ボンクラ360魂Xbox Oneとの蜜月の日々 

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【Haunted House】ぼっち・イン・ザ・真っ暗闇

   ↑  2016/12/08 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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『Haunted House』は、かつてATARI2600でリリースされたホラーアドベンチャーのプロトタイプ的作品。
燃焼時間に制限のあるマッチの灯りを頼りに、真っ暗闇や洋館の中を彷徨う幽霊やコウモリを避けながら、鍵を手に入れて脱出する。
非常にシンプルなゲームだが、まるで原始人の壁画のようなグラフィックながらも、灯りがないと自分の周囲の様子が全く把握できないアイデアが秀逸に消化された作品だった。
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そんな元祖"アローン・イン・ザ・ダーク"が、XBLAで唐突にリメイクされたのは2010年のこと。
この頃のアタリは何故かアタリクラシックのリメイクに熱心で、本作の他にも『Star Raiders』や『Yar's Revenge』の現代版を矢継ぎ早に登場させていた。
中には『Yar's Revenge』のように、元のゲームとは似ても似つかないような、タイトルだけのリメイクもあったりはしたが、このリメイク版『Haunted House』は、オリジナルにかなり忠実な内容だ。
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兄妹どちらかのキャラを選択して、訪れたのはお祖父ちゃんゆかりの古い屋敷。
今はもう住む者もなく、あちこち荒れ果てて灯り一つないこの館で頼りになるのは、携帯電話の頼りない輝きのみ。
しかし開始早々、この唯一の照明器具を幽霊にパチられてしまったから、さあ大変。
魑魅魍魎が蠢く呪われた館の中で、ぼっち・イン・ザ・真っ暗闇状態になってしまった兄妹は、屋敷のあちこちで手に入るマッチやランプやたいまつといった照明器具を取っ替え引っ替えして、魑魅魍魎たちから逃げ惑いながら鍵を探し、次なるフロアへと脱出を目指す。
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オリジナルの『Haunted House』は、闇と灯りを黒ドットとカラードットの二色でシンプルに表現していたが、リメイク版は、その部分が大きく進化。
一口に灯りと言っても、その種類によって明るさや持続時間、灯火の色は多種多彩。
もっとも簡単に入手できるマッチは、照らす範囲も狭ければ、あっという間に燃え尽きてしまうが、ほぼ無尽蔵に供給されるようなもんなので、これさえ絶やさず補給しておけば完全真っ暗闇の事態だけは。なんとか避けることができるだろう。
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時間が経てば燃え尽きたりバッテリー切れを起こしたりする手持ち照明よりも頼りになるのは、屋敷のあちこちに散在する暖炉。
ここに火を灯せば、それは半永久的な灯りとなってくれる。そして暖炉の強力な輝きは兄妹を追い回す魑魅魍魎どもを遠ざけるから、避難所としての暖炉確保は最優先すべき事項だ。
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逃げ回りつつ鍵を探し脱出する。ゲームの根幹部分は、オリジナルからほとんど変わっていないプリミティブなもの。
こちらから魑魅魍魎に対してポジティブなアクションを仕掛けられる新要素や、比較的明るめで灯り無しでも周囲の状況がなんとなく把握できてしまうステージビジュアルは、"暗闇の前に無力な人間"という基本コンセプトからすると、ちょっぴりおせっかいだが、そこは最初の画面明度調整で画面設定をなるべく暗めに設定することで対処しよう。

