまでだが、そうなると余計に意味を持ってくるのが、ゼロ年代ですらいささかアナクロがかっていたキャラクター造形とゲーム進行をそのまま継承した最後の作品となるかもしれない、前作の『Sherlock Holmes: Crimes & Punishments』である。
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6つの事件で構成されたこのゲーム。
そのうちの3つ、The Fate of Black Peter(ブラック・ピーター)とThe Abbey Grange Affair(僧坊荘園)はシャーロック・ホームズ短編の、The Riddle on the Rails(消えた臨急)は非ホームズものの、それぞれコナン・ドイル作の原作を下にしたチャプター。
これらは基本的に原作をなぞる形になっているからか、ボリュームから事件解決に至る流れまで比較的あっさりとしている。
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これに対してシリーズで養ったノウハウをたっぷりとぶち込んでバラエティのある展開に仕上がっているのが、単なるサウナでの殺人がやがて古代神教遺跡巡りに発展するThe Blood Bath、王立植物園を舞台植物うんちくまみれになるThe Kew Gardens Drama、毎度おなじみホームズの使いっ走りウィギンズの依頼を受けてロンドンの薄暗い貧民街路地を徘徊するA Half Moon Walkの、3つのオリジナルシークエンスだ。
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事件可視化システム、愛犬トビーを操作しての匂い追跡、血液から金属まで様々な証拠を鑑定する実験台パズル、アリバイ洗い出しタイムテーブル作成、関連文献の検索、死体解剖など、各章ごとに手を変え品を変え挟まれるバラエティ豊かなパート。
その積み重ねで手に入る事件の各要因を紐付けして真相の輪郭を浮かび上がらせるのは、推理という概念を巧みに抽象化した、ゲーム全編を通じて軸となるシステム。
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いかにも神経質で底意地の悪さが全身から漂ってくるようなホームズの造形もそうだが、それよりもお約束なのは、ゲームの9割がたを単なる置物として(残りの1割はホームズの実験台)過ごすワトソンのキャラクター。
やはりこれくらい鈍でないと、ホームズみたいなとことん性格の悪そうな奴の友だちはやっていられないってことなのだろう。

 

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2017/04/22 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Undercover A.D. 2025 Kei】大沢在昌とドリキャスの邂逅

   ↑  2017/03/23 (木)  カテゴリー: ドリームキャスト
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ゲーム好きを標榜する小説家は多い。しかしその立場は一介のゲームファンに留めておいた方が本人のためでもファンのためでもある。
せいぜい宮部みゆきのように推薦コメントを寄せるとか、あるいは赤川次郎のごとくノベルゲームの原作者にしておくのが無難だ。
間違ってもゲーム制作に深く関わらないことだ。下手にネームバリューがあれば、宣伝やらパッケージやらに名前を大きく出されてのっぴきならないことになる。
それが良ゲーだったらいいだろう。でもそうは行かないのが世の中だ。そう、直木賞作家の大沢在昌だって。
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西暦2025年。財政破綻した東京はゴーストタウン化が押し進み、それに乗じた中華系やロシア系などの犯罪組織が根を伸ばす多国籍犯罪都市と化していた。
そして犯罪模様がグローバルになれば、それに対抗する警察組織も多国籍化する。
警視庁刑事、鮫島ケイ(大沢作品では由緒ある苗字だ)の公私共の相棒は中国人。
この美人刑事の声の担当は勝生真沙子。外画などを中心に活躍する、仕事ができるがちょっと険のあるクールビューティをやらせたら一品の声優。
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ここまでは大沢在昌ワールドのイメージを損なわない対応だ。
しかしいきなり不安を掻き立てるオープニングムービーに続いて、主人公の刑事コンビがマネキンのように無表情無躍動で突っ立つカットバックシーンに、こちらは早くも「おい、大丈夫か、これ?」という疑念を、なぜか大沢在昌にぶつけたくなるのであった。
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ちっとも大丈夫じゃなかった。
謎のテロリストに占拠されたビルの中でおっ始まったのは、不穏なイントロダクションからなんとなく想像がついた、劣悪極まりない操作性と、とてもじゃないけど付き合いきれないカメラワークで展開するへっぽこバイオハザード。
『リング』に『七つの秘館 戦慄の微笑』など、ドリームキャストは「ずばりバイオハザードみたいなことをやりたかったんですが、ぶっちゃけ全然できませんでした!」な作品の宝庫だが、『Undercover A.D. 2025 Kei』は、その中でもエース級のヘボっぷり。
そしてちっともままならないキャラクター操作と、泥縄という言葉すら生温いぐだぐだなゲーム展開に対するプレイヤーの怒りは、これまたなぜか大沢在昌に向けられるのであった。
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なにせ大沢在昌しかウリがないようなゲーム。
ストーリー原案を提供したら原型を留めずに戻ってきた先生にとっては、およそ理不尽な話かもしれないが、パッケージからプロモーションまで、大沢在昌の名前が製造責任者のようにプッシュされてているのだから、諦めてもらうほかはない。
『バイオハザード』のロケットランチャーに相当するクリア特典は、「ゲーム中で大沢在昌、宮部みゆき、京極夏彦に会える」。
ここでもダシにされる大沢先生とお友だち。
しかしこの大極宮をあげてのサービスも、こちらは「ゲームの中で先生方に会えたとしても、一体どうしろと……」と、ただ困惑するしかないのであった。