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【Alan Wake】静と動のコントラスト

   ↑  2016/04/09 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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そいつの名はアラン・ウェイク。職業は作家様。
因果な商売だが、幸いにも気の優しいよくできた女房と、ちょっとお調子者だけど人の良い友達に恵まれて、どうにかこうにかやっている。
そいつが静養先のブライトフォールズという小さな田舎町で出会したのは、行く先々に書いた憶えのない原稿の断片が落ちている、まるで締め切りに追われた遅筆作家の妄想みたいな不条理な悪夢。
小説の世界において作家は全能の神だ。誰かを活かすも殺すも、どんなご都合主義や道理の通らない展開も、タイプライターの上ではすべてが思うがまま。
だからそんな不条理な悪夢も、アラン・ウェイク作である限りはすべてが自業自得でしかない。
クリエイター様におこる悲劇というのは、つくづく人の同情を引かないものだ。
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このゲームのプロットは、スティーブン・キングや、D.R.クーンツあたりが、マジで書きそうなB級通俗ホラーそのもの。
『Alan Wake』は、そんなB級なプロットを、A級のプロダクトデザインで織り上げてしまった、とても贅沢なゲームだ。
ホラーとゲームは、実はとても相性が悪い。
どれだけ人知を越えた不条理な存在が登場したとしても、それがプレイヤーが乗り越えるべき対象となったとたん、それはたちまち数値で解析されうる、不条理や恐怖とはおよそかけ離れた野暮な攻略対象となってしまう。
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『Alan Wake』も、その部分は例外ではない。
あらゆる要素が贅沢なまでのクオリティを誇るこのゲームは、その戦闘パートも程良くタクティカルにまとまっていて、適度なやり応えに満ちている。
また闇の手先を倒したときは、ちょとした爽快感すらあるほどだから、本来ならば、畏怖し忌避する対象であるはずの闇に支配されしものたちが、むしろ「もっと出てこい」と待ち望んでしまうような、チャレンジし甲斐のある対象になってしまっている。
丁寧に作られたがために、ゲーム的なカタルシスを必要以上に孕んでしまった、そんな夜のパートに代わって、この『Alan Wake』を、そこそこよくできたアクションゲームから、極上のホラーサスペンスに引き戻してくれるのが、美しい自然に囲まれた田舎町で静かに淡々と展開する昼のパートだ。
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闇が実体化して襲い来る夜のパートが動ならば、闇が訪れる予兆を描く、平穏の陰に禍々しさを孕んだ昼のパートは静。
闇と光、そして動と静、二つのコントラストが絡みあい織りなすドラマこそが、この『Alan Wake』の真骨頂。
そしてただ歩き回るだけで、ともすれば冗長さに陥ってしまいそうな静のパートを、穏やかな緊張を感じさせるものへと押し上げているのは、まるで息づいているかのように作り込まれたブライトフォールズの街と、細々とした部分まで練り込まれたインタラクティブな演出の数々。
冒頭、ウェイク夫妻がブライトフォールズを訪れたとき、ダイナーでジュークボックスから"ココナッツ"をかけ、そして店の奥に進み闇と最初の遭遇を果たし、その白日夢のような一瞬から一歩ずつ現実の世界にもどるとき、さっきかけた"ココナッツ"が少しずつフェイドインしてくる。
あの練り上げられたイントロダクションのワンシーンに、『Alan Wake』のもっとも魅力的な部分が凝縮されているといってもいいだろう。
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それがクライマックスを迎えるのが、ゲームの中盤、アランがハートマンのクリニックに身を寄せるパートだ。
今までのことはすべてがこの男の狂気の産物なのではないかという疑念を、プレイヤーがアランに抱き続ける中、小春日和の日差しの下、アランの静かなクリニック内探索は淡々と続く。
そして、悪天が近づき、空が少しずつかき曇る中で、アンダーソン兄弟との再会から急転直下、アランとプレイヤーは闇の真相に近づくことになる。
自分が操作しているキャラクターが狂人かもしれないという疑い。そんなもやもやが「イカれた世界はイカれた奴じゃなきゃ理解できない」の一言で、たちまち霧散する、あの一連の流れには思わず身震いした。
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老いたヴァイキングメタル野郎のあの一言は、どんな強力なライトよりも強く、闇の中に光をもたらした。
その瞬間、プレイヤーは初めて、それまで感情移入を全く阻んできた、アラン・ウェイクという鼻持ちならないヤッピー野郎と一体になれるのだ。
終わりなき悪夢の中、暗闇のずっと向こうに浮かぶ、あのほのかな光まで、共に歩みを進めるために。
夢の中で 君と共に歩む この夢の中ならば 僕たちはずっと一つでいられるんだ <Roy Orbison - In Dream>

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2016/04/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Alan Wake's American Nightmare】螺旋世界のアラン

   ↑  2016/03/10 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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操作やゲームシステム、設定や世界観への慣れと習熟は、未知なるもの、異型のもの、不慣れな事象に対する恐怖を減衰させてしまう。ホラー系のシリーズゲームが抱える宿痾だ。
『バイオハザード』に『サイレントヒル』、数多のシリーズが作を重ねるごとに、恐怖感の喪失という問題にぶち当たってきた。
ましてや主人公が変わらないのであればなおさらだ。
XBLAでリリースされた『Alan Wake's American Nightmare』は、2010年のホラー大作『Alan Wake』のスピンアウト的続編。
当然その主人公も、前作と同じく職業作家アラン・ウェイクさんだ。
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冒頭、唐突に始まる闇に獲りこまれた者たちとの戦闘。
闇の者は光を恐れる。懐中電灯の光で闇の衣を引き剥がして攻撃。そんな流れも前作をプレイした人間なら、もはや恐怖を伴わないルーチンワークとなっているかもしれない。
それを知ってか知らずか、アランさんはこの降って湧いたシチュエーションを、「ああ、またこれね」と、開き直って受け入れるのであった。
だってどうせ諸悪の根源は、またオレが綴った原稿っぽいし。ああ、もう創作者に心休まる時なんてないってえの。
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傍迷惑な創作者さまのエゴと妄言、そこから生まれるダーケストジャーニーに付き合わされる新たな舞台はアリゾナの片田舎。
そして今回、アランさんの前に立ち塞がるのは、闇の使者ミスター・スクラッチ。ひっかき傷の憎い奴。
姿かたちもアランさんと瓜二つなこいつは、要はアランさんのもう一つの人格みたいなものだ。
前作でアランさんの鼻持ちならないヤッピーぶりを、さんざん目の当たりにしているこちらからすれば、このミスター・スクラッチのサイコパスな振る舞いも、ちっとも不思議じゃない。
アラン、もう一人のお前だ。自己責任できっちりけりを付けろ。今回も全くプレイヤーから同情されないアランさんだが、それは自業自得ってやつだ。
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戦闘パートのマンネリ化を、アラン自ら「これはお約束みたいなもんだから」と開き直って受け流す。
それにモダン・ホラーとしての『Alan Wake』の真骨頂は、その物語構成にある。
じれったいテンポで展開した前作から一変、今度のそれはハイスパートの螺旋構造だ。
モーテル、油井、観測所、ドライブインシアター。ループする舞台で何度も出会うこととなる、お馴染みの人物にてお馴染みの死体。何度も何度もお騒がせしてすいませんね、また鍵を貰って行きますね。あ、それから成仏してください。
手順だってループする。バッテリーを装着して、バルブを回して、CDをかける。この流れは頭に叩き込んでおいて損はない。
なんでこんな回りくどいことを、毎回いちいちやらなきゃならないかって? 原稿に書いてあるからだよ! あ、それから忘れちゃいけない。CDをかけたら、後は全速力で走れ!
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循環する時系列にアランさんも他の登場人物も、みんな妙に物分りが早い。そのうち状況説明だって省かれるし手順だってショートカットされる。
ご都合主義? 小説世界の中でその指摘は、カラスに「お前は黒い!」って言っているようなものだ。
創作者アラン・ウェイクは万能の神。この世界はアランさんのご都合次第でどうにでもなる。
そして起承転、起承転で延々と続く時間に結をつけるために、懐中電灯片手にアランさんは螺旋の中をぐるぐると巡る。
そしてこの慣れと習熟を逆手に取った不思議な螺旋の物語に終止符を打ったとしても、アランさんに心休まる日は来ない。
「ナイトスプリングス」は一話完結の連続ドラマ。今回のことがまるでなかったかのように、次にはまた新しい悪夢の世界に投げ込まれるのかもしれないのだから。