 

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2017/03/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【天城紫苑】名探偵松本コンチータ

   ↑  2017/03/16 (木)  カテゴリー: セガサターン
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金田一二三(きんだいちふみ)は、人気ミステリ作家。
彼女はフィクションの世界に留まらず、その卓越した推理力で実際の事件も何度も解決に導き、現在では作家業と探偵業を両立させているスーパーレディーなのだ。
彼女を演じるのは松本コンチータ。AV女優としての代表作は「ベロリン、天使の舌」。
マルチエロアーティストを名乗りジャンルを超えて活躍したコンチータに対して、もう一人のメインキャスト、老舗旅館の女将役の冴島奈緖も、ミュージシャンやライター業など、やはり幅広い活動で知られた方。代表作は「乳輪火山」。
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金田一先生とこの女将は、なんでも古い知り合いか何かで、女将の切り盛りする旅館、天城荘の60周年記念パーティーに先生が助手と共に招かれる、というのが事件の発端。
そう、プレイヤーは金田一先生自身ではなく、先生の新米助手。
そこで起こる殺人事件。急な悪天候。「たった一本しか無い道がガケ崩れで埋まりました! ついでに電話も通じません!」の、あまりにもベタベタなお約束展開。
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そして事件の真相以上に恐ろしい、金田一先生の名探偵ぶりの真実を、自ずと知ることになるのだ。
何せ旅館についてから先生がしていたことと言えば、自室で呑気にお茶をしているか、或いは自室に重要容疑者の一人を引っ張り込んで乳繰り合ってるくらいのこと。
そんなお気楽ご気楽な先生を尻目に、哀れ助手であるプレイヤーは、こちらを無表情にさせるおちゃらけテキストで強引に水増しされたシナリオを駆けずり回って、聞き込みや証拠集めという名のフラグ立てに奔走する羽目になるのであった。
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いや、でもこの世界にはアームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)という言葉もあるくらいだ。きっと先生もその一人なんだろう。
そう信じて旅館の中を右往左往し、いよいよクライマックス。ロビーに集められた事件の関係者一同。さぁ、お膳立ては揃いました。先生、一つバシッと名推理をお願いします!
「そう?では犯人が誰なのかを君が指摘してみなさい。」
……え?……いや、まぁ犯人はXXXではないかと思うのですが。ぶっちゃけた話、物凄いバレバレの犯人でしたし。
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「そういうわけで犯人はXXXさん、貴方です!」
ちょっと待てやぁ先生、そりゃねえだろう!美味しいとこだけ獲っていくんじゃねえよ!
じゃ、じゃあ犯行の経緯とか全部あんたが説明してみろよ。部屋でずっとお茶してたあんたには説明できねえだろ、おい!
「さすがは先生。こうなったら何もかも正直にお話いたします」
あんたが喋るなや!それにさすがなのは先生じゃねえだろう!
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事件解決をほとんどプレイヤーに丸投げな先生の役割はと言えば、18才以上推奨レーティングに沿った、今どきの中学生でも欲情しないような微エロサービス。
そしてプレイ中に入手できるエクストラアートワークは、松本コンチータ画伯による絵画やプライヴェート写真。
「2時間ドラマ風旅情サスペンスの線を狙ったんですが、プロローグ過ぎたあたりでもうどうにもならなくなりました」レベルのシナリオを、役者の大量動員と松本コンチータ推しで無理やりソフト化したような一本。
そして肝心のコンチータ金田一先生も、業の深い顔立ちとナチュラルにビブラートする声がはまりまくった、女将役冴島奈緒の生真面目な役どころに食われまくり、このサターンが生んだゲームオリジナル探偵は、わずか一作だけで退場を余儀なくされてしまうのであった。

 

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2017/03/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【The Wolf Among Us】現代的に正しいおとぎ話

   ↑  2016/12/11 (日)  カテゴリー: XBOX ONE
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おとぎ話の世界はしごく単純だ。そこでは道理も幸福も常に分かりやすく相対化される。
だけど世俗にまみれてしまっては、そうは単純にはいかない。
フェイブルタウンは現代社会の片隅にひっそりとある、おとぎ話の登場人物がその姿を変えてひっそりと住まう場所。
だけど現実での暮らしは、かつて呑気に過ごしていたおとぎ話の国と違って楽なもんではない。
人魚姫は売春宿に身を沈め、豪奢な暮らしが忘れられない美女と野獣は、連れ込み宿のフロント係の収入を家賃の足しにしている。
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かつては英雄扱いされていた"赤ずきん"の猟師も、この世界ではすっかり酔っぱらいの穀潰しだ。
ではその猟師に煮え湯を飲まされた悪い狼は?
彼の名前はビグビー。今ではフェイブルタウンの"シェリフ"として、寓話の人々の秩序や掟を守るために、ドブに手を突っ込むような仕事に忙しい。
色んなおとぎ話にまたがって畏れられた悪い狼には相応しい稼業かもしれない。
だけど猟師や三匹の子豚に、いつまでも過去のことでグチグチ絡まれるのだけは、ホント勘弁してほしいところだ。オレがお前の家を壊して兄弟を食っちまったのは、はるか昔の話じゃねえか。
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現実社会は世知辛い。そして寓話の世界と違って物事は常に複雑に入り組んでいる。
日々の生活とフェイブルタウンの掟に挟まれて鬱屈を溜めこんでいる住民たちを相手にするのは楽じゃない。
リュウ・アーチャーやアルバート・サムスンよりも、はるかにハードボイルドな毎日だ。
そこに舞い込んできた一大事件。事の起こりとなった売春婦の生首は、ご丁寧にもビグビーのアパートの前に転がされていた。
そしてそれをきっかけにビグビーは、フェイブルタウンの闇にうごめく歪んだ現実と否応なしに向き合ってゆくことになるのであった。
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ビル・ウィリンガムの人気コミックと、前作『Walking Dead』でインタラクティブストーリーテリングの手法確立させたTelltale Gamesのコラボレーションは、ちょっぴり奇妙ながらも正統派のハードボイルドミステリ。
鋭い牙と光る眼、寓話の狼の本性を内に抑え込みながら(それが開放されるのは、主にQTEパートだ)、ビグビーが向き合うのは、社会の深淵とその汚濁。そしてそれに振り回され囚われ続ける人々の哀しみ。
この一見猟奇的な連続殺人事件がビグビーの下に転がり込んできたのは、決して偶然ではない。
おとぎ話でさんざん悪さを繰り返してきたビッグバッドウルフは、誰よりも人の心の痛みや呻きに敏感な男なのだから。

<国内ストア未発売>

 

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2016/12/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【大正浪漫事件簿】不変のマリンハート流儀

   ↑  2016/04/26 (火)  カテゴリー: PCゲーム
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先日ついに著作がパブリックドメイン化された江戸川乱歩のデビュー短編「二銭銅貨」が世に放たれたのは、関東大震災が起こる大正12年のこと。
大正末期から昭和初期にかけての時代は、日本に於けるミステリ小説の黎明期でもあるのだ。
そのためか今でもこの時代を舞台にしたミステリ作品は数多く、ゲーム世界とてその例外ではない。
現在でもモバイルなどで復刻されている藤堂龍之介シリーズはその代表格だし、TOKIOの松岡君主演でほんのちょっぴり話題になったPS2の『玻璃ノ薔薇』も、やはりその時代を舞台にしたミステリADVだ。
なんとなくゴシックめいた"本格"の香りを醸し出せてしまうのが、この時代が舞台背景として重宝される大きな理由の一つだろう。
そしてそんな便利な素材を"BLゲーム界のトロマ"と畏れられたあそこが見逃すわけがなかった。
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マリンハート。その名を聞いただけで「うあー」と脱力するお姉様がたも数多かろうと思うが、ここはある時期にかけて"月刊マリンハート"と称されるほどのハイペースでBLゲームを粗製濫造……、あ、いや、量産しまくっていた名物メーカーであった。
ここのスタイルは呆れるくらいに一貫している。
スペースオペラ、時代劇、学園モノ、中世ファンタジーなど、大雑把な輪郭の掴みやすいジャンルをテーマに据えたら、あとはそれを考証とかジャンルに対する細かい理解なんかを思い切りかっ飛ばして、ざっくりとしたイメージだけで一本のゲームにでっち上げる。
スペオペだったら宇宙船みたいなのが出てくるとか、時代劇だったらみんな着物を着てるとか(ちなみに着物の描写とかはめちゃくちゃ)、とりあえずそんなレベルでここのジャンルものは成立しちゃっているのだ。
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そんなマリンハートのBLゲームに、きめ細かいキャラクター構築だとか心理描写だとかを、もちろん期待してはいけない。
まるでヤンキーカップルの痴話喧嘩のようなどうでもいい恋愛劇と下世話なエロシーン。これらが上っ面だけのスペオペやファンタジーにどすんと放り込まれて、今月の月刊マリンハートのいっちょう出来上がりだ。
シチュエーションは変われどやってることは毎回同じ。まるで「8時だよ全員集合」のコントだが、あんなありがたいものでないことは、改めて言うまでもないだろう。
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破綻しまくりで必然性のまるでないシナリオ、シェイプし過ぎのボリューム、質素なグラフィック、そして漏れなく付いてくるバグ。
逆ブランドイメージをしっかりと確立させて微塵も揺るがないマリンハートに、論理的な整合性を要求されるミステリは、およそ手に余る素材である(むしろここの手に余らない素材を探すほうが困難だ)。
しかし鉄面皮さでも他には引けをとらないマリンハート。
大正の都下で頻発する猟奇事件。そして恋人である小説家の失踪を機に、軍人が暗躍する陰謀に巻き込まれてゆくメインストーリーも、相も変わらずそれを収束しようという気がマリンハート側にさらさら無いので、オチも大団円もなしに無残に放置されるのであった。

 

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2016/04/26 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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