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【Condemned: Psycho Crime】コンデムド・サイコクライム

   ↑  2016/02/15 (月)  カテゴリー: XBOX 360
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銃は便利だ。殺人に伴う罪悪感や葛藤もちょっぴり和らげてくれる。
嫉妬や激情の力でも借りないかぎり、人の体に直接手を下して殺めるのは、とてつもなくヘビーで精神をざっくりすり減らす行為であろう。
たとえゲームというフィクションの中でもそうだ。
『サイレントヒル』でバールを片手に、看護師だったみたいなクリーチャーや、子供だったみたいな魑魅魍魎を前にしたとき、思わず泣きたいような気持ちになったのは決してオレだけではないはずだ。
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そしてオレは今、壁からもぎ取った水道管を手に、薄暗く荒れ果てた廃墟の中をブルーな気分で進んでいる。
実銃の台尻など触ったこともないが、水道管の手触りと、これを人の頭に振り下ろせばどうなるかの感触は嫌というほど分かる。
レンチに角材にコンクリ断片付き鉄筋、身の回りにもいくらでもある鈍器の数々。
どうせ鈍器なら、せめてどこかにグラビティハンマーの一つでも転がってないだろうか。
目の前に飛び出てきたエリートをスコーンとハンマーでクリーンヒット。宙に舞い上がるエリートの姿に思わず大爆笑。
ああ、そんな絵空事じみたファンシーなFPS世界に戻りたい。
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そんな願望とは裏腹に目の前に現れるのは、昼間のガード下をカップ酒片手にうろうろしているのが似合いそうな、なんとも生々しい"ちょっとおかしな"人たち。
オレを仕留めてくれと言わんばかりに飛び出し来るような敵キャラクターという名のターゲットモブじゃない。
柱や暗がりに身を隠し、息を潜め、こちらの様子を伺い、生身の人間のような反応を見せてくる。
こっちの武器も鈍器なら、連中の武器も鈍器。
意を決して薄暗がりから飛び出した両者が、鉄パイプや角材を相手が動かなくなるまでその脳天に振り下ろす光景は、第三者の目から見たならばドン引きすること間違いなし。
がくっと膝をついたジャンキーめがけて、ガス管を何度も何度も振り下ろす。
人が人を殺める手段に上下もクソもないのだろうが、しかし撲殺というのはその中で、もっとも野蛮な響きを持つ手段であることは間違いない。
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『HALO』や『Borderlands』をプレイしているときとは全然違う、こんな陰々滅々な気分で歩みを進めるのは、オレがもうこの陰惨な連続殺人事件の醸しだす嫌な雰囲気に、蜘蛛の巣のように絡めとられてしまっているからだ。
シリアルキラーの生々しい犯行の痕跡を、ひたすら後追いする道中。
指の一本欠けた掌紋、壁にしみこんだ返り血、死体を引きずった後、……オレは一体なんでこんなもんを、好き好んで追跡してるんだろう?
そんな陰鬱な舞台、陰惨な事件に華が存在する筈もなし。
こちらの方がこのコンデムド唯一のヒロイン的存在、FBI鑑識官のローザさんだ。はい、みんな拍手!
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日本版のパッケージ裏のコピーに「追い詰める方が怖い……」とあるが、言いえて妙だ。追い詰めたくない、でも追い詰めなきゃならない。
人間の醜悪さ、残酷さ、弱さ、嫌らしさをそこかしこに残していく犯人を、これまた人間の醜悪さ、残酷さ、弱さ、嫌らしさを振り撒きながら追っていくFBI捜査官イーサン・トーマス。
そして追えば追うほど、さらに混沌の度合いを増してゆく事件の輪郭。
2006年にセガより日本国内版がリリースされたが、その生産数の少なさから、1年も経たないうちに早々とレアソフト化していた曰くつきの一品。
One互換など夢のまた夢と思われてきたが(海外オリジナル版は対応済み)、それがこの度まさかの対応化。
ただしダウンロード版未発、セガのディスク版必須な、いささかいびつな形の対応故に、互換対応はしたけどソフトのレア化の問題はちっとも解消されないのであった。

 

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2016/02/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【稲川淳二 真夜中のタクシー】タクシードライバーの受難

   ↑  2015/08/09 (日)  カテゴリー: PS1
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深夜のタクシーにとって流しの客は非常にありがたい存在だ。よほど雰囲気が妙じゃない限り、それを拒む理由などない。
ましてや相手はテレビで勝手知ったる有名タレント。物腰もいたって普通だし横柄なところもない。
だが、「いやあ、観てましたよ、モルモットおじさん」と、話を振ろうとしたのを遮るかのように、一対一の密室で突然怪談語りが始まるとなっては話は別だ。
こっちはおカネを戴く身。それなのに向こうの方から、わざわざサービスをしていただく必要も謂れもない。
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そんな戸惑いなどまるで関知しないかのように、例のテンションで怪談をひと語りしてタクシーを降りてゆく稲川淳二。
しかしこれはこの不幸なタクシー運転手に降りかかった災難の、ほんの幕開けにすぎなかったのだった。
次に乗せたのは健康そうなスポーツマンタイプのサラリーマン。
稲川淳二が車内に残していった陰鬱なムードを振り払うかのように、客の趣味だというダイビングの話題で盛り上がっていたのも束の間、客は突然表情を硬くすると、
「そう言えばこの前、湖にダイビングに行ったとき、ちょっと奇妙な出来事があってね……」
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それからはもう乗せる客乗せる客みんな揃って、創作だか実体験だか、とにかく隙あらば怪談を一席披露しては降りてゆくの繰り返し。
いくら客と会話の相手をするのも仕事の内とはいえ、100%怪談ばっかりだったら、さすがに堪ったもんじではない。
松平定知に蹴りを入れられたり、NOSAWA論外にクルマを強奪されてしまう以上の、タクシー運転手の受難がここにあった。
そしてこの傍迷惑な夜の営業は、一晩だけでは収まらず連日連夜に渡って続くのである。
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いくら一方的に怪談を聞かされる身とは言え、運転手にも選択権らしきものはある。
暗い夜道で手を上げている客を拾うか拾わないかは、運転手の胸先三寸次第。これによって語られる怪談が分岐するシステムだ。
もっともそんな乗車拒否を繰り返していれば、そのうちタクシー運転手にとっては怪談なんかより遙かに怖い、東京タクシーセンターからの訓告が来てしまうような気もするが。
しかし陰鬱な怪談でも、披露するのは稲川淳二以外はその筋の素人。
ぶっちゃけ訓練を受けた役者さんの明瞭な語り口ほど、本来は怪談にまったく向いてないものも他にはない。
そんなちっとも怖くない怪談のローテーションにうんざりしているときは、夜道で再び手を上げている稲川淳二の顔を見ると、「やっと真っ当な怪談が聞ける」と、なぜか逆にホッとしたりするのであった。
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当事者意識をまるで持てないまま、ただだらだら怪談を聞かされるだけだった『稲川淳二 恐怖の屋敷』から一転、深夜の密室というシチュエーションと基本的に仕事だから逃れられないなんて消極的拘束理由で、怪談語りの迷惑さと鬱陶しさを一段と際立たせた"PSで稲川"シリーズの第二弾。
しかし稲川淳二がいくら孤軍奮闘しようとも、真夜中のタクシー運転手にとって真の恐怖は、酔っ払った漫才師やプロレスラーやNHKアナウンサーである事実だけは、そう簡単に揺らぎそうもないのであった。



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2015/08/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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